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動植物系怪談、らしい。これも実話怪談のサブジャンルなのか⁉︎奥深し…。とは言え、化け猫やゾンビ犬が暴れるとかいう話ではなく、ちょっと動植物が絡む実話怪談という体裁。それほど動植物テーマを深く掘り下げてホラー化しているわけではないエピソードも多…
いよいよ次巻で終わりらしい。ので、もったいないから寝かせていたが、番外編が2冊出てしまったので読んだ。蛇足かな、とか思わないでもない内容で、ここのところずっとそんな感じとも言えるが、百合ジャンルの上級作品ではそんなエピローグや番外編的なもの…
1巻目を読み終えて、面白かったけどこれ以上続けるのは蛇足になるんじゃないかと思ったが、そんなことは無かった。キャラクターの描写が深まるにつれて2人の関係性のもどかしさがより複雑になってヤキモキ度が上昇してさらに面白くなってきた。ラブコメと同…
怖い話、というよりはちょっと奇妙な話、不思議な話、というようなエピソードが多く、しかも聞き取りした話を客観的に記してあるような語り口なので、実話っぽさが感じられて、虚実の境界が曖昧になってくる感覚が面白かった。これが実話怪談というジャンル…
瞬殺のタイトル通りに、怪談話のショートショート集。巧さで面白がらせるほどの分量が無い分、ちょっと不思議な話を単に提示する、というぐらいのエピソードが多くて、逆に日常の『誰かから聞いた話』というようなリアリティが感じられる作品も多かった。実…
今作のような作風を厭系怪談、というらしい。実話怪談の中も様々にジャンル分けがあるみたい。今作のエピソードは登場人物の主観で心情も語られたりしていて、ほとんど虚構小説の体裁だし、タイトルにも実話とは書いてない。しかしあとがきによると、聞き語…
実話怪談方面では著名な作家が参加している(と思う)アンソロジーで、さすがにこれだけ短い作品の並びではそれぞれの個性を感じるまでには至らなかったが、気楽に読めるショートストーリーズとして楽しめた。実話怪談というジャンルがどこまで本気でノンフ…
井澤詩織さんが怪談フェアの公式アンバサダーになってたからまとめ買いしてしまったので、しばらく怪談物を読み続けてた。というわけで1冊目。これは去年のフェア対象だったんだけど。内容は、わりと尺のある短編が並んでいて、どの作品もオチのある短編小説…
仲谷鳰のイラスト目当てで購入していたのをやっと読んでみたら、何コレ?、全然良さが分からない、『あだしま』の作者なのに何だろう、とか、これがラノベクオリティなのか、とか、色々疑問符沸かしながらとりあえず読了。あとがき読んだら二つの別作品の後…
世界のサカモトの自伝なので、既に聞き知ったエピソードも多くあるし、分量的に坂本龍一のキャリアから考えたら全然足りないのだが、それでも面白すぎるエピソードが満載で、めちゃ楽しかった。ベルトルッチとの出会いや撮影現場での様子などはわりと詳しく…
物語はドロドロの昼ドラみたいだけど絵が可愛いし、展開によっては怖い話になりそうなのにラブコメ的なムードもあるので楽しく読めた。法的に婚姻したカップルの浮気とかではないから読んでてわりあい気楽。
リアルと虚構の距離感や境界線が他者とズレている、というより虚構への愛情の深さがズレている感覚を見せつけるような作品が並んだ短編集。個人的にはメタファーとリアルが曖昧なまま展開するストーリーを虚構として素直に楽しめなかった。装飾過多な言い回…
上中下巻、一気に読んでしまった。面白い!幻想・怪奇、恋愛小説から宗教論、宇宙に至るまで、あらゆる要素を豊富な見識と見聞、奇抜なアイデア、超絶の構成力によって空前の入れ子構造の物語に仕上げた傑作だった。地理歴史的背景まで詳細に網羅した訳註も…
積読5、6年は経過。おかげでポップカルチャーの今を伝える内容なのに既に現況と乖離していて、ポップカルチャーの移り変わりの速さを実感。そんな中でもジョン・ヒューズの重要性が再確認出来て、未だにちゃんと観てないのを反省させられたり、ディン・デハ…
まさか『オーバーロードの街』の続編とは思わなかった。街の次は村…?続編と言っても世界が繋がっているだけで内容は別作品なのは神林火星シリーズと似た感じか。で、今作は構造的には『閉鎖された村ホラー』で、神林作品としては珍しいスタイルだった。泥棒…
