yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

La Luz / Floating Features

    ドリーミーな楽曲にロカビリー入ってるだけでも好物な上に、全曲メロディも気持ち良くて好きなやつでした。

La Luz - "Mean Dream" [OFFICIAL VIDEO] - YouTube

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発売日    

収録楽曲   2018/5/23

1. Floating Features 

2. Cicada 

3. Loose Teeth 

4. Mean Dream 

5. California Finally 

6. The Creature 

7. My Golden One 

8. Lonely Dozer 

9. GreedMachine 

10. Walking Into the Sun 

11. Don't Leave Me on The Earth

パンク侍、斬られて候 (2018・日)

    凄腕の牢人、掛十之進(綾野剛)は実際には収束している信仰宗教「腹ふり党」の脅威を説いて黒和直仁(東出昌大)の治める黒和藩に取り入ろうと画策していたが、逆に家老の内藤(豊川悦司)と大浦(國村隼)の権力争いに利用され、無理矢理に「腹振り党」の脅威を実在としてでっち上げる役割を担わされてしまう。幕暮孫兵衛(染谷将太)、真鍋五千郎(村上淳)、オサム(若葉竜也)、長岡主馬(近藤公園)、魂次(渋川清彦)といった強烈な個性の家臣たちや腹振り党の残党の茶山(浅野忠信)、謎の女ろん(北川景子)、喋る猿の大臼(永瀬正敏)なども入り乱れ、やがて城下は混沌のるつぼと化していく。

監督:石井岳龍、原作:町田康、脚本:宮藤官九郎、特撮監督:尾上克郎、美術:林田裕至、撮影:松本ヨシユキ、キャラクターデザイン、衣装デザイン:澤田石和寛、音楽:森俊之

 

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    チャンバラでのエフェクトや狂騒状態の演出などで「らしさ」は垣間見えるが石井作品というよりは町田康テイストを色濃く残しつつクドカンっぽく仕上げた印象で、破綻してない、枠からはみ出していない原作に忠実な作りに石井監督、職人的な仕事したのかな、と思った。原作に忠実なわりに平坦には感じたけど、これは元々の面白さがストーリーではなく流れるような独特の文体に依るものなので仕方ないところか。ただもう少しメチャクチャやってくれた方が映画としては面白かったんだろうな、とも感じた。

 

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   綾野剛を始めとしてキャストは皆良くて、特に豊川悦司町田康作品に登場してくる老獪な中年親父キャラを体現していて凄く良かった(でもエンジェル・ダストの頃の方が好き)。あと石井作品、しかも町田康の原作で、さらにタイトルにパンクまで入っている作品のエンディング曲が何でこういう曲なの!?という予算多めの日本映画特有がっかりポイントも有り。

 

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映画『パンク侍、斬られて候』6月30日公開 予告 - YouTube

 

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未来のミライ (2018・日)

    4歳のくんちゃん(上白石萌歌)は、おとうさん(星野源)とおかあさん(麻生久美子)が生まれたばかりの妹ばかりを世話しているように感じて複雑な気持ちを持て余していた。そんな時、くんちゃんの前に未来からやってきたという中学生姿の妹ミライ(黒木華)が現れる。ミライに導かれるようにおかあさんの子供時代へ行ったり青年時代のひいじいじ(福山雅治)に出会ったりと、時空を越えた旅を経験したくんちゃんは家族の愛情に気付いていく。

監督・脚本・原作:細田守作画監督青山浩行、秦綾子、美術監督:大森崇、高松洋平、衣装:伊賀大介、音楽:高木正勝、主題歌:山下達郎、プロダクションデザイン:谷尻誠、tupera tupera、企画・制作・アニメーション制作:スタジオ地図

 

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     夏休み子供映画としても、好き放題やった作家性の発露だとしても中途半端な印象で、かなり眠くなったんだけど、連れて行った子供は飽きずに見てたので、これはこれでいいのかな?

