yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

書籍

タイタス・アウェイクス / マーヴィン・ピーク&メーヴ・ギルモア著 井辻朱美訳

登場人物たちの一筋縄ではいかない感じや、彼らを描ききることなく次の描写へと向かう断片的にも思えるエピソードはいかにもゴーメンガースト的だったが、独特の文体自体がシリーズの世界観を構築する要だったこともあって今作の語り口の違いには違和感があ…

タイタス・アローン / マーヴィン・ピーク著・浅羽莢子訳

前々作の感想↓タイタス・グローン / マーヴィン・ピーク著・浅羽莢子訳 - ゆづログ前作の感想↓ゴーメンガースト / マーヴィン・ピーク著 浅羽莢子訳 - ゆづログ あわわわ、どうなってるんだ!と、読み始めてすぐに頭が混乱状態になった。前2作で圧倒的な…

ゴーメンガースト / マーヴィン・ピーク著 浅羽莢子訳

前作の感想↓タイタス・グローン / マーヴィン・ピーク著・浅羽莢子訳 - ゆづログ 古い石造りの城とそれに呼応した修辞技法満載の文章で暗く深いゴーメンガーストの世界そのものを描き切っていた前作から一転、今作では確立された世界の中で登場人物たちが軽…

いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集 / ダフネ・デュ・モーリア著・務台夏子訳

『赤い影』という傑出した映画はニコラス・ローグの作家性が隅々まで噴出している作品だと思っていたが、原作である本短編集の表題作『いま見てはいけない』を読むと、映画のエッセンスのほとんどがこの原作小説に初めから内在していて驚いた。当然『赤い影…

タイタス・グローン / マーヴィン・ピーク著・浅羽莢子訳

ファンタジーというと剣と魔法のアクションみたいな作品が幅を利かしているけど、読みたいのはこういうものなんだよ〜、と嬉しくなる小説。 ゴーメンガーストという現実から全く切り離された世界の構築が見事で、古くから綿々と積み上げられ続け、増殖して…

SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと / チャールズ・ユウ著 円城塔、橋本輝幸訳

原書と比較するスキルも時間もないので、どこまで元の感触に近いのか、変わっているのか不明だが、理系の理屈で物語を積み上げていく部分など、円城塔作品に近い読み応えだった。ただこちらは観念的世界の構築よりも、主人公のエモーショナルな語りにより重…

黄金時代 / ミハル・アイヴァス 著 阿部賢一 訳

前半は主人公である『私』がプラハで回想する、カーボベルデとカナリア諸島の間に位置するとある島に滞在した際の不思議な文化の見聞録になっていて、食生活、居住環境、言語、生業その他様々な角度からその島の有り様が記されていくのだが、島民の価値観が…

学校で教えてくれない音楽 (岩波新書) / 大友良英

実際の授業・講義の採録という形式なので文章としてカッチリ構成されたものではなく、内容的にも著者の著作や発言をチェックしている向きにはかなり物足りないと思う。しかし著者を『あまちゃん』の人としてのみ認識している層に向けて音遊びの会での活動な…

引き潮のとき (全5巻) / 眉村卓

最初はこの分量からして、舞台であるタトラデン世界の変容から、シリーズの世界観を形作る連邦の趨勢までを描いていくのかと思ったが、実際は主人公である司政官キタがタトラデンに赴任しているわずかな期間の中で社会の状況と自己の心情について延々と考察…

ドリフトグラス / サミュエル・R・ディレイニー 著 浅倉久志/伊藤典夫/小野田和子/酒井昭伸/深町眞理子 訳

サミュエル・R・ディレイニーの全中短篇を網羅しているらしいので、高価だが充分元が取れそうなので購入。 現実世界から乖離した設定と物語、面白小道具、大道具でSFエンターテイメントを存分に楽しませながら、性的、人種的マイノリティー側からの視点やサ…

本多猪四郎 無冠の巨匠 / 切通 理作

本多猪四郎の怪獣映画は大好きだが、正統的SF映画としてでなくジャンル映画として見ている部分が多かったし、監督としても特撮パート以外の、比較的どうでもいいと思い込んでいたドラマ部分の担当というイメージが無いわけではなかった。 しかし本書を読む…

Deep Water〈深淵〉 (花とゆめCOMICSスペシャル)/清水玲子

本屋でたまたま見かけて買ってしまった。『輝夜姫』の途中で挫折して以来の清水玲子作品だが、絵の感じは変わらず綺麗で良かった。少しヘヴィな内容ながら出てくるキャラの造形は浅めというのは以前と変わらずだが、今作はSF要素が皆無なので作品全体のリア…

