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yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

ヒッチコック/トリュフォー (2015・米、仏)

映画(劇場)

    「定本 映画術 ヒッチコックトリュフォー」を題材に、1962年当時のヒッチコックトリュフォーのやり取りを録音した音声テープや、スコセッシ、フィンチャー黒沢清ら現代の監督たちが本とヒッチコックについて語ったインタビューなどを織り交ぜながら著作の内容に迫る。監督、脚本:ケント・ジョーンズ、脚本:セルジュ・トゥビアナ、日本語字幕:山田宏一

 

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    これぞまさに〈まさかの映画化〉とも言えるけど、映画化のアプローチは原作へのイントロダクションというような形で、特に斬新な内容が出てくる訳ではない。

 

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    しかし「俳優は家畜だ」などの有名な発言を音声で確認出来たり、有名監督が影響を語るなどその意味では充分だと思ったし、楽しかった。ちなみに語っている監督たちはウェス・アンダーソンオリヴィエ・アサイヤス、ピーター・ボグダノゥィッチ、アルノー・デプレシャンデヴィッド・フィンチャージェームズ・グレイ黒沢清リチャード・リンクレイターポール・シュレイダーマーティン・スコセッシ、といった面々。なぜにデ・パルマが呼ばれていないのかが気になって仕方なかったが、断ったのかな。

 

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ヒッチコックの肉声『ヒッチコック/トリュフォー』特別映像 - YouTube

 

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沈黙 (2016・米)

映画(劇場)

    江戸初期、若きポルトガル人宣教師、ロドリゴアンドリュー・ガーフィールド)とガルペ(アダム・ドライバー)は日本で棄教したとされる恩師フェレイラ(リーアム・ニーソン)を見つけ出して真相を確かめる為、キリシタン弾圧下の長崎へと向かう。マカオで出会ったキチジロー(窪塚洋介)という日本人を案内役にようやく長崎へ潜入したロドリゴたちをイチゾウ(笈田ヨシ)やモキチ(塚本晋也)たち潜伏キリシタンが迎い入れる。しかし彼らは井上筑後守イッセー尾形)の徹底したキリシタン狩りの脅威にさらされていた…。
監督、脚本:マーティン・スコセッシ、脚本:ジェイ・コックス、原作:遠藤周作、撮影:ロドリゴ・プリエト、プロダクションデザイン、コスチューム:ダンテ・フェレッティ。

 

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    異郷探検と人探しの物語としての面白さもあるし、単純に信仰が素晴らしいという映画でもなかった。スコセッシはカトリックを否定しているわけではもちろんないと思うけど、団体としての宗教や国家という形式ではなく、あくまで個々人の信念そのものを善悪を超越して描いていて、その姿勢はこれまでの社会からはみ出したタクシードライバーやヤクザ者、金融屋の描き方と一貫していた。

 

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    今作を見てカルトだろうと何だろうと信じることが素晴らしいと勘違いする人が出てきそうなのは怖いが、カトリックを伝道する若者2人を若さゆえの盲信を感じさせるアンドリュー・ガーフィールドとアダム・ドライバーに演じさせていることからも団体への忠誠を危うさ込みで描いていることが窺えたし、それは国家と密着している当時の日本仏教の描き方とも共通していた。最終的に神を見出すのが、国家や宗教団体などの組織から外れてしまった者というところもスコセッシらしい。

 

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    あと凄かったのは暴力描写とそれを受ける日本の役者陣で、ふんどし一丁で本気の水責め受ける塚本晋也が中でも鬼気迫っていた(それをやらせるスコセッシも怖いが)。観ていて本気で辛くなる場面になっていて、役者としての塚本晋也、凄まじかった。初期の自作ではちょっとナルシズム入った2枚目だったのに、ここまでやるのかと思った。あとイッセー尾形井上筑後守はキャラ作りすぎてる気もしたけど、見てたら段々慣れたかな。出ずっぱりの窪塚洋介はもちろん、加瀬亮浅野忠信も良かった。

 

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    全体として日本人が欧州からの目線で記した日本の見聞録を米国人が台湾で撮影して映画にしている複雑な成り立ちながら、驚くほど原作に忠実で、時代劇としても違和感を感じなかった。さらには要所で映画的見せ場を用意してダレさせず飽きさせない作りで、スコセッシの安定しつつも若々しく新鮮で冴えた演出を堪能出来る見応のある作品だった。

 

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映画『沈黙-サイレンス-』本予告 - YouTube

 

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ネクター (2014・仏)

映画(劇場)

