yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

書籍

岡本喜八お流れシナリオ集

面白い。中でも『青い眼の赤トンボ』は読んでいて脳内でそのまま映画になりそうな脚本。観たかった!『五拳』『アンドロイド』もハチャメチャだけど(だけに?)映画になったらきっと楽しかっただろうな。おまけ冊子(発行人の方と監督との手紙のやり取りを…

だれの息子でもない/神林 長平

三章仕立て。一章は珍しく(と言っても震災以後はその方向か)現実の社会状況を反映させて進行するが、二章以降はいつもの現実と観念的世界ごちゃまぜのドタバタへ。なので統一感は薄いが、神林作品にはよくあるパターンで、各場面で脳みそをグリグリと刺激…

夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない (モーニング KC)/宮崎 夏次系

基本的に劇中で起こるドラマは全くピンと来なかったが、癖のある絵柄と独特のコマ運びはけっこう不思議で面白かった。

大友良英のJAMJAM日記/大友 良英

二段組で630頁超。時間を見つけてチビチビ読んでやっと読み終わった。あとがきにもあるが、ネガティブな事柄は避けてあるので文学者の日記のようにありのままの生活が描かれてあるわけではない。しかし音楽雑誌ではなかなか出てこないミュージシャンが続々…

敵は海賊・海賊の敵 (ハヤカワ文庫JA)/神林長平

神林作品、特にこのシリーズではいつも思うけど、キャラクターと作品の距離感が絶妙。マンガのようにキャラが立っていながらあくまでクールに小説世界に配置して物語を進行させてくれる心地良さ。今作はSF的な仕掛けが少なく、宗教談義がメインでややアッサ…

Hikishio No Toki (引き潮のとき) (2)/Taku Mayumura

ショック…。いや購入した当時はもちろん分かっていたのだが、黒田藩プレス版は途中までしか刊行してなかったんよね。完全に忘れて読んでたや。この巻まで読んだ限りでは、これまでの司政官シリーズより主人公のやってることが明らかに悪という部分があるの…

グイン・サーガ・ワールド1 (ハヤカワ文庫JA)/栗本 薫 他

栗本薫の文章と旦那さんのエッセイ以外は読んでいてきつかった。作品の良し悪しではなく、栗本薫以外のグインを正規に刊行して欲しくないという気持ちが先立つ。作家さんも自分の世界を描きたいだろうし。残り3冊どうしようかな…。ていうかこんな商売して…

残穢/小野 不由美

実在の作家も登場して楽しいところもあるけれど、実話怪談調という体裁が逆に物語に制限を与えている印象の方が強い。穢れの起源を追って過去へと遡る構造も、緊張感無く淡々と順を追うだけで、読んでいてノルマをこなしているだけという感覚になってしまっ…

セラフィタ/オノレ・ド・バルザック

スピリチュアルな部分には気持ち悪さも感じるものの、セラフィタ(セラフィトゥス)の俗世離れした描写は楽しいし、昇天のイメージもSFファンタジーとしてカッコよかった。

ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ/金井 美恵子

ノスタルジィと夢の回廊が延々と続くような感覚が、能動的にページをめくっていく意識と絶妙のリズムを刻んで…、などと読んでる時の味わいを文章で書こうとすると自分でも何言ってるかよくわからなくなるが、とにかく読んでいて、いい塩梅で気持ち良かった…

神話的時間/鶴見 俊輔

子供と接することで神話的時間へ行けるという冒頭の鶴見俊輔の講演は、子育てする身としは面白かったし、すごくよくわかった。ほんとにチビッコたちは全く別の世界観を生きてる。しかしそんな時間が近いうちに終わることに改めて寂しさを感じてしまう本でも…

アンドロギュノスの裔 (渡辺温全集) (創元推理文庫)/渡辺 温

中井英夫のエッセイか何かで名前だけは見ていた渡辺温、勧められて読んでみたら素晴らしかった。日常から一歩入り込んだ世界を描く意味での『探偵小説』の醍醐味が詰まっていて、作品ごとの完成度もやたら高い。陰鬱だけど洒落ていて物語としても面白い。読…

黄金を抱いて翔べ (新潮文庫)/高村 薫

痺れた。ディテールの積み重ねによる重厚感、計画遂行に向かって加速する構成、魅力的な登場人物…。井筒版が見事にこの小説の空気感を再現して、切るとこ切って、映画的に盛り上げるべきところを膨らませていたこともよく分かったが、しかし北川の『なあ幸…

夢見村にて 妖怪ハンター 稗田の生徒たち (1) (ヤングジャンプコミックス)/諸星 大二郎

表題作は諸星版エルム街か。ちょっと詰め込み過ぎで、もう一篇の『悪魚の海』の爽やかな読感の方が好きだったが、ギャグとしてBLやシスコンを持ち出して最近の漫画に目配せするセンスがかわいい。

CDジャーナルムック ダンス・ドラッグ・ロックンロール ~誰も知らなかった音楽史~/久保憲司

映画『アップサイド・ダウン』で使って欲しかったような小ネタ、エピソードが満載で楽しい。特にデリックメイやエイフェックスツインのエピソードはかなり幻想が壊れる感じで面白かった。米国音楽から出てた写真集もブランキーのSwedtDaysも永久保存版な自…

