yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

哀れなるものたち (2023年・イギリス)

 狂気的な外科医バクスターウィレム・デフォー)により女性の死体に胎児の脳を移植して誕生させられたベラ(エマ・ストーン)は、放蕩者の弁護士ダンカン(マーク・ラファロ)とともに大陸横断の旅に出発し、世界を知っていく。

監督、製作:ヨルゴス・ランティモス、脚本:トニー・マクナマラ、撮影:ロビー・ライアン、美術:ジェームズ・プライス、ショーナ・ヒース、衣装:ホリー・ワディントン、編集:ヨルゴス・モブロプサリディス、音楽:イェルスキン・フェンドリックス。

 

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 世界や社会へのメッセージを込めてる訳ではないのに、何か意味ありげなムードだけ漂わせる系の、かなり苦手な部類の映画だった。この監督って前観たやつもそんなだったな、というのを思い出した。

 

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 フェミニズム映画みたいなふりをしながら、知識に目覚めた主人公は深い考え無しに無意味な善行をしたり、暴力で束縛してきた相手を同様に隷属させることで支配下に置いたりと、女性が知識を得ても結局愚かだというストーリーにしかなっていないし、真に愚かな者は家族愛や父性というもので免罪されている。そんなに興味ないなら最初からジェンダーをテーマにしている風を装わなければいいのに、とか、エマ・ストーンはこれで良かったのか?と思ってしまった。

 

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 役者はみんな良かったが、最初からウィレム・デフォー出てくると、あぁ、ウィレム・デフォーだー、となるし、それでエマ・ストーンが続けて出てくれば、ハリウッド映画だなー、としか思えなくて、映画世界に没入する障壁になっていた。グラフィックノベル調に作り込んだ画面は世界を戯画化して提示するというよりは世界観の単調さをより強調する役割になっていて、なんだかなーという気分になった。…あれ?観ているあいだはわりと楽しかった気もしたんだが、思い出して書いてるとヤなとこばかり目についてきた。これは多分、モンスター映画とかに興味ないだろうに表層だけ借りていった姿勢が腹立たしいというのがあるんだろうな。なので、やるならちゃんとフェミニズム映画にするか、モンスター映画をやって欲しかったね!という個人の感想。客観的には、すごく力の入った、いい映画だと思います…。

 

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第80回ヴェネチア国際映画祭最高賞、金獅子賞受賞!『哀れなるものたち』予告編│2024年1月26日(金)公開! - YouTube

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アクアマン 失われた王国 (2023年・アメリカ)

 アトランティスの王アクアマン(ジェイソン・モモア)は弟でかつての敵対者でもあるオーム(パトリック・ウィルソン)とともに、古代兵器ブラック・トライデントを使って世界に脅威を振りまくブラック・マンタ(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)を倒すべく立ち上がる。

 監督・製作・原案:ジェームズ・ワン、脚本:デヴィッド・レスリー・ジョンソン、音楽:ルパート・グレッグソン=ウィリアムズ、撮影:ドン・バージェス。

 

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 アクアマン新作、観たい、という気分はあまり盛り上がってなかったけど『フラッシュ』面白かったし、それを受けての展開もあるかも知れないから一応チェックはしておきたいので観てきたが、『フラッシュ』での仕切り直し的な展開とは無関係に普通に『アクアマン』からの続きの、いつも通りのアメコミ映画だった。

 

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 海中SFメカとかモンスターなど、こういうアメコミ作品でないと今ではほとんど見られないガジェット類を大画面で楽しめる、というだけでも観ておいて良かったし、これからもアメコミ映画には頑張ってほしいとは思ったが、CGメインのアクションと大雑把なストーリーだけではアメコミ映画に食傷気味の今の観客に受け入れられないのじゃないかと余計な心配もしてしまった。ジェームズ・ガンが関わる前からの企画だし、あとから関わってるわけでもなさそうなので、今後のユニバースともあんまり関連なさそうだった。個人的には『フラッシュ』の後日譚的要素が皆無だったのは肩透かしされた感じがある。パトリック・ウィルソンをロキ的な立ち位置に仕立て上げようとしたりしているのも、結局DCユニバースはリセットするんでしょ?と考えるとどうでもよくなってくるし。

 

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 そういう訳で、今作は『フラッシュ』後の展開では無かったのだけど、そもそもジェームズ・ガンは『フラッシュ』の物語的落とし前を着ける気はなさそうだなというのが悲しい。スーパーガールの役者も変更するつもりみたいだし(残念)。となるとDCユニバースの今後には不安と不満の方が大きいのだが、どうなるんだろう。

 

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 あとゴキのくだりは、もう監督の感性がこちらの文化圏とは相容れないとしか…。ギャグとして受け止められないぜ!