巨船ベラス・レトラス (文春文庫)/筒井 康隆

今迄やってたネタを色々使いながら読み易くした感じなのかな、と思いつつ読んでいたけど、終盤、ある人物が登場して、その出現自体は予想の範囲内ながら、そこでその人物が激昂し、まくし立てるのが可笑しく、しかもそれがメタ構造を更にメタにしていくよう…

『不死蝶 岸田森』小幡 貴一, 小幡 友貴

役から来るイメージよりもかなり無頼な人だったんだな。勝新に愛され松田優作に一目置かれたのも納得。前半の本人へのインタビューで特撮モノへの真摯な態度を表明しているのも良かった。あと岡本喜八、水谷豊の語りがエピソードもチャーミングで面白かった…

立喰師列伝/押井 守

殆どがくだらないウンチクとパロディで構成された押井守の真骨頂的奇書で面白いんだけど、中盤から徐々に失速していくのがやや残念なとこか。そもそもハンバーガーや牛丼が立喰なのかっていう以前からのどうでもいい疑問も浮かんでくる。しかし各章表紙のモ…

ことばと国家 (岩波新書)/田中 克彦

『国家と言葉』の関係についての考察が、同時に言葉のみならず世界を語る視点を示唆していて、社会の基準から外れた諸々を勇気づけるような面白さがあった。特に最終章のピジン語・クレオール語にまつわる物語は感動的だった。

零人 (大坪砂男全集4) (創元推理文庫)/大坪 砂男

1番驚いたのは日下三蔵による編者解題で書かれていた『まどマギ』脚本家虚淵玄が大坪砂男の孫だという話。だから何だって話かも知れんが、素直に「おおっ」となった。あと山村正夫などのエッセイで作者の酷い人間ぶりが描かれているのがやはり面白い。収録…

ダールグレン(2) (未来の文学)/サミュエル・R・ディレイニー

多層的に読める小説だけど、そのなかでも主人公とともに荒廃した都市ベローナをさまよって観光するのが楽しかった。ホログラムを纏って徘徊するスコーピオンズ、赤い目、二つの月などなど次々に出てくるイメージと、身体に巻き付けるプリズムや手に装着する…

天使の爪/アレハンドロ・ホドロフスキー

浮遊するメカとか変わった世界とか、そういうメビウスを期待してたのでちょっと面喰らう。しかし巻末のホドロフスキーへのインタビューでインタビュアーが「女が最終的にクトゥルーに変容云々」と自説を述べていて(否定されてたが。)、なるほどな〜とか思…

GANTZ 37 (ヤングジャンプコミックス)/奥 浩哉

駆け足の謎解きでぽかーんとはなったが、色々なSF的設定が、見せたいアクションやキャラクター、映像を素直に楽しませる為のテクニックだったと思えば全然構わない。エヴァがメカと美少女をやるために謎をてんこ盛りにするみたいなものか(関係ないけどパシ…

ウォーキング・デッド4/ロバート・カークマン

面白い。そして今回もエグい。今回はより内面のダークサイドを見せられる展開で、WWZでゾンビの空振りをさせられた気分を補填させてもらった。狂ってるのかまともなのか色々読める人物たちの顔付きもいい。大河ドラマでしか出来ないゾンビ状況の掘り下げは…

爪と目/藤野 可織

表題作、奇妙な二人称が捻れた感覚で読まさせてくれるのと、その視点から通常ではあり得ない心理描写等がされることで、小説の語り手が語っている状況そのものを妄想させて、そこがホラーになっている。面白い。『ちびっこ広場』はもう少しストレートな恐怖…

星界の戦旗V: 宿命の調べ (ハヤカワ文庫JA)/森岡 浩之

この物語世界に登場する膨大な固有名詞や専門用語を、好きな人はいちいち記憶したりメモしたりして読んでいるかも知れないが、個人的にはほぼ感覚だけで読んでいる。しかしその日常用語とはかけ離れた言葉で埋めつくされたムードが、独特の世界を作り、今時…

私刑 (大坪砂男全集3) (創元推理文庫)/大坪 砂男

前2冊の収録作と比べて異常な雰囲気を味わえる作品は少なかったが、表題作などは読み物として楽しかったし、巻末収録の大坪砂男に関するエッセイなどで作者の厄介そうな性格を想像出来たのも良かった。あと一冊で終わりと思うと寂しいな…。

