yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? (2017・日)

    海辺の町、茂下町。夏休みの登校日に「花火は横から見たら丸いのか?平たいのか?」という話題で盛り上がった中学生の典道(菅田将暉)、祐介(宮野真守)、純一(浅沼晋太郎)、和弘(豊永利行)、稔(梶裕貴)たちはその日の花火大会に出掛けて確かめることにする。そんな中、母親(松たか子)の再婚の為に転校することになったクラスメイトのなずな(広瀬すず)は当番でプール掃除をしていた典道と祐介の前に表れ、水泳勝負で勝ったほうを家庭から逃避する為に花火大会に誘おうと考える。ともに彼女に密かに想いを寄せる典道と祐介だったが、勝負は祐介が勝ち、なずなは祐介を花火大会に誘う。しかし仲間との約束を優先した祐介はなずなの前に表れず、なずなは典道たちの前で母親に無理矢理家へと連れ戻される。自分が勝負に勝ってなずなと約束していればと後悔する典道。すると世界がその願い通りに巻き戻り、典道は再び昼間のプールでの場面に立ち戻るのだった。

総監督:新房昭之、監督・絵コンテ:武内宣之、脚本:大根仁、企画・プロデュース:川村元気、原作:岩井俊二総作画監督・サブキャラクターデザイン:山村洋貴、キャラクターデザイン:渡辺明夫美術監督:飯島寿治、宮越歩、船隠雄貴、アニメーション制作:シャフト。

 

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    岩井俊二版『打ち上げ花火〜』は青春×美少女×SF的仕掛けで甘酸っぱさ倍増という最近のアニメの潮流と相性良さそうなのでアニメでリメイクするのは自然な試みのような気もするが、変更点が裏目に出てしまっているのもあって、短編からの長編リメイクは厳しいな、という印象だった。そもそも『打ち上げ花火〜』は当時の奥菜恵の存在があってこそというのもあるし。

 

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    主人公たちを小学生から中学生に変更したことで友情物語から恋愛物語に変容して元々の作品が持っていたジュヴナイル的な魅力が薄まっていて、終盤の展開からして敢えてそうしたとは思うが、それならわざわざ『打ち上げ花火〜』のリメイクとしてやる必要あるのかと思ってしまったしRemediosのエモい挿入歌を利用しただけみたいにも感じてしまった。

 

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    登場人物たちが小学生から中学生に変更になっているのに同級生や先生への言動や態度は変わっていなくて、元々の作品では戯れている感じの馬鹿で無邪気な子供の表現になっていたものが陰湿な揶揄いやセクハラみたいに感じられて、ここはちゃんと変えたほうが良かったんじゃないかとも思った。絵柄も子供に見えず高校生ぐらいに見えるから先生へのセクハラとかほとんど犯罪にしか見えないし。

 

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     CGを活用した画面はシャープで小綺麗だったけど海辺の町の雑然とした雰囲気や生活感は無く、キャラクターも重力が感じられなくて文字通り地に足が着いていない様にしか見えなくて、特に自転車の描写などは背景から浮いて動いているみたいだった。上滑りしていたのは演出も同様で、なずなが松田聖子をいきなり歌い出す場面など物語として響くような仕掛けが無いので、単に雰囲気だけ醸し出そうとしているようにしか見えず、夏のキラキラした思い出みたいなものをあざとく描こうとして失敗しているように思えた。

 

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    しかしツルツルした画面で綺麗なキャラクターが動き回るのを見ている気持ち良さはあったし、本気の駆け落ちモノにして新しい物語を作ってやるという気概を感じないこともなく、先生役で花澤さんも出ていたので、オリジナルへの思い入れとか抜きにすればこれはこれで良かったのかな、とも思った。

 

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アニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』予告編 - YouTube

 

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Super Furry Animals / Fuzzy Logic (20th Anniversary Deluxe Edition)

    『Fuzzy Logic』20周年記念盤、レア曲が沢山入ってると思って買ったら殆ど知ってる曲だった…。輸入盤で安かったし、名盤であることは再確認出来たしデモ集だけでも充分元はとれたけど。ていうか新しいアルバム出して!

