yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

書籍

ヒッキーヒッキーシェイク (ハヤカワ文庫JA) / 津原 泰水

なんか話題に乗って読んだみたいでヤなんだけど、たまたま少し前に『バレエメカニック』読んで面白かったから別のSFも読んでみようと思ったところにハヤカワから文庫が出るとなったら読むでしょう!(つーか、むしろ文庫出版に関わる諸々は作品を汚すから忘…

響け! ユーフォニアム 2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏 (宝島社文庫) / 武田 綾乃

前作は青春小説として面白く読んだけど、今作ではコンクールでの演奏シーンの盛り上がりから結果発表までの緊張感が凄くて音楽小説としての醍醐味も味わえた。またもや楽しかったなー。

響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ (宝島社文庫) / 武田 綾乃

遂に原作に手を出してしまった…。アニメ版はじっとりとした人間関係の軋轢をキラキラした作画で浄化した具合がちょうど良くて、そこらへんが原作小説ではどうなっているんだろうと思っていたけど、キャラクター主体の物語でありつつ個人に焦点を絞り込まない…

いやしい鳥 (河出文庫) / 藤野 可織

確実に現実社会に存在してそうな図々しく不気味でイヤな人物の造形と描写がデビュー作からして既に確立していて面白い。それが物語になっていて楽しませてくれる近作の完成された面白さというよりは、イメージそのままを楽しむ純文学っぽい感じもありつつ、…

時間衝突【新版】 (創元SF文庫) / バリントン・J・ベイリー著、大森望訳

文明の激突というだけでもデカい物語なのに、それがそれぞれ異なる時間の流れ同士の文明だというとんでもない大風呂敷の展開をケレンとハッタリでわりと一本道なエンタメとして押し通す力技が爽快で素直に楽しかった。作中の文明の衝突は全体主義国家vs洗練…

たんぽぽ娘 (河出文庫) / ロバート・F・ヤング著、伊藤 典夫 編

表題作をはじめとして、SFプラス恋愛青春モノ(ただし恋愛対象の女性は美少女に限る)という日本で受けそうな要素の短編が多く収録されていて、その要素が濃い作品ほど甘酸っぱくて面白く読めたのだけど、日本のアニメにありがちな女性の神聖化というかロリ…

バレエ・メカニック (ハヤカワ文庫JA) / 津原泰水

SF風味の幻想小説な序章から始まり、中盤は落ち着いた探偵小説のようになってわりと淡々と進むかと思いきや最終章でサイバーパンクなドSFに突入する濃厚さ。そこにSF的仕掛けを盛り込んだ凝った人称使いと流麗な文章が合わさって凄く楽しかった。津原泰水は…

yumbo編・著 / yumbon

yumbo結成20周年記念のミニコミ誌。本人の全曲解説からディスコグラフィー、テニスコーツらからのコメントと充実の内容で嬉しく、yumboを聴いて感じるえもいわれぬ感情に少しだけ輪郭を与えられた気もした。中でも澁谷浩次による掌編がyumboの楽曲に通じる味…

宝石の国(9) (アフタヌーンKC) / 市川 春子

状況が判然としないままに襲来してくる謎の敵を迎撃する展開(エヴァ、進撃の巨人、雪風、etc…)は娯楽作品として大体面白いものの、事態が解明されていくにつれて失速していくことも多い。なので本作のように謎を解き明かしつつもそこで浮かび上がる世界が…

オーバーロードの街(朝日新聞出版) / 神林長平

タイトルから「過負荷都市」となんか関係あるかと思ったが特に無し。あと冒頭、骸骨の人が出てきたので、深夜アニメでやってたラノベ(?)の「オーバーロード」ともなんか関係あるのかと思ったが、それも多分関係無かった(当たり前か…)。で、内容は近作で…

現代SF観光局(河出書房新社) / 大森望

SF的なものが好きという気持ちと裏腹に全くその世界を追っていないし掘り下げてもいないので、最近の流れだけでもザックリ分かるかなと、ガイド本を読むような浅ましい動機もありつつ読んでみた。結局最近の傾向とかはあんまり頭に入って来なかったが、楽し…

曽根中生自伝 人は名のみの罪の深さよ(文遊社) / 曽根中生

評伝や自伝の主役となるほどの映画監督であれば通常持ち得るだろう自作への自負心や思い入れが希薄に感じられて、このスタンスは撮影所のシステムが機能していた時代の監督ならではの感覚や職業監督しての矜持から出ているものなのか、などと考えつつ読み進…

競売ナンバー49の叫び(ちくま文庫) / トマス・ピンチョン著、志村正雄訳

主人公が社会の暗部に入り込むほどに陰謀論と真偽不確かな情報に翻弄されていく様は今の政治、社会状況にあまりにジャストで、おまけ的に収録の短編『殺すも生かすもウィーンでは』も頻発する銃乱射事件を予見したような内容というのもあって、色褪せない新…

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫) / 森見 登美彦

SF大賞なので一応積んでたら映画が公開になっちゃうので読んだ。 忽然と現れた謎の球体を『海』と呼称して研究したり、地域が謎の力の影響下にあったりと『ソラリス』や『ストーカー』と言ったような王道?SFのジュヴナイル版と言った側面もありつつ、基本は…

吸血鬼 (講談社) / 佐藤 亜紀

タイトルと装丁から普通に吸血鬼小説だろうと思いつつ読み始めたら、「吸血鬼」という表題は政治における搾取する側、される側、アートにおける作り手と受け手の関係性など、社会における様々な事象のメタファーとして掲げられていて、幼稚な期待感は悉く肩…

