yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

SPIRIT FEST / Sprit Fest

   テニスコーツ+マーカス・アーチャーのコラボアルバム、期待通り良かった。マーカス・アーチャーのやってるノーツイスト風味は抑え目、ほぼテニスコーツみたいだけどいつもより若干インディロック寄りになった感じか。なので曲によってはヨ・ラ・テンゴ辺りの雰囲気もあったよ。

 

SPIRIT FEST / River River - YouTube

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発売日 2017/10/24
収録楽曲
1.Deja Vu(デジャ・ヴュ)
2.Rain Rain(レイン・レイン)
3.Nambei(南米)
4.River River(リバー・リバー)

5.Inklings(インクリングス)
6.Hitori Matsuri (ひとり祭り)
7.Shuti Man (シュッティ・マン)
8.To the Moon(トゥ・ザ・ムーン)
9.Take Me Home (テイク・ミー・ホーム)
10.Mikan(みかん)
11.Donguri (どんぐり)※ボーナストラック

スカート / 20/20

   過剰なプロダクションが施される訳でもなく、いい意味で変わらない、でも確実にブラッシュアップされた楽曲群という理想的なメジャーデビュー盤。とにかく声がいいです。

 

スカート / 視界良好【OFFICIAL MUSIC VIDEO】 - YouTube

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発売日  2017/10/18

1. 離れて暮らす二人のために
2. 視界良好
3. パラシュート
4. 手の鳴る方へ急げ 5. オータムリーヴス
6. わたしのまち
7. さよなら!さよなら!
8. 私の好きな青
9. ランプトン
10. 魔女
11. 静かな夜がいい

CHAI / PINK

    音自体はニューウェーブ風味にバラエティ豊富なギターロックと好きな音が詰まっていて楽しい。ただ歌詞や全体を覆う世界観が単純というか無責任なメッセージ性を帯びていて、ちょっと引き気味にもなる。好物と苦手料理が同じ皿で出てきたみたいな感じだけど、不味い、もう一杯!的な感覚で聴きました。

CHAI『N.E.O.』Official Music Video - YouTube

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発売日  2017/10/25

収録楽曲

01 ハイハイあかちゃん

02 N.E.O.

03 ボーイズ・セコ・メン

04 ほれちゃった

05 フライド

06 あのコはキティ

07 ぎゃらんぶー

08 かわいいひと

09 ウォーキング・スター

10 sayonara complex

11 フラットガール

パターソン (2016・米)

    ニュージャージー州のパターソン市で暮らすバス運転手パターソン(アダム・ドライバー)は愛する妻ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)と愛犬マーヴィン(ネリー)とともに慎ましい毎日を送っていた。町の人々の日常を見つめながらバスを運転し、帰宅して妻と過ごし、愛犬と夜の散歩へ行ってドク(バリー・シャバカ・ヘンリー)のバーで少しのアルコールを飲む。バーではエヴェレット(ウィリアム・ジャクソン・ハーパー)がマリー(チャステン・ハーモン)との別れ話で騒ぎを起こしたりもするが、特に大きな事件が起こるわけではない。そしてパターソンはそんな日々を詩にして秘密のノートに書き記していく。

監督・脚本:ジム・ジャームッシュ、撮影監督:フレデリック・エルムズ、プロダクションデザイン:マーク・フリードバーグ、編集:アフォンソ・ゴンサルヴェス、衣装:キャサリンジョージ、音楽:SQÜRL、詩:ロン・パジェット。

 

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   犬も含めて役者がみんな良かった。アダム・ドライバーのおっとりとして、ぼんやりした表情が映画の雰囲気を心地良く作っていて、ゴルシフテ・ファラハニの美人なのにどこかズレてる佇まいも微笑ましかった。永瀬正敏の日本の詩人というかサラリーマンの登場も最初は唐突に思えて、しかも作品からするとちょっとエキセントリック過ぎるキャラクターに見えて違和感が強かったんだけど、観終わってから思い返すと段々と良くなって、連発するA-Ha?も脳内で繰り返される度に心地よくなっていった。

 

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    作品そのものは、羨ましくて妬ましさすら感じるほどの「普通の日々」を淡々と映し出しているようだけど、現実的には人種が溶け合い、お互いが思いやりに溢れたコミュニティというのはあり得なくて、それをジャームッシュが敢えてファンタジーとして文字通りに詩的に提示しているのが感動的だった。イラン人のゴルシフテ・ハラファニをパターソンの奥さんとして配したり、黒人をステレオタイプに描かなかったりとキャスティングやキャラクターの性格付けも意識的だし、生活空間を彩る様々な作り込みのセンスの良さでありふれた毎日が実は素晴らしいと謳うよくある胡散臭い映画に堕ちない上質さを保っていた。あと音楽の雰囲気がジャームッシュ作品に抱くイメージとは随分と変わって今時な感じだと思ったんだけど、それも本人がやっていて結構意外だった。

 

