yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

暗渠の宿 (新潮文庫)/西村 賢太

  『けがれなき酒のへど』は共感とか全く無視したどうしようもない主人公の、芸の域に達している他者への酷い描写と捻れまくった心象が笑えるし、魅力的だった。表題作ではその捻れ具合が最早笑えないレベルで、ちょっとホラーテイストにすらなっていて、しかも現在進行形な感じが生々しくて凄い。どこまで作者とイコールなのか分からないが限りなく作者に近い感覚で、でもちゃんと小説として表現されている、というのはどういう仕組みなんだろ。素のままで暴れてるようにしか思えないように演出している勝新みたいなものなのだろうか。面白い。

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