 

Bad Behaviour - Super Furry Animals - YouTube

 

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発売日 2016/11/8

収録楽曲
ディスク1 Fuzzy Logic (Original 1996 Album - 2016 Remaster)
01 God! Show Me Magic
02 Fuzzy Birds
03 Something 4 The Weekend
04 Frisbee
05 Hometown Unicorn
06 Gathering Moss
07 If You Don't Want Me To Destroy You 08 Bad Behaviour
09 Mario Man
10 Hangin' With Howard Marks
11 Long Gone
12 For Now And Ever Fuzzy Logic (Original 1996 Album - 2016 Remaster)

13 Lazy Life (Of No Fixed Identity)
14 Don't Be A Fool, Billy!
15 Death By Melody
16 Something For The Weekend
17 Dim Bendith
18 Waiting To Happen
19 Arnofio / Glô In The Dark
20 Guacamole
21 The Man Don't Give A Fuck
22 (Nid) Hon Yw'r Gân Sy'n Mynd I Achub Yr Iaith

ディスク2 Studio Demo Session, Summer 1995
01 Frisbee
02 Something For The Weekend
03 Hangin' With Howard Marks
04 Sali Mali Studio Demo Session, October 1995
05 Bad Behaviour
06 Lazy Life (Of No Fixed Identity)
07 Mario Man
08 Death By Melody
09 Hometown Unicorn
10 Waiting To Happen
11 If You Don't Want Me To Destroy You
12 Gathering Moss
13 The Man Don't Give A Fuck
14 Fuzzy Birds
15 For Now And Ever Studio Demo Session, October 1995
16 Frisbee
17 Organ Yn Dy Geg
18 Fix Idris
19 Something For The Weekend
20 Hometown Unicorn
21 If You Don't Want Me To Destroy You
22 Focus Pocus/Debiel
23 Bad Behaviour
24 Mario Man
25 God! Show Me Magic

けもの / めたもるシティ

    凄い良かった。特に前半のメロディ、アレンジ、歌詞の言葉選びのセンスが良くて、シティポップ自体には辟易気味だったのに全然新鮮に聴くことが出来た。

 

けもの / めたもるセブン 【MV】 - YouTube

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発売日 2017/7/19
収録楽曲
1.オレンジのライト、夜のドライブ
2.第六感コンピューター
3.PEACH
4.C.S.C.
5.フィッシュ京子ちゃんのテーマB (めたもVer.)
6.めたもるセブン
7.tO→Kio (トーキオ)
8.伊勢丹中心世界
9.River
10.Someone That Loves You
11.第六感コンピューター (カラオケVer.)

スパイダーマン ホームカミング (2017・米)

    特殊な蜘蛛に噛まれたことで超人的能力を得てスパイダーマンとなった高校生ピーター・パーカー(トム・ホランド)は、アイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー Jr.)にスカウトされてヒーロー集団アベンジャーズの戦いに参加したが、その後はスタークの部下ハッピー(ジョン・ファヴロー)の監視の下、ニューヨークの街でチンピラ相手のヒーロー活動にいそしんでいた。ある時、宇宙物質を利用した武器売買を行うバルチャー(マイケル・キートン)たちの悪事を知ったピーターは、トニーの制止を無視して一人戦いを挑むのだが。

監督、脚本:ジョン・ワッツ、脚本:ジョナサン・ゴースドスタイン、ジョン・フランシス・デイリー、クリストファー・フォード、クリス・マッケナ、エリック・ソマーズ、ストーリー:ジョナサン・ゴールドスタイン、ジョン・フランシス・デイリー、製作:ケヴィン・ファイギ、撮影:サルヴァトーレ・トチノ、プロダクションデザイナー:オリヴァー・ショール、編集:ダン・レーベンタール、デビー・バーマン、音楽:マイケル・ジアッキノ。

