yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

書籍

屍者の帝国/伊藤 計劃、円城塔

好き。しかし期待値が高かったので気になる部分も多かった。物語の殆どが相棒バーナビーの野性の勘によって進行するし、台詞が説明と格好良さ重視でせっかくのキャラクター物が活きてない。物語ベースに小説を作る伊藤計劃と文章そのものが面白味になってい…

雷轟rolling thunder PAX JAPONICA/押井 守

色気の無いウンチクの羅列のような小説だが、もうこの感じが独自の味になってるからいいのか…。しかしファンタジーとして作っているにしても、戦争を扱いつつ人の生き死にが全く感じられないのはどうかと思ったが。 それと、後半部分の作品にまつわる作者の…

Boy’s Surface (ハヤカワ文庫JA)/円城 塔

理系なハードSFだったけど、全編に溢れるユーモアと、世界を常識とは別の視点から切り取っていくSFの醍醐味で楽しく読めた。数学的知識や思考があればもっと楽しめて別の世界が見えるんだろうけど、こればかりは今更どうしようもならんね…。

ロウフィールド館の惨劇 (角川文庫 (5709))/ルース・レンデル

オチは冒頭で披露されているので、こちらとしてはそこへ至るまでの道程を淡々とドキュメンタリーのように眺めることになるのだけど、持てる者も持たざる者も同等に冷徹な視点で描写されているから、奇妙な怖さと格調高い読み応えが味わえた。全体から受ける…

M/D 下---マイルス・デューイ・デイヴィスⅢ世研究 (河出文庫)/菊地 成孔 他

ベースが講義の採録ということもあって、マイルスの音盤は代表作と言われるものしか聴いなくてもサクサク読めた。楽理解説に入ると譜面読める程度の頭では理解不能だが、そのよくわからない感じもまた楽しいぐらい語り口が軽妙で、マイルス自体が素材として…

どうで死ぬ身の一踊り (講談社文庫)/西村 賢太

デビュー作だから(?)作者と主人公がより重なる印象もあって(と言ってもいつも限りなく重なっているが)、若干文学的重みのようなものも感じつつやっぱりおかしくて面白い。

二度はゆけぬ町の地図 (角川文庫)/西村 賢太

心底どうでもいいようなチマチマした事柄や、普通に話だけ聞けば嫌悪感しか抱かないようなエピソードが、よくまあこれだけ面白くなるな。『腋臭風呂』とかタイトルからしてひどい。面白い。

ボラード病/吉村 萬壱

現実世界と地続きのディストピア感がかなり怖い。震災後の世界の気色悪さに対する物語だが、そこと切り離しても普遍的な世界の見え方のひとつに思えるから余計に鬼気迫るものがある。そして何より主人公の小学生女子(正確にはちょっと違うが)目線からの級…

ビアンカ・オーバースタディ (星海社FICTIONS)/筒井 康隆

筒井康隆のジュブナイルものと言えば『時かけ』はあるものの、他の何作かはけっこう酷いっていう記憶を、今回筒井康隆がライトノベルをやるというので思い出して不安になったりしたが、しかしけっこう楽しく読んだ。下品な描写さえも、ライトノベル読者層を…

リアリティのダンス/アレハンドロ・ホドロフスキー

自伝的な内容は序盤まで。中盤以降は延々と著者流サイコテラピー=サイコマジックへの目覚めと実践の記録。それはそれで面白いし、先日『ホドロフスキーのサイコマジック・ストーリー』観ていたおかげでイメージも湧きやすかったが、序盤がとんでもないイメ…

番狂わせ 警視庁警備部特殊車輌二課/押井守

サッカー薀蓄を語りたくて書いた小説のようなモノという感じもあるが、押井ファンとしては押井版パトレイバーのパラレルモノとして楽しめた。一応劇場版パトレイバーのあとの世代という設定だけど、これはホントはパトレイバーはこういう設定であるべきだっ…

Self-Reference ENGINE (ハヤカワ文庫JA)/円城 塔

円城作品後追いキャンペーン。『道化師の蝶』と比べると、やや設定先行で骨組みが突出した感じもするけど、虚構の中で無用な思考を繰り広げて悪ノリしていく感じはかなり楽しくて、ちょっとハードSFする筒井康隆みたいなムードも。全く実生活に有用じゃない…