おはなしして子ちゃん(講談社文庫) / 藤野可織

表題作、舞台となる小学校の雰囲気や生徒の感情のリアリティが凄くて、やっぱり藤野可織凄い!となる。その他の短編も物語の形はそれぞれ全く違いつつもアイデアに溢れ、恐怖とユーモアの混在した短編になっていて、非常に楽しかった。諸星大二郎と少女マン…

淵の王(新潮文庫) / 舞城王太郎

分類としてはホラーみたいだし、日常に立ち現れる狂気と怪異の恐怖をちゃんと感じさせてもくれたけど、同時にキャラクターが基本的にネアカで、特に語り手の背後霊たち(?)の前向きな姿勢が陰惨な展開にも軽やかさを感じさせ、明るく楽しい娯楽作品のように…

鳥―デュ・モーリア傑作集 (創元推理文庫) / ダフネ・デュ・モーリア著、務台夏子訳

拡張高さとダークな雰囲気が味わい深く、映像でしか出せないショック表現を駆使したヒッチコックの映画版とは全く異なる印象の表題作『鳥』を始め、SF的展開が楽しめる『モンテ・ヴェリテ』『裂けた時間』、幻想的な『恋人』『番』『林檎の木』、ミステリー…

ライフ・ゴーズ・オン (双葉文庫) / 東山彰良

立ち読みで冒頭だけ読んでSFだと思って買っていて、やっと読んだら団地小説だった。とは言えリアルな下層生活が捻た主人公の視点に更なる俯瞰を加えて描写されていて、その意味ではSF的だったかも。物語全体というより細かなエピソードやそのディテールが面…

地球礁 (河出文庫) / R.A.ラファティ著、柳下毅一郎訳

異星人なのか異民族、異教徒なのかどうとでも読み取れる「プーカ人」の物語。妄想と現実が曖昧なプーカの子供達の世界が単純にホラ話として抜群に面白く、そんな子供達の冒険小説としても楽しいし、終盤に向けて暴力と血にまみれた犯罪小説のようになってい…

タイタス・アウェイクス / マーヴィン・ピーク&メーヴ・ギルモア著 井辻朱美訳

登場人物たちの一筋縄ではいかない感じや、彼らを描ききることなく次の描写へと向かう断片的にも思えるエピソードはいかにもゴーメンガースト的だったが、独特の文体自体がシリーズの世界観を構築する要だったこともあって今作の語り口の違いには違和感があ…

タイタス・アローン / マーヴィン・ピーク著・浅羽莢子訳

前々作の感想↓タイタス・グローン / マーヴィン・ピーク著・浅羽莢子訳 - ゆづログ前作の感想↓ゴーメンガースト / マーヴィン・ピーク著 浅羽莢子訳 - ゆづログ あわわわ、どうなってるんだ!と、読み始めてすぐに頭が混乱状態になった。前2作で圧倒的な…

ゴーメンガースト / マーヴィン・ピーク著 浅羽莢子訳

前作の感想↓タイタス・グローン / マーヴィン・ピーク著・浅羽莢子訳 - ゆづログ 古い石造りの城とそれに呼応した修辞技法満載の文章で暗く深いゴーメンガーストの世界そのものを描き切っていた前作から一転、今作では確立された世界の中で登場人物たちが軽…

いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集 / ダフネ・デュ・モーリア著・務台夏子訳

『赤い影』という傑出した映画はニコラス・ローグの作家性が隅々まで噴出している作品だと思っていたが、原作である本短編集の表題作『いま見てはいけない』を読むと、映画のエッセンスのほとんどがこの原作小説に初めから内在していて驚いた。当然『赤い影…

タイタス・グローン / マーヴィン・ピーク著・浅羽莢子訳

ファンタジーというと剣と魔法のアクションみたいな作品が幅を利かしているけど、読みたいのはこういうものなんだよ〜、と嬉しくなる小説。 ゴーメンガーストという現実から全く切り離された世界の構築が見事で、古くから綿々と積み上げられ続け、増殖して…

SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと / チャールズ・ユウ著 円城塔、橋本輝幸訳

原書と比較するスキルも時間もないので、どこまで元の感触に近いのか、変わっているのか不明だが、理系の理屈で物語を積み上げていく部分など、円城塔作品に近い読み応えだった。ただこちらは観念的世界の構築よりも、主人公のエモーショナルな語りにより重…

黄金時代 / ミハル・アイヴァス 著 阿部賢一 訳

前半は主人公である『私』がプラハで回想する、カーボベルデとカナリア諸島の間に位置するとある島に滞在した際の不思議な文化の見聞録になっていて、食生活、居住環境、言語、生業その他様々な角度からその島の有り様が記されていくのだが、島民の価値観が…

学校で教えてくれない音楽 (岩波新書) / 大友良英

実際の授業・講義の採録という形式なので文章としてカッチリ構成されたものではなく、内容的にも著者の著作や発言をチェックしている向きにはかなり物足りないと思う。しかし著者を『あまちゃん』の人としてのみ認識している層に向けて音遊びの会での活動な…

引き潮のとき (全5巻) / 眉村卓

最初はこの分量からして、舞台であるタトラデン世界の変容から、シリーズの世界観を形作る連邦の趨勢までを描いていくのかと思ったが、実際は主人公である司政官キタがタトラデンに赴任しているわずかな期間の中で社会の状況と自己の心情について延々と考察…

ドリフトグラス / サミュエル・R・ディレイニー 著 浅倉久志/伊藤典夫/小野田和子/酒井昭伸/深町眞理子 訳

サミュエル・R・ディレイニーの全中短篇を網羅しているらしいので、高価だが充分元が取れそうなので購入。 現実世界から乖離した設定と物語、面白小道具、大道具でSFエンターテイメントを存分に楽しませながら、性的、人種的マイノリティー側からの視点やサ…