 

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    それにしても未来からやってくる妹のミライちゃんが、時期を過ぎてから雛人形を片付けると婚期が遅くなるなどという、今時どうでもいい風習をわざわざ気にして未来からやって来て、くんちゃんと一緒に両親に見つからないように雛人形を片付けようとする冒頭からの展開が心底どうでもよくて、そんな全く説得力の無い動機でわざとらしいサスペンスを、しかもコメディ調で進行されても非常に眠い、というかじっさい眠さしか無かった。しかも未来のミライちゃんの存在自体が単に可愛い女子登場させたいだけで必然性が感じられないのは致命的たと思ったよ。

 

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   それに作画やデザインのスタッフは錚々たる面子で、流石にそれぞれの場面は綺麗だったり面白かったりしたが、それらが表現する物語が素直に楽しませてくれなかった。くんちゃんが時空を超えてファミリーツリーを体感し、現在を肯定するのは別に構わないし、自分という存在が誕生するまでの行程があってこそ今があることは事実だが、そのことはワンダーであってもワンダフルではないだろう、というのを強烈に感じた。歴史の積み重ねは驚くべきことであっても、それが素晴らしいかどうかは別の話で、その行程自体を全肯定するものではないし、しかもこの映画では金持ちのボンボンがそれをやるという無自覚さ。奇跡的であることと素晴らしいことを意図的に混同したメッセージにはやっぱりこの監督は苦手だと思わされたよ。

 

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    ただ、子供が気に入った服しか着ない、とか夫婦の役割分担の些細なことでのいがみ合い、とか、子育て夫婦生活あるあるネタは面白かった。むしろそれだけやって育児アニメなら面白かったかも。あと福山雅治が声だけでも男前だったな。

 

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「未来のミライ」予告 - YouTube

 

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パディントン2 (2017年・英、仏)

    ペルーのジャングルからロンドンへやって来た熊のパディントン(声:ベン・ウィショー)はブラウンさん(ヒュー・ボネヴィル)、ブラウン夫人(サリー・ホーキンス)、長女のジュディ(マデリン・ハリス)、長男のジョナサン(サミュエル・ジョスリン)、親戚のバードさん(ジュリー・ウォルターズ)のブラウン一家の一員となって幸せに暮らしていた。そんなある日、骨董品屋で見つけた素敵な飛び出す絵本を大好きなルーシーおばさんの100歳の誕生日プレゼントにしようと決めたパディントンだったが、その絵本にはある秘密が隠されていた。その秘密を狙う落ち目の俳優フェニックス・ブキャナン(ヒュー・グラント)も密かに絵本を狙っていて…。

監督・脚本:ポール・キング、共同脚本:サイモン・ファーナビー、原作:マイケル・ボンド、製作:デヴィッド・ハイマン、撮影:エリック・ウィルソン、美術:ゲイリー・ウィリアムソン、衣装:リンディ・ヘミング、編集:マーク・エヴァーソン、ジョナサン・エイモス、音楽:ダリオ・マリアネッリ

 

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    パディントンが近隣の住民たちと挨拶を交わしながらロンドンの街並みを自転車で走る光景、飛び出す絵本から文字通り飛び出して展開されるロンドンの風景描写、冒頭から描かれる寛容と慈愛に溢れた人々が住まう理想世界の姿は、喋る熊よりも更にあり得ないファンタジーで、その時点ですでに涙が止まらなかった。一緒に観に行った娘から、「パパはなんでそこで泣いたん?」と訊かれたので、「難民や移民のメタファーでもあるパディントンやその友達が、現実のイギリスや日本と真逆に優しく受け容れられる世界を見てるだけで泣けるやん」と応えたら「考えて見過ぎだし、すぐ泣くのは年齢のせい」と言われてしまった(確かにその前に一緒に観に行った『KUBO』でも一人泣いていたが…)。

 

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    そんな映画全体を包む優しさの解釈は置いておくとして、前作からの橋渡しも兼ねて挿入されたブラウン一家の簡単な紹介エピソードが後半の活劇に見事に活かされていくなど細かな伏線を教科書通りに回収していく脚本は投げっぱなしの雑な脚本の多い近ごろでは特に気持ち良く感じた。

 