タルコフスキー作品のほとんどの部分を面白いSF映画として享受している身としては、読んでいて申し訳なくなるぐらい真摯な映像論が展開されていて、しかも映画同様にかなり抽象的かつ饒舌なので何度か眠りかけたよ(そこも映画と同様…)。これを読めばもう少…
幽霊を見ない主人公による怪談話の収集録。怪異を見ることが出来ない主人公は殆どの読み手とイコールなので、大袈裟な怖さではなくじわじわ来る恐怖の味があり、さらに主人公を筆頭とする登場人物たちの怪異体験への少しズレた視線や受け取り方が怖いという…
20年ぐらい積読していたのを漸く読了。この本を貰った時、分かる人間は読み始めると納得と自己の考えの肯定を得て止まらなくなるし、分からんやつは一向に読み進められないと言われたが、僕は明らかに後者。しかも神秘主義には不信しかない。それでも一片の…
一作目を読んでそのまま二作目に行くつもりも絶版状態だったのだが、ちょうど復刊していたので購入。ノンフィクションと虚構の合間を縫うような実話怪談話というのはそのままだが、今作は主人公の逡巡からヒロイックな決断という構成などフィクションとして…
先日読んだ『死者はまどろむ』より前、小池真理子がホラーとして最初に書いた作品、らしい。よりオーソドックスなスタイルのホラーだが、非常に丁寧でネットリしていて面白かった。
勢いとパッションで映画を作り上げるイメージの監督が、歳を重ね経験を積む中で模索し構築していった創作理論が開陳されていて、初期衝動の塊のような初期作から徐々に作品が変容していった裏側を垣間見れたようで面白かった。 ここで語られる理論が自身の見…
なぜ『けいおん!』の作品世界に惹かれるのか、主に作品内の関係性に着目しつつ作品への好き、面白い、気持ちいいをひたすら言語化していて、非常に熱い。なので『山田尚子監督の世界』というサブタイトルはついているものの、語られるのはほぼ『けいおん!…
新聞、雑誌へのコメントや座談会、映画シナリオで構成されていて、当時の映画界の状況や多士済々ぶりなどを感じられるのは面白かった。基本的に宣伝媒体上の発言の切り取りなので川島雄三の作家性に迫るというものではないけれど、短いながらも各作品ごとに…
奇抜なアイデアで姿を消した敵(ジャム)を何とか炙り出し、特殊戦の存在意義を維持して物語を続けようと画策するクーリィ准将は、完璧だった一作目『戦闘妖精 雪風』以降の、ひょっとしたら蛇足となるかも知れないシリーズの継続に奮闘する神林長平のほとん…
言及されまくりだろうけどサイボーグの悲哀と暴力性は『ロボコップ』を遥かに先取りして描いているし、鬱蒼とした未来感はのちの『ブレードランナー』に先行してる。アクションシーンの描写も現行のSF映画や漫画のバトルシーンを先駆けている。で、今読んで…
一巻目だけ読んで何年も放置してた『グイン・サーガ・ワールド』をなぜか今さら読み始めた。楽しい。栗本薫が亡くなって時間が経った今だから色々と気持ちが整理されて素直に読める状態になったのかな。別作者の正篇の続きも読もうかなって気になってきた。1…
Twitterで面白そうだと思って買ってから6、7年は経過してる気がするが、やっと読んでみた。夢枕獏の九十九乱蔵みたいなお化け退治的小説かと思いきや実話(?)怪奇・怪談集の体裁で、語られる内容と語り手の立ち位置そのものに不思議な感覚があって面白かっ…
面白かった。またしても作家をイメージで敬遠していた過ちに気づくシリーズだったよー。というかミステリ作家ってやっぱり文章レベルが高い人が多いのかな。スプラッタ要素ゼロ、しかも古典的なモンスターを扱いながら上質でモダンなヤバい田舎集落ホラーに…
文明批評のようにも読める『スロー・チューズデー・ナイト』や、『一期一宴』のような痛快なホラ話など、そのどれもが扱う題材に関係なく、SF的発想に溢れてミステリアスさとユーモアが同居している楽しいアンソロジーだった。なかでも表題作『ファニーフィ…
ラファティは長編しか読んでいなかったので(SFマガジンの特集号も未だ寝かせたままだった!)、奇想が凝縮された短編集は印象の違った面白さがあった。世界の捉え方自体が随分おかしいので、短編が終わるまでにストーリーへの理解が追いつかない作品が多い…