天狗 (大坪砂男全集2) (創元推理文庫)/大坪 砂男

大坪砂男が『天狗』一作のみの作家のような書かれ方をしていたりして、しかし第一集を読んだら傑作短編ばかりじゃないかと思ったんだけど、今回第二集で『天狗』を読んだら、確かにそう語られるのも無理ないかなというぐらい独特の作品で、笑いと狂気の境界…

別冊映画秘宝惨劇の世界映画事件史 (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)/筑波久子(特別出演) 他

『セデック・バレ』の記事目当て。情報なにも知らなかったので、主役の人が役者じゃなくて牧師だったというのはびっくりだ。このムック自体はタイトルのわりに日本の話中心だった。渡辺文樹の話とかは良かった。

立春大吉 (大坪砂男全集1) (創元推理文庫)/大坪 砂男

文章一つ一つが凝ったうえに洒落ていて、特に戦後の猥雑なムードのある短編は、ずっと浸りたくなる世界。ほとんどが探偵小説の体裁をとっていて、当然謎解きがクライマックスに配置されているが、そこは物語として面白味のある可能性が提示されるだけで、探…

第四の館 (未来の文学)/R・A・ラファティ

前知識無しに読んだので、陰謀論や預言者の出現など現代(当時の未来)を予見したようだ!などと思って読んだが、あとでラファティのアレコレをネットで見ると、実は結構本気で幻魔大戦みたいな話だったのかなとも思った。どちらにしても全篇妄想と現実の際…

猛スピードで母は/長嶋 有

収録2篇とも、颯爽とした女性の生き様が読みどころだとは思うが、個人的には生きていく上でいつの間にか設定されたルールの細かい描写、そしてそれが揺らいでいく感覚が面白かった。あと読み易いのにどこかつかみどころの無い感じに独特の魅力を感じた。

映画系女子がゆく!/真魚 八重子

真魚さんは紹介してくれる作品の選択と語り口が面白いので購入。本著はタイトルからしていつもの系統とはちょっとズレていて、やっぱり書籍を出すにはこういう女子みたいなタグを付けんといかんのかな、とは思ったが、『キャリー』のクライマックスの文章で…

岡本喜八お流れシナリオ集

面白い。中でも『青い眼の赤トンボ』は読んでいて脳内でそのまま映画になりそうな脚本。観たかった!『五拳』『アンドロイド』もハチャメチャだけど(だけに?)映画になったらきっと楽しかっただろうな。おまけ冊子(発行人の方と監督との手紙のやり取りを…

だれの息子でもない/神林 長平

三章仕立て。一章は珍しく(と言っても震災以後はその方向か)現実の社会状況を反映させて進行するが、二章以降はいつもの現実と観念的世界ごちゃまぜのドタバタへ。なので統一感は薄いが、神林作品にはよくあるパターンで、各場面で脳みそをグリグリと刺激…

夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない (モーニング KC)/宮崎 夏次系

基本的に劇中で起こるドラマは全くピンと来なかったが、癖のある絵柄と独特のコマ運びはけっこう不思議で面白かった。

大友良英のJAMJAM日記/大友 良英

二段組で630頁超。時間を見つけてチビチビ読んでやっと読み終わった。あとがきにもあるが、ネガティブな事柄は避けてあるので文学者の日記のようにありのままの生活が描かれてあるわけではない。しかし音楽雑誌ではなかなか出てこないミュージシャンが続々…

敵は海賊・海賊の敵 (ハヤカワ文庫JA)/神林長平

神林作品、特にこのシリーズではいつも思うけど、キャラクターと作品の距離感が絶妙。マンガのようにキャラが立っていながらあくまでクールに小説世界に配置して物語を進行させてくれる心地良さ。今作はSF的な仕掛けが少なく、宗教談義がメインでややアッサ…

Hikishio No Toki (引き潮のとき) (2)/Taku Mayumura

ショック…。いや購入した当時はもちろん分かっていたのだが、黒田藩プレス版は途中までしか刊行してなかったんよね。完全に忘れて読んでたや。この巻まで読んだ限りでは、これまでの司政官シリーズより主人公のやってることが明らかに悪という部分があるの…

グイン・サーガ・ワールド1 (ハヤカワ文庫JA)/栗本 薫 他

栗本薫の文章と旦那さんのエッセイ以外は読んでいてきつかった。作品の良し悪しではなく、栗本薫以外のグインを正規に刊行して欲しくないという気持ちが先立つ。作家さんも自分の世界を描きたいだろうし。残り3冊どうしようかな…。ていうかこんな商売して…