ゴダール 映画史(全) (ちくま学芸文庫)/ジャン=リュック ゴダール

ヒッチコックは作家主義を打ち出した自分たちに金を払うべきとか、何度も名前出してデ・パルマをけなしたりとか、基本的に楽しいお話として読ませてもらった。俎上に載っているゴダール作品半分以上未見&記憶曖昧、しかも講義で併映されている名作も同様と…

ぼくは/藤野 可織

藤野可織作品を一応全部読んでいこうとなると、この作品は子供が小さいうちでないと、なかなか手が伸びないかと思って購入。チビっ子たちは飽きずに読み聞かせを聞いていたし、喜んでいたので絵本としての効能はバッチリだった。当然ながらホラー要素は無し…

ウォーキング・デッド2/ロバート・カークマン

物語の進行とともに描かれる心の闇が深くなって、こちらもその闇にずっぽりハマっていく面白さ。しかも二巻からはゾンビモノからサイコもの、マッドマックスまで入ってきて終末モノのごった煮状態。作画も今の人が雰囲気あって好きだし、たまらん。原作読む…

ぼくは/藤野 可織

藤野可織作品を一応全部読んでいこうとなると、この作品は子供が小さいうちでないと、なかなか手が伸びないかと思って購入。チビっ子たちは飽きずに読み聞かせを聞いていたし、喜んでいたので絵本としての効能はバッチリだった。当然ながらホラー要素は無し…

ヒプノスの回廊―グイン・サーガ外伝〈22〉 (ハヤカワ文庫JA)/栗本 薫

正式な栗本薫名義としては最後のグイン。なので寝かせていたけど遂に読んでしまった。しかしグインじゃない短編二つも入ってるよ…。表題作はグインの謎をかなり明かしていて最後に相応しい短編とも言えるが、外伝で主人公の謎解きするのはどうかという気分…

いま集合的無意識を、 (ハヤカワ文庫JA)/神林 長平

文庫でまとまったことで深井零と作者が繋がって見えて面白かった。神林作品はキャラは立っていてもどこか突き放した描き方で、作者自身を感じることはあまりなかったけど変化してきたのか。でも「ぼくのマシン」はもう10年も前だから「いま集合的無意識を、…

ドグラ・マグラ (下) (角川文庫)/夢野 久作

やっぱり好きだ。しかし角川文庫版に関しては 、天野喜孝は好きだけど、装丁は昔の文庫のほうが断然合ってたし、一巻本こそ相応しいと思うのでいずれ買い直したいと思う。

GANTZ 34 (ヤングジャンプコミックス)/奥 浩哉

もはやマンガじゃななってきてる。ヴィジュアルブック。大判サイズじゃないと堪能できないんじゃないか?

瞬(まばた)きよりも速く〔新装版〕 (ハヤカワ文庫SF)/レイ ブラッドベリ

後期の作品集だからかSF的意匠は少なめでノスタルジックでロマンチックな趣きの短編が並ぶ。文章も面白いし味わいもあるけど、個人的には突飛なSFを期待していたので少し物足りなさを感じた。

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)/伊藤 計劃

「虐殺器官」にも内包されていた「個人の意思」と「社会」というテーマをより拡げたミステリ仕立てのSFエンターテイメントで、読み易く且つ読み応えがあった。惜しいのは結末に向かって展開が急ぎ足になり、大きな物語だったものが、個人が世界を左右するよ…

ベスト・オブ・映画欠席裁判 (文春文庫)/町山 智浩 他

映画についての話、とりわけゴミのような映画をバッサリ斬り捨てるような話はかなり楽しいので、この本も楽しい。毒舌は持たない者が権威者に対してやるから痛快なので、今のタケシや松本人志みたいに強い立場になると単なるヤクザもどきになってしまうとい…

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)/伊藤 計劃

言葉をSFする所は神林作品に近い?しかしそれがメタな方にいかないで物語にきっちり埋め込まれているから感覚は随分違う。SF小道具の描写のリアルさ、未来兵器の並ぶ荒涼としたイメージ、自分内世界に終始せず社会を語るスケールのデカさなど、好きだ。評価…

