yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

ジョン・ウィック チャプター2 (2017・米)

    引退した伝説の殺し屋ジョン・ウィックキアヌ・リーブス)の元に、かつての仲間サンティーノ(リッカルド・スカマルチョ)が訪れ、組織の掟を理由に仕事の請け負いを強要する。ジョンは指令通りにサンティーノの姉で犯罪集団の元締組織「主席連合」の一員であるジアナ(クラウディア・ジェリーニ)を暗殺するが、サンティーノは復讐への恐れと口封じの為、ジョンも所属していた殺し屋のネットワーク「コンチネンタル」へジョンの暗殺を依頼する。アレス(ルビー・ローズ)やカシアン(コモン)など全世界の殺し屋から命を狙われたジョンはコンチネンタルのNY支配人(イアン・マクシェーン)やローマ支配人(フランコ・ネロ)、地下組織のボス、キング(ローレンス・フィッシュバーン)らの協力を得ながらサンティーノとの対決に挑む。
監督:チャド・スタエルスキ、製作総指揮:デヴィッド・リーチ、脚本、キャラクター原案:デレク・コルスタッド、音楽:タイラー・ベイツ、撮影:ダン・ローストセン。

 

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    前作にあった復讐劇という縦線を失って散漫になった物語が主人公の動機付けも曖昧なまま進行していくので全く感情移入が出来ず、見どころだったアクションも、より多彩な動きを取り入れたことによって柔術やらカーアクションやらでゴチャゴチャになり、せっかくの「ガン・フー」(ガンアクション+カンフー…、)はキレ味を失ってしまった。全体としても作品内リアルさと設定の漫画っぽさのバランスが崩れていて、前作では犬の為にそんな大量殺人やってしまうのかと思わせつつもジョンと犬の関係性や感情にはリアリティを感じさせてくれたが、今作では犬の扱い方も雑。せめて修理工役のジョン・レグイザモをもう少し活躍させてくれれば良かったのに。

 

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    敵キャラたちはルビー・ローズの聾唖の殺し屋などキャラが立ってはいたが、その他大勢を問答無用で殺しまくりながら、ちょっとキャラの立った敵は生死不明で曖昧に済ますのがそのキャラ続編で使うかもという欲丸出しで、なんだかなーと思った。あと主席連合のジアナに縄張りを奪われたらしいギャングのリーダーが後半にも顔出したりして、どう考えても何かの伏線だろうと思わせておいて何も無いというのも次回への布石なのか、それとも何にも考えていないのか、どちらにしても肩透かし感が凄い。埋めた武器の件も同じ。

 

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    他にも周囲のキャラクターたちから奴は凄い、不死身、みたいな評価を言わせたり、本人もラストで大見栄切っていたりするのに、最後のビビった小走りは何だよっていうジョン・ウィックのキャラがブレまくっているところや、キアヌとローレンス・フィッシュバーンの再共演で作り手のドヤ顔がチラついたり、「男たちの挽歌Ⅱ」オマージュが全然上手くいっていなかったりと色々あるんだけど、そこら辺も含めたB級感がちょっと愛らしかったりもして、嫌いにはなれないのだった。でもやっぱり遥かに前作の方が良かったよ。

 

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映画『ジョン・ウィック:チャプター2』日本版予告編 1 - YouTube 

 

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メアリと魔女の花 (2017・日)

    赤い館村のシャーロット叔母様(大竹しのぶ)の家へ越してきた少女メアリ(杉咲花)は森の中で7年に一度だけ咲くという伝説の花「夜間飛行」を見つける。それは「魔女の花」と呼ばれ、一夜限りの魔女の力を手に入れることが出来る禁断の植物だった。魔女の力で箒に跨り空を飛んだメアリは、空の世界の魔法学校、エンドア大学へ迷い込んでしまう。彼女の魔法の力が天性の素質によるものと勘違いしたエンドア大学のマダム・マンブルチューク校長(天海祐希)や魔法科学者のドクター・デイ(小日向文世)はメアリを歓迎し、学内を案内する。しかし彼女の力がかつて赤毛の魔女(満島ひかり)によって学園から奪われた魔女の花によるものだと知るとメアリの友達ピーター(神木隆之介)を人質にとってその在り処を教えるよう迫る。メアリは再び魔女の花の力を借りてピーターの救出に向かうのだが…。

監督・脚本:米林宏昌、脚本:坂口理子作画監督:稲村武志、美術監督:久保友孝、音楽:村松崇継、制作:スタジオポノック。 

 

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    娘と鑑賞。キャラクターデザイン、背景美術から世界観に至るまでかなりジブリを感じさせる作りで、米林組がやっているのだから当たり前だけど、それだけに主人公のメアリを何気無い所作の合間のタメや、崩れた表情などの積み重ねで魂を吹き込まれた宮崎作品に登場する女の子と比べてしまって、その動きや表情の固さに違和感を覚えてしまった。演じた杉咲花の声も主人公のメアリと乖離していて、やはり違和感が終始付きまとった。杉咲花は好きだし、演技も上手いと思うけど、表情も含めた総体の演技と声のみの演技は別物で、向き不向きがあるんだな、と再認識もさせられた。ジブリ映画の流れからの有名俳優の声優起用が弊害として出てしまった感じか。しかし美術は素晴らしいし、魔法学校の校長や家政婦さんなどのおばさんキャラクターは生き生きとしていて(アリエッティでも家政婦のおばさんが良かった)、単に元気な女の子キャラが米林作品には向いてないんじゃないか、という気もした。