残穢/小野 不由美

実在の作家も登場して楽しいところもあるけれど、実話怪談調という体裁が逆に物語に制限を与えている印象の方が強い。穢れの起源を追って過去へと遡る構造も、緊張感無く淡々と順を追うだけで、読んでいてノルマをこなしているだけという感覚になってしまっ…

セラフィタ/オノレ・ド・バルザック

スピリチュアルな部分には気持ち悪さも感じるものの、セラフィタ(セラフィトゥス)の俗世離れした描写は楽しいし、昇天のイメージもSFファンタジーとしてカッコよかった。

ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ/金井 美恵子

ノスタルジィと夢の回廊が延々と続くような感覚が、能動的にページをめくっていく意識と絶妙のリズムを刻んで…、などと読んでる時の味わいを文章で書こうとすると自分でも何言ってるかよくわからなくなるが、とにかく読んでいて、いい塩梅で気持ち良かった…

神話的時間/鶴見 俊輔

子供と接することで神話的時間へ行けるという冒頭の鶴見俊輔の講演は、子育てする身としは面白かったし、すごくよくわかった。ほんとにチビッコたちは全く別の世界観を生きてる。しかしそんな時間が近いうちに終わることに改めて寂しさを感じてしまう本でも…

アンドロギュノスの裔 (渡辺温全集) (創元推理文庫)/渡辺 温

中井英夫のエッセイか何かで名前だけは見ていた渡辺温、勧められて読んでみたら素晴らしかった。日常から一歩入り込んだ世界を描く意味での『探偵小説』の醍醐味が詰まっていて、作品ごとの完成度もやたら高い。陰鬱だけど洒落ていて物語としても面白い。読…

黄金を抱いて翔べ (新潮文庫)/高村 薫

痺れた。ディテールの積み重ねによる重厚感、計画遂行に向かって加速する構成、魅力的な登場人物…。井筒版が見事にこの小説の空気感を再現して、切るとこ切って、映画的に盛り上げるべきところを膨らませていたこともよく分かったが、しかし北川の『なあ幸…

夢見村にて 妖怪ハンター 稗田の生徒たち (1) (ヤングジャンプコミックス)/諸星 大二郎

表題作は諸星版エルム街か。ちょっと詰め込み過ぎで、もう一篇の『悪魚の海』の爽やかな読感の方が好きだったが、ギャグとしてBLやシスコンを持ち出して最近の漫画に目配せするセンスがかわいい。

CDジャーナルムック ダンス・ドラッグ・ロックンロール ~誰も知らなかった音楽史~/久保憲司

映画『アップサイド・ダウン』で使って欲しかったような小ネタ、エピソードが満載で楽しい。特にデリックメイやエイフェックスツインのエピソードはかなり幻想が壊れる感じで面白かった。米国音楽から出てた写真集もブランキーのSwedtDaysも永久保存版な自…

告白/町田 康

文章のリズムとキャラクター描写で最後までサクサク読ませつつ、「人を殺すこと」=「生きること」にも想像がいくように書かれていて、ずっぷりハマり込んで読んだ。一番楽しんだのは熊太郎弥五郎の任侠モノの部分だったけど。ただエピローグ的な部分は必要…

ウォーキング・デッド3/ロバート・カークマン/風間賢二訳

容赦なかった。エグい。テンション落ちない。続き読みたい…。ドラマ版は原作に沿ってやれるんだろうか?そっちも楽しみになってくるな。

鍵のない夢を見る/辻村 深月

好きなものの周辺で作者の名前をよく見かけたので試しに読んでみたら面白かった。愛情と悪意のこもった人物描写には笑わせられつつ、わが身を鑑みてしまう痛さもあって、収録短編ごと全く異質な登場人物それぞれが一人称でリアルに描写されているのもすごか…

ぼくらは都市を愛していた/神林 長平

虚実の境界線を扱ったり、ハードボイルド探偵SF調もあったりで、神林ワールドの集大成的な作品ながら、援交とか意外なキーワードまで登場してきて気合いが入っていた。しかも世界が虚構だから、それを打破する、ぶっ壊すという安易なところへは落とし込まず…

ミュージックマガジン増刊 アイドル・ソング・クロニクル2002~2012/吉田 豪 他

こういうの読むと副次的にお金使うから避けたかったけど読んでしまった。かせ栞とねこぱんち、いい。イイキョク。