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    キャラクターの描き方も、可愛いさだけでなく、ケモノの汚さがきちんと織り込まれた主人公のパディントンを筆頭に、彼が刑務所で出会うナックルズ(ブレンダン・グリーソン)たち囚人を、家族映画だからと言って見た目は怖いが中身は善人にするなどと単純化しない姿勢が前作同様に素晴らしかった。ヒュー・グラント演じるブキャナンを愛嬌と人間味を持たせながら悪役として成立させていたのも巧かった。終盤での疾走する汽車を舞台としたアクションもかなり良くて、エンターテイメント作品として申し分のない楽しさだった。

 

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映画『パディントン2』予告篇 - YouTube

 

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KUBO クボ 二本の弦の秘密 (2016・米)

    体の弱い母と岸壁の洞窟で静かに暮らしていた片目の少年クボ(アート・パーキンソン)は、魔法の三味線で折り紙を自在に操る特殊な能力を活かして村へ降りては物語を披露し生計を立てていた。しかし盆踊りの日に母に禁じられていた夕暮れ時まで村に残ってしまったクボは彼の祖父であるという「月の帝」(レイフ・ファインズ)の命を受けた伯母たち「闇の姉妹」(ルーニー・マーラ)に襲われてしまう。駆けつけた母の最後の力を使った魔法によって遠い地へと送られ助けられたクボは魔法で命を吹き込まれた木彫りのサル(シャーリーズ・セロン)や記憶を失ったクワガタの侍(マシュー・マコノヒー)とともに死んだ父の持っていたという「3つの武具」を探しつつ自身の出自の秘密に迫る旅に出る。

監督:トラヴィス・ナイト、脚本:マーク・ハイムズ、クリス・バトラー、ストーリー:シャノン・ティンドル、マーク・ハイムズ、プロデューサー:アリアンヌ・サトラー、トラヴィス・ナイト、アニメーター:ジェイソン・ストールマン、マルコム・レイモント、撮影:フランク・パッシンガム、美術:ネルソン・ロウリー、編集:クリストファー・マーリー、音楽:ダリオ・マリアネッリ、視覚効果:スティーブ・エマーソン、衣装デザイン:デボラ・クック、キャラクターデザイン:シャノン・ティンドル。

 

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   シンプルな構成ながら「物語」を紡ぐこと、語ること、そしてそれを与えることへの考察を織り込んだプロットがとても良かった。

 

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    そして映像自体の美しさと、何より人形アニメとCGの混合の画面自体が、どうやって作っているんだろうという成立過程へ思いをはせさせる素朴な楽しみを満喫させてくれて、子供と一緒に存分に楽しむことができた。

 

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   キャラクターの表情や質感も良く出来ていて、動きで楽しませるアニメーション映画の本道を見た気がした。

 

映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』予告編 - YouTube

 

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yumbo / 石が降る (12インチアナログ)

    ジャケも素晴らしいし、何より「悪魔の歌」をレコードで聴けるのが最高だよ。音の質とかうちの激安プレイヤーでは全く良く分からんので、「悪魔の歌」はレコード盤で聴くとより雰囲気があるよなー、という気分の問題ですが。

 

yumbo / 石が降る Raining Stones by 7e.p. - Listen to music

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発売日  2018/10/5

収録楽曲

[SIDE-A]

1. 石が降る

2. 人々の傘(TK Mix)

[SIDE-B]

1. 悪魔の歌(12”Edit)

2. 人々の傘(YouTube Version)

曽根中生自伝 人は名のみの罪の深さよ(文遊社) / 曽根中生

    評伝や自伝の主役となるほどの映画監督であれば通常持ち得るだろう自作への自負心や思い入れが希薄に感じられて、このスタンスは撮影所のシステムが機能していた時代の監督ならではの感覚や職業監督しての矜持から出ているものなのか、などと考えつつ読み進めていくと、終盤の大分に移住してから磁粉体製造装置を開発するなど映画と縁が切れてからの話の方が遥かに熱量が高くなっていて、元々の自作に対するスタンスもあっただろうが、自伝を著述している時点での本人の意識は移住後の方がリアルで現在進行形の物語なのだから、過去の作品への距離感が独特になっているのも納得、となった。なので映画監督の物語としてはちょっと変わっていて、そこが面白いと言えば面白かった。

   ただし曽根中生へのワイドショー的関心として映画界から消失した辺りの事柄がサラリと流されているので、そこはもうちょっと教えてくれよー、とは思った。

 

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