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    象徴的に繰り返し登場する双子に関しては、主人公パターソンとパターソン市という同名の人と町の物語であることや、主人公夫婦、サイドストーリーのエヴェレット&マリーなど対の関係性と繋がっているのかなと考えたりもしたけど、あんまりしっくりくる解釈は思い当たらず、ジャームッシュの意図も分からなかったんだけど、当たり前の日常の中に不思議さが入り込んでくるような効果は感じた。そこら辺もわざとらしさで嫌味を感じる事もなく、じわじわと良さが増していく映画だった。

 

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映画『パターソン』予告 - YouTube

 

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DECLAN O'DONOVAN / Broken Sky

   グッドメロディにダミ声で一歩間違えると伝統的なシンガーソングライターのクリシェになりそうなところだけど、変な渋味が無く軽やかで嫌味なく聴けて良かった。もうちょっとピアノを前面に出して欲しいとは思ったけど、ストイックに同じことやり続けて枯れていくよりはこちらの路線の方がいいか。

 

Declan O'Donovan - "Down To The Bottom" [Official Music Video] - YouTube

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発売日 2017/06/02
収録楽曲
1. Let It Rain
2. Down To The Bottom
3. Broken Sky
4. Reckless
5. Burn It Down
6. The Boatman
7. Something To Run Away From
8. Keep Me In Mind
9. When I Wasn’t Looking
10. Out Of Mind
11. Hank
12. Let It Rain (Reprise)

Ariel Pink / Dedicated To Bobby Jameson

   帯文のベッドルームへの帰還というのがまさにぴったりのアルバムだった。無茶苦茶ポップなのに細かく捻り過ぎていて通しで聴くといい意味でかなりグッタリする濃密さ。ボーナストラックも更に振り切っていて楽しいので日本盤推し

 

Ariel Pink - Another Weekend [Official Video] - YouTube

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発売日 2017/9/15
収録楽曲
01. Time To Meet Your God
02. Feel Like Heaven
03. Death Patrol
04. Santa's In The Closet
05. Dedicated To Bobby Jameson
06. Time To Live
07. Another Weekend
08. I Wanna Be Young
09. Bubblegum Dreams
10. Dreamdate Narcissist
11. Kitchen Witch
12. Do Yourself a Favor
13. Acting (feat. Dam Funk)
14. Revenge of the Iceman*
15. Nighttime is Great!*
16. Lil' Birdie Told Me*
17. Non-Sequitur Segues*
18. May The Music Never Die Again*
*日本盤ボーナストラック

ブレードランナー 2049 (2017・米)

   2049年、ロサンゼルスではバイオ食料の供給と労働力である人造人間レプリカントの製造によってニアンダー・ウォレス(ジャレッド・レト)率いるウォレス社が絶大な権力を握っていた。そんな中、ロス市警の違法レプリカント狩りを専門とする「ブレードランナー」で自身もレプリカントであるK(ライアン・ゴズリング)は追跡していたレプリカント、サッパー・モートンデイヴ・バウティスタ)を処理した際、人間とレプリカントの関係を揺るがす重大な秘密を知る。ホログラフィーを搭載した恋人兼理解者のAI、ジョイ(アナ・デ・アルマス)とともに上司ジョシ(ロビン・ライト)の命令で極秘捜査を開始したKは人口記憶の創造者アナ・ステライン(カーラ・ジュリ)らを訪ねつつ謎に迫るが、ウォレス社長もレプリカントのラヴ(シルヴィア・フークス)を使って秘密に迫っていた。そしてKは事件の鍵となる30年前に女性型レプリカントとともに失踪したブレードランナーデッカードハリソン・フォード)の存在に行き当たるのだが…。
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ、脚本・原案:ハンプトン・ファンチャー、脚本:マイケル・グリーン、製作:アンドリュー・A・コソーヴ、ブロードリック・ジョンソン、バッド・ヨーキン、シンシア・サイクス・ヨーキン、製作総指揮:リドリー・スコット、撮影:ロジャー・ディーキンス、プロダクション・デザイン:デニス・ガスナー、視覚効果監修:ジョン・ネルソン、衣装デザイン:レネー・エイプリル、音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュハンス・ジマー

 

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多分ネタバレしてます。

 

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    映画が進行して物語に軸足が移ってくる辺りでオリジナルのファンとしてはどうしても納得出来ない感情が湧いてくるのは初めから分かっていたことではあるけど、繊細なリスペクトでオリジナルを踏襲した上で繰り出される続編としての新たなイメージと創意工夫が事前の想像以上で、結果としてヴィルヌーヴ監督と製作陣の並々ならぬ気合いを感じる傑作だった。  

 