告白/町田 康

文章のリズムとキャラクター描写で最後までサクサク読ませつつ、「人を殺すこと」=「生きること」にも想像がいくように書かれていて、ずっぷりハマり込んで読んだ。一番楽しんだのは熊太郎弥五郎の任侠モノの部分だったけど。ただエピローグ的な部分は必要…

ウォーキング・デッド3/ロバート・カークマン/風間賢二訳

容赦なかった。エグい。テンション落ちない。続き読みたい…。ドラマ版は原作に沿ってやれるんだろうか?そっちも楽しみになってくるな。

鍵のない夢を見る/辻村 深月

好きなものの周辺で作者の名前をよく見かけたので試しに読んでみたら面白かった。愛情と悪意のこもった人物描写には笑わせられつつ、わが身を鑑みてしまう痛さもあって、収録短編ごと全く異質な登場人物それぞれが一人称でリアルに描写されているのもすごか…

ぼくらは都市を愛していた/神林 長平

虚実の境界線を扱ったり、ハードボイルド探偵SF調もあったりで、神林ワールドの集大成的な作品ながら、援交とか意外なキーワードまで登場してきて気合いが入っていた。しかも世界が虚構だから、それを打破する、ぶっ壊すという安易なところへは落とし込まず…

ミュージックマガジン増刊 アイドル・ソング・クロニクル2002~2012/吉田 豪 他

こういうの読むと副次的にお金使うから避けたかったけど読んでしまった。かせ栞とねこぱんち、いい。イイキョク。

屍者の帝国/伊藤 計劃、円城塔

好き。しかし期待値が高かったので気になる部分も多かった。物語の殆どが相棒バーナビーの野性の勘によって進行するし、台詞が説明と格好良さ重視でせっかくのキャラクター物が活きてない。物語ベースに小説を作る伊藤計劃と文章そのものが面白味になってい…

雷轟rolling thunder PAX JAPONICA/押井 守

色気の無いウンチクの羅列のような小説だが、もうこの感じが独自の味になってるからいいのか…。しかしファンタジーとして作っているにしても、戦争を扱いつつ人の生き死にが全く感じられないのはどうかと思ったが。 それと、後半部分の作品にまつわる作者の…

Boy’s Surface (ハヤカワ文庫JA)/円城 塔

理系なハードSFだったけど、全編に溢れるユーモアと、世界を常識とは別の視点から切り取っていくSFの醍醐味で楽しく読めた。数学的知識や思考があればもっと楽しめて別の世界が見えるんだろうけど、こればかりは今更どうしようもならんね…。

ロウフィールド館の惨劇 (角川文庫 (5709))/ルース・レンデル

オチは冒頭で披露されているので、こちらとしてはそこへ至るまでの道程を淡々とドキュメンタリーのように眺めることになるのだけど、持てる者も持たざる者も同等に冷徹な視点で描写されているから、奇妙な怖さと格調高い読み応えが味わえた。全体から受ける…

M/D 下---マイルス・デューイ・デイヴィスⅢ世研究 (河出文庫)/菊地 成孔 他

ベースが講義の採録ということもあって、マイルスの音盤は代表作と言われるものしか聴いなくてもサクサク読めた。楽理解説に入ると譜面読める程度の頭では理解不能だが、そのよくわからない感じもまた楽しいぐらい語り口が軽妙で、マイルス自体が素材として…

どうで死ぬ身の一踊り (講談社文庫)/西村 賢太

デビュー作だから(?)作者と主人公がより重なる印象もあって(と言ってもいつも限りなく重なっているが)、若干文学的重みのようなものも感じつつやっぱりおかしくて面白い。

二度はゆけぬ町の地図 (角川文庫)/西村 賢太

心底どうでもいいようなチマチマした事柄や、普通に話だけ聞けば嫌悪感しか抱かないようなエピソードが、よくまあこれだけ面白くなるな。『腋臭風呂』とかタイトルからしてひどい。面白い。

ボラード病/吉村 萬壱

現実世界と地続きのディストピア感がかなり怖い。震災後の世界の気色悪さに対する物語だが、そこと切り離しても普遍的な世界の見え方のひとつに思えるから余計に鬼気迫るものがある。そして何より主人公の小学生女子(正確にはちょっと違うが)目線からの級…

ビアンカ・オーバースタディ (星海社FICTIONS)/筒井 康隆

筒井康隆のジュブナイルものと言えば『時かけ』はあるものの、他の何作かはけっこう酷いっていう記憶を、今回筒井康隆がライトノベルをやるというので思い出して不安になったりしたが、しかしけっこう楽しく読んだ。下品な描写さえも、ライトノベル読者層を…

リアリティのダンス/アレハンドロ・ホドロフスキー

自伝的な内容は序盤まで。中盤以降は延々と著者流サイコテラピー=サイコマジックへの目覚めと実践の記録。それはそれで面白いし、先日『ホドロフスキーのサイコマジック・ストーリー』観ていたおかげでイメージも湧きやすかったが、序盤がとんでもないイメ…