 

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    主人公のトム・ホランドスパイダーマンは可愛げがあって楽しかったし、相棒のネッド(ジェイコブ・バタロン)とのダメコンビ感やメイおばさん(マリサ・トメイ)、ジョン・ファヴローらの大人のキャラも良かった。さらに子供と観たので子供向けドラマをやっているゼンデイヤが出演していたのも嬉しかった。そして何よりマイケル・キートンが素晴らしかった。

 

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    最近のアメコミ映画では敵役の設定が一番の難点みたいで、他のマーベル作品でもサノスみたいなマンガチックな(漫画だけど)ボスキャラとか内輪揉めで戦ったりしているけど、今作の『忘れられた人々』を体現したような悪役バルチャーは心情的に共感出来るキャラクターに造形されつつも、自己の目的のために一線を越えることで物語の途中で完全に悪役として成立していく過程が丁寧に描かれていて説得力があった。

 

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    それを演じるマイケル・キートンが元DCのヒーローで、『バードマン』ではそれをメタ的に茶化されたりしていたのに似たような衣装に身を包んでの登場して、しかもその『バードマン』では前回のスパイダーマンでのMJの父親だったという何だかよく分からない状況になっているのも色々とイメージが膨らむ配役だし、悪役の怖さと庶民としての共感を両立させた演技も良かった。特にピーターと車内で会話するシーンには凄味があった。

 

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    今回、マーベルシネマティックユニバースへ吸収されたことで、世界の危機のような巨大な物語はアイアンマンを始めとするアベンジャーズに任せて、より身近な冒険にフォーカスを当てることが出来るようになっていて、年齢設定を高校生に引き下げ、活躍の範囲をより生活圏に密着させた青春ヒーロー物としてサム・ライミ版の呪縛から解放された新鮮さもあった。同時に単体作品として完結しないもどかしさとか、要素の詰め込み過ぎによる散漫さも発現していて、功罪両方あるのかな、とは思ったが。

 

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    青春物としてはトム・ホランドの存在感がいい味になっていたんだけど、そちらの青春物語がホームカミングパーティに向かっていくのに対してスパイダーマンとしての物語は別の場所でのバルチャーとの最終対決に進んでいくので、それがどちらもタイトル通りホームカミングパーティに集約されていけば青春アメコミ映画として綺麗に着地したのになー、とは思った。あとアクションシーンの見せ方は何をやっているのかイマイチ分からない所があったり、ラモーンズに合わせてポップなイラストが流れるエンディングが、この映画楽しいでしょ〜とポップで楽しいムードを強要されているみたいでちょっとイヤだったりもしたけど、子供連れで観ても楽しめるクオリティは流石のマーベル作品だったし全体を通して凄く面白かった。

 

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映画『スパイダーマン:ホームカミング』予告① - YouTube

 

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Laurel Halo / Dust

    歌物になったのは良かったのかどうか微妙だったけど、ぶっ飛びつつもあくまでポップというバランスは『ツイン・ピークス』や『ブルーベルベット』の世界観を模倣したラナ・デル・レイなどのようなムードだけが近しいものより遥かにデヴィッド・リンチ的というか、贅沢で奇妙な景色を見せてくれる面白さを感じられて、こういう独自の世界を持っているアーティストはやっぱり面白いし、好きだな、と思う。

 

Laurel Halo - Jelly (Hyperdub 2017) - YouTube

 

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発売日  2017/6/27

 

収録楽曲

1.Sun to Solar

2.Jelly

3.Koinos

4.Arschkriecher

5.Moontalk

6.Nicht Ohne Risiko

7.Who Won?