シャングリ・ラ 下 (角川文庫)/池上 永一

筒井康隆の解説通り全てにおいて過剰な小説。やりすぎてシラケる部分も多く、人命を軽く扱いすぎていてちょっと引いたりするんだけど、少年漫画のような荒唐無稽な物語を炭素経済などのギミックを盛り込んで小説として読ませてくれる力技は凄いし、楽しかっ…

暗黒映画入門 悪魔が憐れむ歌/高橋 ヨシキ

ヤコペッティのインタビューは面白かった。

ハシエンダ マンチェスター・ムーヴメントの裏側/ピーター・フック

ノイバウテンやピーターマーフィーのちょっとイイ話みたいな小ネタも満載のフッキーの青春物語。普通に考えるとかなり悲惨な状況も、お金に価値観を置かないフッキーの無軌道ぶりで、爽やか且つ笑える話に。NOに関しては必要最低限の記述なのも、らしかった…

若松孝二・俺は手を汚す/若松 孝二

面白かった。近くにいたら絶対困るタイプ(というかほぼ極道)の無茶苦茶なエピソードの連発で、下世話に読んでも楽しいし、戦後からの生活描写も、ちょうど自分の親世代の青春物として楽しかった。本文下段にはフィルモグラフィーが並んでるんだけど、メチ…

皆殺し映画通信/柳下毅一郎

佐村河内問題でWOWOWの放送無くなった『桜、ふたたびの加奈子』、ますます観たくなったよ。あと『いのちの林檎』だな。

マインド・イーター[完全版] (創元SF文庫)/水見 稜

第一話は世界観や設定に古さを感じたけど(それはそれで懐かしい感じでいい)、それ以降は全然古びてなくて面白かった。同じ世界観で色んなヴァリエーションをみせてくれる連作短編って好きだ。 音楽をSFと絡ませて描く話も、グリンプスとかよりよっぽど音へ…

わんわん明治維新 (リュウコミックス)/押井 守 他

西尾鉄也は押井守の面倒くさい部分をギャグとして提示出来る貴重な存在かも。ここ数年評価されすぎて権威っぽくなってしまった雰囲気を無視して(というかふまえて)理屈ギャグにしていて楽しかった。

狐と踊れ (ハヤカワ文庫JA)/神林 長平

新装版で追加収録もあったからだけど、かなり新鮮に読めた。つまり殆ど忘れていた。硬軟どちらも神林独特の文体というのが最初から変わってないのがやっぱり凄い。

道化師の蝶/円城 塔

語り手の相がぐるぐる回って、読み手のこちらも感覚がちょっとズレてきて、そこがSF的で面白かったのと、すごく綺麗でスマートな小説なので、作者、頭良いんだろうなあと素直に思った。睡眠導入剤とかいう話もあったけど、展開も早く、寝るようなタイプの作…

諸星大二郎 異界と俗世の狭間から

諸星作品をこもって読みふけりたくなってしまう、よく出来た特集本。

中井英夫全集〈9〉月蝕領崩壊

本来なら作品の肝はBが癌に侵されてからの日々の記録だと思うのだけど、戦中日記から続けて読んでくると、散々志高いこと言っておいて実生活は「飲んで喰って」かよ!と突っ込みたくなる前半が楽しかったりした。

デレク・ベイリー…インプロヴィゼーションの物語/ベン・ワトソン

『インプロヴィゼーション即興演奏の彼方へ』の感じや本人の伝記的なものを期待すると、著者の主義主張がかなりの量を占める内容にがっかりする部分はあるけど(それでも訳者によるとかなり削ったとのこと)、この音源の背景にはこんな状況があったのか、と…

ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ ―童貞SOS―(1) (シリウスコミックス)/すぎむら しんいち

設定といいストーリーといい、いかにもすぎむらしんいちで意外性はないんだが、やっぱり面白い。そして多分主人公のダメ男がコキジみたいに成長して、ちょっと男前になるんだろうな。

別冊映画秘宝 ゾンビ映画大マガジン (洋泉社MOOK)