   森の中の屋敷、女王然とした女(オルガ・リャザーノワ)がメイドたちから愛撫するような奉仕を受けていた。やがて女の身体からは蜂蜜のようなものが滲み出てゆき、その光景が屋敷の庭に置かれた養蜂箱の女王蜂と蜜蜂たちの姿と幻想的に重なり合っていく…。監督、脚本:ルシール・アザリロヴィック、撮影:マニュエル・ダコッセ。

 

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   『エヴォリューション』と一緒に併映されてた短篇。その情報知らずに劇場入ったので、これが『エヴォリューション』だと思って観ていたらアッサリ終わったのでびっくりしたよ。

 

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    で、こちらも『エヴォリューション』同様に実相寺昭雄ウルトラセブン的な雰囲気があるイメージ重視の作品だったが、短篇なだけによりイメージだけの作品という感じで、蜂の巣とマンション、女性の立場と蜂蜜の世界を重なり合わせたような描き方もちょっと安っぽい気もした。しかし蜂の巣のように見えるマンションなど画面の切り取り方はカッコ良かったので、観られて良かったかな。

 

映画『ネクター』予告編 - YouTube

 

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エヴォリューション (2015・仏、スペイン、ベルギー)

映画(劇場)

    女性と少年たちだけが住む奇妙な島。そこでは少年たちが目的不明の医療行為を施されていた。ある時、そこで暮らす少年ニコラ(マックス・ブラバン)は素潜りで遊んでいた際に海底に沈む男の死体を発見する。母親(ジュリー=マリー・パルマンティエ)にそのことを告げるが信じてもらえないニコラは、その事件をきっかけに段々と島社会への違和感を覚え始める。やがて病院に入れられたニコラだったが、他の少年たちとは違う様子を見せる彼に対して看護師のステラ(ロクサーヌ・デュラン)が興味を示し始める…。監督、脚本:ルシール・アザリロヴィック、脚本:アランテ・カヴァイテ、撮影:マニュエル・ダコッセ、美術:ライア・コレット、音楽:ザカリアス・M・デ・ラ・リバ、ヘスス・ディアス。

 

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    大人へ変化していく少年の姿をSFとして描いているようにも、性差を超越した存在の探求のようにも見える物語自体はけっこう退屈だったが、気色の悪さと美しさを同時に描写した海の捉え方や皮膚に吸盤のようなものが浮かび上がる怪奇人間の質感など、映像そのものは観ていて楽しかった。

 

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    全体の雰囲気、画面の質感も含めてまるで実相寺昭雄演出回のウルトラシリーズのようなSF感で、更にはデヴィッド・リンチやクローネンバーグ、もしくはアベルフェラーラの『ボディ・スナッチャーズ』のようなイメージもあって、新鮮味は無いもののちょっと懐かしさを感じさせられる、作り手の趣味が滲みまくった珍妙SFの味わいもあった。これがもっとホラー寄りの演出だったらかなり好きになっただろうな、とは思った。

 

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映画『エヴォリューション』予告編 (short ver.) - YouTube

 

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映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン! (2016・日)

映画(劇場)

    さくらニュータウンに突如出現した空飛ぶ巨大クジラ。時を同じくしてアニメ世界が実写世界へと変貌してしまう。妖怪たちが実写世界の違和感に混乱する中、ケータ(戸松遥/南出凌嘉)やジバニャン小桜エツコ)たちは巨大クジラと関わりのある少女カナミ(浜辺美波)を発見するが…。監督:ウシロシンジ、実写パート監督:横井健司、原案・脚本・製作総指揮:日野晃博、脚本:加藤陽一、制作プロダクション:OLM

 

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    TVの拡大版をやれば充分ヒットするはずなのにマンネリ化させないアイデアで攻めていく姿勢は立派というか貪欲というか、とりあえず従来の子供アニメのパターンを踏襲してはいない。

 

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    で、今回は実写パートを導入するというかなり無茶な手法だったのだが、違和感自体を先廻りしてギャグにしていたので居心地悪くならずに観ることが出来たし、子供たちも喜んでいた。実写パートのクオリティは通常の特撮テレビ番組程度のもので特に画面として面白いことは無かったが、実写にトレースされる前のアニメパート自体がテレビ的な作りだし、逆に実写だけ映画的な絵作りを見せられても困惑したと思う。

 

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    実写とアニメを行き来させることで色々と掘り下げられそうなテーマもありそうだったが、それは特にない。それでもアニメに逃避することを否定することなく同時に「毛穴の見える」リアル世界への肯定にもなっていて、子供映画として真面目だったのは良かった。大人としても妖怪ウォッチ観に行って武井咲が観られて満足だったよ。