8.Like an L

9.Syzygy

10.Do U Ever Happen

11.Buh-bye

Waxahatchee / Out In The Storm

    ポップなメロディーとUSインディー王道のアレンジの上でリアム・ギャラガーばりに語尾で巻舌気味に韻を踏むロックンローラーな感じがカッコ良いが、何よりジャケがオロチみたいで大好き。こういうのはやっぱりフィジカルで持っていたくなるよなー。

 

Waxahatchee - Silver (Official Music Video) - YouTube

 

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発売日   2017/7/14

収録楽曲

1. Never Been Wrong

2. 8 Ball

3. Silver

4. Recite Remorse

5. Sparks Fly

6. Brass Beam

7. Hear You

8. A Little More

9. No Question

10. Fade 

 

 

ザ・マミー 呪われた砂漠の王女 (2017・米)

    権力欲に駆られ死の神セトと契約を交わして邪悪な存在となった古代エジプトの王女アマネット(ソフィア・ブテラ)は生きたまま石棺に封印された。そして2000年後、軍属でありながら骨董品などを盗掘しては闇で売り捌いているニック・モートントム・クルーズ)は相棒のヴェイル(ジェイク・ジョンソン)とともに考古学者ジェニー(アナベル・ウォーリス)から盗んだ地図を頼りに中東でアマネットの石棺を発見する。ニックの所業を知った上官やジェニーとともに石棺を英国へとヘリで運ぶ事になった彼らだったが、その途上でヘリは墜落、ニックに助けられたジェニー以外は全員死亡と思われた。しかしニックは何故か無傷で蘇生するのだった。そんな彼らを石棺から復活したアマネットが追い、世界のモンスターを追うジキル博士(ラッセル・クロウ)率いる組織プロディジウムも現れるなど事態が混沌としていく中、ニックの脳内にはアマネットの声が響き続けるのだった…。

監督、原案、製作:アレックス・カーツマン、製作:ショーン・ダニエル、クリス・モーガン、脚本:デヴィッド・コープクリストファー・マッカリー、ディラン・カスマン、原案:ジョン・スペイツ、ジェニー・ルメット、撮影:ベン・セレシン、プロダクションデザイン:ジョン・ハットマン、ドミニク・ワトキンス、編集:ポール・ハーシュ、衣装:ペニー・ローズ、音楽:ブライアン・タイラー

 

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   いつも通り身体を張った全力演技のトム・クルーズ、ミイラの女王は衣装もカッコいいし、ソフィア・ブテラ自身も気品があって美しい。狂言回し的に主人公につきまとうゾンビになった友達のジェイク・ジョンソンも『狼男アメリカン』みたいで楽しい。そして十字軍の墓所から蘇る騎士たちとか『エルゾンビ』を彷彿とさせて燃える!…と素材や設定は面白くなりそうな要素が詰まっていたんだけど、びっくりするぐらいに面白くなかった!

 

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   ジャンル映画ということもあって単純なプロットなんだが話の組み立てのマズさやブレまくりのキャラ設定によって分かりづらい物語運び、ミイラ映画なのに怪奇色は無く、かと言ってハムナプトラのような冒険活劇の痛快さも皆無の何がやりたいのか不明な方向性、挙げ句の果ては実はヒーロー誕生譚でした、みたいなことをやられても全然続き気にならないという結果に。

 

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    そんな中で一番面白かったのが飛行機事故のシーンで、無重力状態でトムが右往左往する、ミッションインポッシブルみたいなシーンで(それもミイラ映画としてどうかと思うが)、しかもそのアイデアはトム自身が出したらしいので、トム・クルーズが立派、というのは今作でも揺るがないところだった。

 

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    しかしせっかくモンスター映画をユニバース化してやっていこうという端緒がこれだとなかなか厳しいものを感じる。雑多な怪奇映画のキャラクターを強引に集合させてエンターテイメントにまとめ上げた『屍者の帝国』(原作の方)というのは凄い力技だったんだな、と改めて思ったりもした。

 

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『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』予告編 - YouTube

 

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