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    オリジナルの唯一無二の世界にヴィルヌーヴ監督がこれまでの作品で見せてきた無機質な感触を加えたロサンゼルスの風景は現代の映画としての説得力抜群で、そこにちゃんとオリジナルの雰囲気を保ったままのガジェット類が進化して溶け込んでいる画面は感動モノだった。そしてモノローグの挿入具合、ガジェット操作時に対象を拡大して精査していく様子からリオンを思い起こさせるサッパー・モートンやプリスを彷彿とさせるマリエッティ(マッケンジー・デイヴィス)などキャラの造形もオリジナルから地続きであることを感じさせて、さり気なくもポイントを押さえてオリジナルを踏襲しているのに好感を持った。

 

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   サウンドトラックも同様に環境音と効果音を増幅させたような音楽とオリジナルの劇伴を援用することでヴァンゲリスのイメージを覆したりすることなく今風のサウンドトラックに仕上げていて、そんなところにも全方向的な抜かりなさを感じた。

 

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    そして今回、新たな要素として登場する主人公の彼女(?)であるAIのジョイがとにかく良く出来ていて、ホログラフィーで登場する際の仕掛けや持ち運び可能なガジェットとの連携、言動の健気さ、演じるアナ・デ・アルマスの可愛さで、Kがメロメロになるのも納得のキャラクターになっていた。この映画はオタクの新たなヒロイン像となるバーチャル彼女を創出したというだけでも十分な価値があると思った。あと健気な人造人間というのはそれだけで涙腺刺激する必殺要素なんだけど、今作は主人公に魂を持たないレプリカントを置きつつ、そんな主人公より更に存在として欠落したジョイを登場させることで、切なさを倍増させていて、ハードボイルドだったオリジナルとは全く感触の違う、情緒的な映画として独自性を獲得していたように感じた。

 

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   ただ、続編が作られるという時点で分かっていたことではあるけど、最小限の物語で世界観そのものが映画の肝だった「ブレードランナー」はその余白ゆえに受け手側の想像と妄想でさらに世界を拡大し輝きを増し続けてきた作品なので、その続きを明確に物語として見せてしまうことはオリジナルの魅力を損ない、せっかく広がった世界を縮小させてしまったというのはあるので、そこはどうしても引っ掛かってしまった。別個の作品として楽しめばいいというのもあるけど、リドリー・スコットシド・ミードまでがある程度関わっているというのが今作に公式なお墨付きを与えているので、それもなかなか難しかった。

 

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   あと今作のストーリーだけど、レイチェルに子供がいた!というのは流石に後出しジャンケンにもほどがあるだろうと思うし、リドリー・スコット自ら最終版でレイチェルの寿命に制限が無い件はオミットしていたので、そこらへんはどうなっているんだとかいう気持ちが湧いたり、「ブレードランナー」後のデッカードレプリカントの反逆に加担したり自己犠牲の精神を発揮していたというのも、そんなキャラだったっけ?という気分にはなってしまった。人口記憶を作ってる研究所とか老人ホームなど今作で新たに登場した施設もちょっと設定浮いている感じで違和感があったんだけど老人ホームでガフが出てきたところはテンション上がったよ。

 

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   それと予告編見てこれも分かっていたことだけど、ハリソン・フォードに全くデッカード感が無い、というかただのハリソン・フォードにしか見えなかったのは致命的というか悲しかった。ハン・ソロインディアナジョーンズの老けた姿なら今のハリソン・フォードで問題ないけど、デッカードだと別人としか思えなかった。

 

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   ハリソン・フォードといえば、インタビューでライアン・ゴズリングを主役に推したのは俺だみたいなことを言っていたが他のスタッフやライアン・ゴズリング自身は全くそんなこと言っていなくて、ひょっとしてハリソン・フォードが存在感発揮したくて話を盛っているんだろうか。だとしたらなかなか微笑ましいと思ったんだけど。

 

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   で、結論としては、オリジナル版はリドリー・スコットだけでなく、名もないスタッフ達の愛情とこだわりで作り上げられたものだというのはメイキングその他で知られていることなので、リドリー・スコット本人が正統な続編と認めようともこちらの心の中では別物として扱ってもOKだろうという勝手な言い分を前提として今回の「2049」はSF映画として面白かったし好きな作品、というところに落ち着いた。つまり「ブレードランナー」の続編ということでは認めないけど単体作品としては好きという分裂気味の結論なんだけど。

 

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    あと前日譚の短編が三本公開されていたのも観たけど「モーガン プロトタイプ L-9」が良作だった期待のリドリージュニア、ルーク・スコット監督の二篇は本編のついでに作った感じで可もなく不可もなくという印象だった。しかし渡辺信一郎監督のアニメ短編は作画クオリティ凄くて、絵見るだけでも価値有りの作品だったよ。

 

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映画『ブレードランナー2049』日本版予告編 - YouTube

【『ブレードランナー 2049』の前日譚】「2048:ノーウェア・トゥ・ラン」 - YouTube

【『ブレードランナー 2049』の前日譚】「2036:ネクサス・ドーン」 - YouTube

【渡辺信一郎監督による前奏アニメ解禁!】「ブレードランナー ブラックアウト 2022」 - YouTube

 

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