 

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「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」予告編2 - YouTube

 

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アンダーワールド ブラッド・ウォーズ (2016・米)

映画(劇場)

    はるか昔より抗争を続けるヴァンパイア族とライカン(狼男)族だったが、一族の統率を成し遂げたライカンの新リーダー、マリウスの登場によりヴァンパイア族は劣勢に立たされていた。そんな中、長老殺しの罪で双方の一族から追われていたヴァンパイアの戦士セリーン(ケイト・ベッキンセール)を野心家のヴァンパイア、セミラ(ララ・パルヴァー)が一族の元へと呼び戻す。セリーンの戦闘能力を活かして兵士の養成を行わせることを目的とした恩赦であったが、セミラの真の目的はセリーンの持つ特別な血にあった…。監督:アナ・フォースター、脚本:コリー・グッドマン、製作:レン・ワイズマン

 

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    正直まだやりますか、という感じもありつつ、すでにこれまでのストーリーがかなりボンヤリになっていたので冒頭の粗筋紹介は非常に助かった。それだけに今回あっさりセリーンが許されてヴァンパイア族に戻ってくる件は今までのセリーンの流転は何だったんだよという気分になってしまったが。

 

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    で、特にこのシリーズに新鮮味は求めていないので、今作への興味と楽しみは誰が吸血鬼の長老をやるのかという一点にあったのだけど、チャールズ・ダンスが登場した時点でもうOKだと思った。今回初登場の北欧の吸血鬼一族の雰囲気や衣装にゲーム・オブ・スローンズ臭が漂っていたのは彼が出演しているからなのか。しかしチャールズ・ダンスが演じた吸血鬼トーマスの出番は少なくて、ちょっとガッカリ。その代わりララ・パルヴァーが頑張って吸血鬼成分を醸し出してくれてはいたが、映画全体としては吸血鬼映画要素が少なくて、そこも残念ではあった。

 

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    相変わらず北斗の拳ばりの後出しジャンケン的な設定やストーリーは破茶滅茶だったが、今作で話が一応ちゃんと終わってたのは良かったのかな。あと吸血鬼という設定を壊さず、容姿を維持し続けるケイト・ベッキンセールは偉いし凄い。どうもまだ続ける気がするよ。

 

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『アンダーワールド ブラッド・ウォーズ』 予告編② - YouTube

 

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傷物語III 冷血篇 (2017・日)

映画(劇場)

    瀕死の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード坂本真綾)を救った為にその眷属となってしまった高校生、阿良々木暦神谷浩史)。彼は自らを人間に戻すため、3人のヴァンパイアハンターが奪ったキスショットの四肢を取り戻し、彼女を完全体へと復活させる。しかしそれは人間を喰らう鬼としての彼女を蘇らすことでもあった。暦は羽川翼堀江由衣)や忍野メメ櫻井孝宏)の助けを借りて、最善の道を探るのだが…。総監督:新房昭之、監督・絵コンテ:尾石達也、原作:西尾維新、キャラクター原案:VOFAN、脚本構成:東冨耶子、新房昭之、脚本制作:木澤行人、中本宗応、キャラクターデザイン:渡辺明夫守岡英行総作画監督守岡英行、山村洋貴、音楽:神前暁、アニメーション制作:シャフト。

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    短い尺の中で起承転結の後半部分だけを切り取った物語や、その物語の進行自体がキャラクターを強調してのテレビ的サービスと噛み合っていなかったりで、一本の独立した映画作品として満腹感を得られなかったのは前作までと同様だった。とは言え前作、前々作とトータルで観たとしても一本の映画になったかは疑問にも感じたけど、これは物語を推進させる主人公の動機や、抱える問題がそれほど重いものだとは思えないのに過度に深刻に受け止めるという最近多いこの手のドラマへの違和感が主な原因なので、単に好みの問題かも知れない。

 

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    デザインや作画の面白さが味わえるというのも前作までと同様で、今作では特に清々しいほどに馬鹿馬鹿しく描かれたクライマックスの格闘シーンでそれを堪能させてもらった。ただ首が飛び腕が千切れる凄惨な描写ながらストーリーの流れと設定上、緊張感やおぞましさは皆無で、この最新型日本アニメの動きの面白さに物語の重みが付加された映画が観たいな〜、という気持ちも湧いてしまった。

 

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傷物語〈Ⅲ冷血篇〉本予告(2017/1/6全国ロードショー) - YouTube

 

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