 

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    あと、ストーリーと世界観はかなり未完成で、この映画世界では天空に上がると魔法の存在する世界があるのだが、主人公の生活していた世界と魔法の世界が全くの異界なのか、何となく地続きなのかイマイチ判然としなかった。序盤、居間にテレビまであるような近代化された、恐らくは飛行機だって飛んでいるはずの世界を示したあとで、特に次元を超越することもなくちょっと空に浮かぶと魔法学校が存在していたりするのは一体どういう世界観なのかと思ってしまった。主人公と叔母さんの関係性も不思議で、血の繋がった親戚だとすると一体どういうことなのかと考えて、ますますこの世界の成り立ちが分からなくなった。そんな風に二つの世界の擦り合わせが雑過ぎて物語世界のリアリティが感じられないのは辛かった。ストーリーも、友達のピーターが悪役に捕まって大変だという時に寄り道して赤毛の魔女の過去を語らせたりと、全く緊張感を維持させてくれない進行で、どう考えても脚本が弱いとしか思えなかった。

 

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   それから、本作では魔法の力を原子力のメタファーとして扱っているようだったが、それも安直過ぎてむず痒かった。最終的に魔法の力を放棄するという流れは理解出来るものの、この物語世界の中で「魔法」というものが便利ではあるが主人公たちの生活している生活圏では認知もされていない、存在していなくても何の問題もないもの、という前提があるので、それを捨て去ること自体に葛藤が生まれず、物語の展開として特に感情に訴えるものになっていなかった。

 

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   ということで、ジブリに似てるからこそのもどかしさや、それとは関係なくどうなんだろうという部分が気になる作品ではあったんだけど、一緒に観た娘に感想を訊くと、「超面白かった!」と言ってたし、僕も好き嫌いで言えば好きなので、やっぱりいい映画。新海作品もいいけど、やっぱりあれはパンツ見せちゃうオタク映画なので、子供と見られるファンタジー映画をちゃんと作ろうという線は凄く貴重というのもある。米林監督にはこれからもどんどん映画を作って欲しいな。

 

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「メアリと魔女の花」予告 - YouTube

 

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ハクソー・リッジ (2016・米、豪)

     アメリカ・ヴァージニア州で育った青年デズモンド・ドス(アンドリュー・ガーフィールド)は第二次世界大戦が激化する中、陸軍に志願する。恋人になったばかりの看護師のドロシー(テリーサ・パーマー)を残しジャクソン基地で訓練を始めるドスだったが、銃器に触れる実習への参加を頑なに拒否する。ドスは第一次大戦の帰還兵で酒に溺れた暴力的な父親(ヒューゴ・ヴィーヴィング)のいた家庭環境で育つ中で暴力を行使しないという強い宗教的信念を持つに至っていたのだった。そんな彼を除隊させようとする上官のグローヴァー大尉(サム・ワーシントン)、ハウエル軍曹(ヴィンス・ヴォーン)たちからの圧力に屈せず衛生兵となったドスは戦地、沖縄へと向かう。しかしそこには想像を絶する地獄絵図が広がっていたのだった。

監督:メル・ギブソン、製作:ビル・メカニック、脚本:ロバート・シェンカン、アンドリュー・ナイト、撮影:ジョン・ギルバート、プロダクションデザイナー:バリー・ロビンソン、音楽:ルパート・グレグソン=ウィリアムズ。

 

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    戦場を限定しているというエクスキューズはあるが、沖縄戦を描いて大量の民間人犠牲者を語らないのはさすがにどうなんだろうとか、ヒューマニズムというより狂信的な主人公の行動原理、その行動を際立たせる為だけとは思えない人体破壊の残酷描写の数々、などメル・ギブソンはやっぱりちょっとどうかしているとも思えるんだけど、後半、戦地に赴いてから非日常の地獄状態へ突入させる手際やその混沌の極みの中で様々な戦闘シーンを明確に見せていくなど演出手腕は凄かった。意図的かどうかはともかく彼女へのプロポーズのシーンを始めとして純粋であることはわかるが同時に狂気も感じさせるように主人公を描いて、「沈黙」でも同様の若さゆえの盲信と脆さを体現していたアンドリュー・ガーフィールドにそれを演じさせてギリギリのバランスでエンターテイメントとして成立させていたのも上手かった。

 

