引退した伝説の殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)の元に、かつての仲間サンティーノ(リッカルド・スカマルチョ)が訪れ、組織の掟を理由に仕事の請け負いを強要する。ジョンは指令通りにサンティーノの姉で犯罪集団の元締組織「主席連合」の一員であるジアナ(クラウディア・ジェリーニ)を暗殺するが、サンティーノは復讐への恐れと口封じの為、ジョンも所属していた殺し屋のネットワーク「コンチネンタル」へジョンの暗殺を依頼する。アレス(ルビー・ローズ)やカシアン(コモン)など全世界の殺し屋から命を狙われたジョンはコンチネンタルのNY支配人(イアン・マクシェーン)やローマ支配人(フランコ・ネロ)、地下組織のボス、キング(ローレンス・フィッシュバーン)らの協力を得ながらサンティーノとの対決に挑む。
監督:チャド・スタエルスキ、製作総指揮:デヴィッド・リーチ、脚本、キャラクター原案:デレク・コルスタッド、音楽:タイラー・ベイツ、撮影:ダン・ローストセン。
前作にあった復讐劇という縦線を失って散漫になった物語が主人公の動機付けも曖昧なまま進行していくので全く感情移入が出来ず、見どころだったアクションも、より多彩な動きを取り入れたことによって柔術やらカーアクションやらでゴチャゴチャになり、せっかくの「ガン・フー」(ガンアクション+カンフー…、)はキレ味を失ってしまった。全体としても作品内リアルさと設定の漫画っぽさのバランスが崩れていて、前作では犬の為にそんな大量殺人やってしまうのかと思わせつつもジョンと犬の関係性や感情にはリアリティを感じさせてくれたが、今作では犬の扱い方も雑。せめて修理工役のジョン・レグイザモをもう少し活躍させてくれれば良かったのに。
敵キャラたちはルビー・ローズの聾唖の殺し屋などキャラが立ってはいたが、その他大勢を問答無用で殺しまくりながら、ちょっとキャラの立った敵は生死不明で曖昧に済ますのがそのキャラ続編で使うかもという欲丸出しで、なんだかなーと思った。あと主席連合のジアナに縄張りを奪われたらしいギャングのリーダーが後半にも顔出したりして、どう考えても何かの伏線だろうと思わせておいて何も無いというのも次回への布石なのか、それとも何にも考えていないのか、どちらにしても肩透かし感が凄い。埋めた武器の件も同じ。
他にも周囲のキャラクターたちから奴は凄い、不死身、みたいな評価を言わせたり、本人もラストで大見栄切っていたりするのに、最後のビビった小走りは何だよっていうジョン・ウィックのキャラがブレまくっているところや、キアヌとローレンス・フィッシュバーンの再共演で作り手のドヤ顔がチラついたり、「男たちの挽歌Ⅱ」オマージュが全然上手くいっていなかったりと色々あるんだけど、そこら辺も含めたB級感がちょっと愛らしかったりもして、嫌いにはなれないのだった。でもやっぱり遥かに前作の方が良かったよ。
映画『ジョン・ウィック:チャプター2』日本版予告編 1 - YouTube