完全に趣味の映画だった。若さ故のトゲトゲしさ全開の序盤から、表現の繊細さに感情揺さぶられる。映画全般、アニメ作画そのもので少女のセンシティビティを表現し尽くそうという気迫もガッツリ伝わってきた。 ある程度のネタは序盤からバレ気味なんだが、それが逆にマーニーの非現実感を許容できる装置になっていて、更に全編に別離の予感を漂わせていたのは、意図していないだろうけど効果的だった。 『
アリエッティ』は作品としては不満ながら小人の視点から見た世界の描写が素晴らしかったが、今作ではそれを少女からみた世界の描写へと感情面も含めて拡大させて結実させていた。かなり好き。