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   映画自体は戦争を舞台にしているが、戦争そのものを掘り下げるのではなく、信念を貫いた一個人に焦点を当てていて、その姿勢が尊さと狂気を同時に見せているのが作品の本質かな、と思った。訓練中、仲間に疎まれてリンチに遭う場面でも、戦争の異常性を際立たせた「フルメタル・ジャケット」と違って、あくまで主人公の信念への試し、受難として暴力を見せているだけで、作品の興味はいかに強い信念を保持出来るか、という部分にのみあるように感じた。そもそも主人公は自身の暴力行使は禁じているが、全体が暴力による解決を向いていることに関しては特別関心を払っておらず、あくまで自分自身の行動のみが重要事項になっているのだ。だからこそ沖縄戦での彼の行動に感動的な音楽を当てて盛り上げていく演出には疑問符も浮かんできたが。

 

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    しかしかなり突飛な人物を主人公に据えて、沖縄戦という重たい題材を扱いながらそれらを軽んじることなくサクサク進むエンターテイメントに仕上げて、しかも色々気になるところはあるものの面白いのだから、メル・ギブソンはやっぱり凄いよな、というのが結論、かな。

 

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『ハクソー・リッジ』本予告編 - YouTube

 

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バニシング IN 60" (1974・米)

    表向きは保険会社の調査員だが裏では車専門の窃盗団のリーダーであるペイス(H・B・ハリッキー)は高価な希少車を大量に手配して欲しいという依頼を受ける。仲間たちと手際良く対象車を盗んでいくペイスだったが、彼らが『エレノア』と呼ぶ73年型のマスタングだけはなかなか手に入れられずにいた。そんな中『エレノア』の情報を入手したペイスは見事に車を盗みだすが、彼に恨みを持つ仲間の通報により現場には刑事が待ち伏せしていた。『エレノア』を奪ったペイスを警察が追い、ロサンゼルスの町で壮絶なカーチェイスが始まる。
監督・製作・原案・脚本:H・B・ハリッキー、撮影:ジョン・ヴァセク、音楽:フィリップ・ハチャトリアン、編集:ワーナー・E・レートン、スタント:ブッチ・ストックトンフィル・ウッズ

 

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    オープニングのモノクロ写真と音楽から渋くてカッコ良く、そこから前半はドキュメンタリー風犯罪映画の趣きで進行していき、ストーリーを追うというよりもムードを伝えるような凝った編集が独特の味わいになっていて楽しかった。

 

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    で、後半は延々と30分以上に及ぶマスタングの大暴走カーチェイスで、もちろんノーCGの映像は単純に凄かった。とは言えさすがに長くてちょっと後半眠くなったが。で、そのカーチェイスは基本主人公の爆走ぶりが痛快なんだけど、その最中、所々に生々しい交通事故のイメージを想起させるショットが入ってきたり、背景にタイヤメーカーや自動車メーカーの看板を意味ありげに映り込ませて、まるで車業界が現代社会を牛耳ってますよというイメージを浮かび上がらせたりと無茶苦茶なカーチェイスを見世物としてやっているのに車社会への警鐘みたいなカットを入れてくるあたりの謎演出も味ではあった。

 

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    ところで今回BSプレミアムで観ていて、エンドロールでどうやらリマスター版だったらしいと分かったんだけど、そこについての情報は特に何の表記も無かったので実際どこがオリジナルと違うかは不明…。

 

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Gone in 60 seconds (1974) Trailer - YouTube

 

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DÉ DÉ MOUSE / dream you up

   高揚感とともに適度にノスタルジーを刺激される音の連なりとアートワークも含めたトータルな世界観の完成度。気持ちいい。

 

DÉ DÉ MOUSE / get you back MV -α version- - YouTube

 

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発売日 2017/4/12

 

収録楽曲
1.get you back
2.face to face
3.bent
4.dream you up
5.chase after chase
6.rock you up
7.as you like it
8.flesh!+blood
9.whimsy love hand
10.on your hand
11.pump it up (feat.Anamanaguchi from NY)

Lake / Forever Or Never

    これまで以上にコンパクトでポップな曲が詰まった作品で、ちょっとスタカンを思わせる曲があったりもする。あまりにもスッキリし過ぎて物足りないぐらいだけど、それが繰り返し聴くのに丁度いい具合のアルバムに仕上がっていた。

 

LAKE – Magazine (official) - YouTube

 

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発売日 2017/4/7

収録楽曲
1.Turn Around
2. On the Swing
3. Work with What You Got
4. Give Back
5. Gone Against the Wind
6. Trouble
7. Christian Comedians
8. Over/Under
9. Push and Pull
10. Forever or Never
11. We Can Work It Out
12. Magazine

Friedrich Sunlight / Friedrich Sunlight

    日系アメリカ人がやってるドイツのバンドという掴みで購入してしまったけど、ちょっとThrillsを彷彿とさせるようなサンシャインポップで、当たりだった。ツボを突きまくったアレンジとちょっと頼りないボーカルがいい具合。

 

Friedrich Sunlight - Sommer Samstag Abend (official) - YouTube

 

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発売日   2016/12/7

 

収録楽曲

01 Bahnsteig A

02 Melodie

03 Spuren

04 Hiddensee

05 Gutersloh

06 Dome du Gouter

07 Sommer Samstag Abend

08 Limousine

09 Drei nach zehn

10 Mann mit Hut

11 Nochmal von vorn

12 Nicht ans Meer