長女と鑑賞。これほどドキドキした二時間はなかった。まず劇場正面に『寄生獣』のオブジェなんか置くからその時点でブルーになる娘。そして劇場内では『猿の惑星』や『ホビット』の重低音溢れる予告で、「やっぱり怖いけん出よっか」発言が早速でる。前回途中退場の『ゴジラ』の悪夢蘇りつつ、とりあえずアライグマ出るまでがんばろうと励まして本篇スタート。いつ「出よう」の掛け声出るかとドキドキしながら二時間過ごしたけど、結果的に凄い楽しかったらしい。ほんと良かった。楽しくて良かった。楽しく作ってくれてありがとう!
というわけで、半分は娘の様子を伺いながらだったから、集中して観直したい気はするが、本作が単純なプロットでも魅力的なキャラクターと細部までの気配り、そしてセンスがあれば面白くなるという証左であるのは間違いない。SF+ウォークマンというアイデアだけで映画が全く別次元になっていて、序盤の廃墟惑星からして音楽が無ければ多分娘はビビって逃げ出すところだっただろうが、凄く楽しい気分で観ることが出来た。ポップミュージックの擬似タイムマシン的性格と、気分を高揚させる機能性を最大限に活かしているというだけでもそこらの音楽映画を超えてしまった。劇場の音響で体感しないと伝わらないかも知れんけど。
『正義とは』などと悩まない明快さは最近のヒーロー物へのカウンターになっていて、しかもそれを『スーパー!』を作った人が当然に自覚的にやっている。そしてヒーロー物の何たるかはノバ警察のジョン・C・ライリーと家族のエピソードでちゃんと描いている。宇宙船自体のデザインや戦闘もかなり良かったし、マイケル・ルーカーがいい役だったのも嬉しかった。
唯一、宇宙を五人で駆け回るという醍醐味が足りないとこだが、そこは早くも続編に期待だよ。