映画『アクアマン/失われた王国』US予告 2024年1月12日(金)辰年公開 - YouTube

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2023年 年間ベスト

 年間ベストどうしよう、めんどくさくてほとんど記録も残さなかったし、とか思ってたらもう4月…。今更ながら一応上げておこ…。

映画

①クライムズ・オブ・ザ・フューチャー

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グリッドマン ユニバース

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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3

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④フラッシュ

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⑤鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

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という感じかな。

鬼太郎はコナンくんと変えてもいい。

というより、クローネンバーグ以外は順不同。

 


音楽に関してはほとんど聴いてない。

よく聴いたのを拾うと、こんな感じ。


Andy Shauf/Norm

Andy Shauf 'Norm' (Full Album Stream) - YouTube 

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思い出野郎Aチーム/Parade

笑い話の夜 - YouTube

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Ash /Race The Night

Ash - Race The Night (Official Video) - YouTube

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 あと、2023年は完結した漫画として

古鉢るかはなにあらし

オジロマコト『君は放課後インソムニア

が傑作でした。

『〜インソムニア』のラストについてはいまだにモヤついてはいるんだけど。

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 それとヤン・ポトツキ作、畑浩一郎訳『サラゴサ手稿』は物語を読む楽しさを存分に味わえて良かった。

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 今年はちゃんと年内にベスト纏めよう!

いきもの怪談 呪鳴(竹書房怪談文庫)/戸神重明

 動植物系怪談、らしい。これも実話怪談のサブジャンルなのか⁉︎奥深し…。とは言え、化け猫やゾンビ犬が暴れるとかいう話ではなく、ちょっと動植物が絡む実話怪談という体裁。それほど動植物テーマを深く掘り下げてホラー化しているわけではないエピソードも多いけど、そこは実話ということなので…って、またもや実話怪談とは?という出発点に戻ってきたよ。

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邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season10/服部 昇大

 ファスト映画とか、そういう文化があるのは知ってはいたけど、実際どういう界隈なのか理解してなかった。ので、今作のダーク池ちゃんのおかげでどういうものか何となく分かった。笑えるのにかなり真面目な考察はさすが。そしてコナンくん映画を遂に俎上に載せてくれていたのが個人的なニンマリポイントだった。壁ドン表紙もいい。

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安達としまむら11 /入間人間

 いよいよ次巻で終わりらしい。ので、もったいないから寝かせていたが、番外編が2冊出てしまったので読んだ。蛇足かな、とか思わないでもない内容で、ここのところずっとそんな感じとも言えるが、百合ジャンルの上級作品ではそんなエピローグや番外編的なものが実は1番の御褒美なので喜んで読んではいる。

 初登場にしては妙にバックボーンありますよ感を醸し出してるな、ひょっとして忘れてるだけかな、というキャラクターが出てきたりしたが、別作品のキャラだったらしい。マイユニバース作りたい派なのか読者誘導装置的なやつなのか不明だけど、あだしま世界にはそういうの無くてもいいかなと思いつつ、その別作品読んだら印象変わるかも、じゃあ読んでみるかな…と見事に手の内に引っかかったりもした。

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週に一度クラスメイトを買う話2〜ふたりの時間、言い訳の五千円〜/羽田宇佐

 1巻目を読み終えて、面白かったけどこれ以上続けるのは蛇足になるんじゃないかと思ったが、そんなことは無かった。キャラクターの描写が深まるにつれて2人の関係性のもどかしさがより複雑になってヤキモキ度が上昇してさらに面白くなってきた。ラブコメと同様、くっついてしまうと終了という設定ながら、登場人物たち自身がその着地点を否定していて、それでいて否応無しにその着地点へ向かってもいるという関係性の面白さ。これはそのまま百合ジャンルの醍醐味でもあって、とても楽しい…。

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