どう考えても膨大なゾンビ映画を全て追いかけることは不可能なので、気になる作品を探す参考書としても、また、とりあえず雰囲気だけでも味わえる読み物としても便利な一冊。しかしどうせ買うのはマニアしかいないと思われるので、ゾンビ映画大辞典の追加版…

奇抜の人―埴谷雄高のことを27人はこう語った / 木村俊介

評論や解説ではなく、文学者や芸術家が埴谷雄高像を語るだけで、しかも死後にインタビューされているから皆好きなこと言っていて、かなり楽しかった。面白い人だったことがよく分かる。

クロニクルFUKUSHIMA/大友良英

内容の大半は対談や講演の再録なので、プロジェクトフクシマの緻密なドキュメントや総括を求めると期待を外されるかも。なぜプロジェクトフクシマに向って動いたかという思いをスピーディに書籍化した、情報共有ツールのようなものか。しかし全編、各人の個…

GANTZ 32 (ヤングジャンプコミックス)/奥 浩哉

最近の「進撃の巨人」との相似に関する作者の過剰反応ぶり、真偽のほどはわからないけど、ガンツはSF、怪物、妖怪、超能力、ありとあらゆる要素を全てぶち込んできているから、巨人が出てきたぐらいで模倣扱いされればカチンとは来るのはわかります。で、今…

黒衣の短歌史 - 中井英夫全集 第10巻 (創元ライブラリ)/中井 英夫

短歌の読解力が欠如しているから、前半は今ひとつピンとこなかったけど、中城ふみ子や寺山修司が登場してくる辺りから、中井英夫の青春記として楽しめた。特に巻末の中城ふみ子との往復書簡は、それまでの流れを読んだ後だけに、下世話な興味もあってだけど…

荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)/荒木 飛呂彦

紹介されている映画で意外なのは「アイアムレジェンド」ぐらいで、特に奇妙なとこはないんだけど、ホラーに癒しを連発する当たり、ホラー観ない人には確かに奇妙な映画話なのかも。

もっと厭な物語 (文春文庫) /アンソロジー

Twitterで『黄色い壁紙』の感想を読んで思わす購入。期待通りの気色悪さで良かった。作者のギルマンはフェミニズム文学で有名な人らしく(全然知らんかった)、そこら辺から醸し出される抑圧された女性の鬱屈が真性の狂気とあいまって、かなりゾワゾワする…

パトロネ (集英社文庫) / 藤野 可織

収録二篇とも、日常と非日常が同列に描写されて狂気がじわりと染みてくる感じが良かった。読み手が怖さを感じる部分と登場人物が恐怖を感じる部分が大幅にズレていて、そこが気色悪さになっていた。『爪と目』も良かったし、この作家は好きだな。

麦撃機の飛ぶ空 / 神林長平

表紙や表題の感じから迷惑一番の方向かなとか思って読むのを後回しにしていたが、後に長編で展開されるアイデアがけっこう入っていたりして面白かった。全体的に軽いことは軽いが、初見の作品が殆どだったし、初出がログイン誌だったりする短篇があるのも知…

暗渠の宿 (新潮文庫)/西村 賢太

『けがれなき酒のへど』は共感とか全く無視したどうしようもない主人公の、芸の域に達している他者への酷い描写と捻れまくった心象が笑えるし、魅力的だった。表題作ではその捻れ具合が最早笑えないレベルで、ちょっとホラーテイストにすらなっていて、しか…

トラウマ映画館 /町山 智浩

面白かった。ホントは映画の本じゃなくて、映画そのものが観たいけど、時間は限られているから仕方ない。とりあえず本で観た気になっておきます。

苦役列車 (新潮文庫) /西村 賢太

面白かった。ひねまくっているのに無茶苦茶魅力的な北町貫太のぐちぐちぶりをずっと読んでいたくなる。しかしこれ読むと、映画版はあれはあれで良かったが、しかし眩しいぐらいに青春映画で苦役列車ではなかったのだな。あと石原慎太郎の解説(感想?)が意外…

ソングス・イン・ザ・キー・オブ・Z~アウトサイダーミュージックの巨大なる宇宙/アーウィン・チュシド 著・喜多村純 訳・小田晶房 編

世界にはまだまだ聴きたい音楽が山盛りだと再確認させてくれる。人生が100年あっても全然時間足りないな。