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yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

エクソダス: 神と王

   モーゼがヘブライ人を率いてエジプトを脱出するという伝説(?)の映画化。ヘブライ人という出自を隠されて、エジプト王の庇護の下、王子ラムセス(ジョエル・エドガートン)の弟同様に育ったモーゼ(クリスチャン・ベール)が、その出自を知り一度は王宮を追放されながらも再び王都へ戻り、奴隷として使役させられるヘブライ人たちを救い導く物語。

    リドリー・スコット監督の前作『悪の法則』をスルーしておいて遥かにモチベーションの上がらないこちらを劇場で観るというのもあれだが、観れる時に観れる物を、というスタンスなので仕方ない。ひょっとしたら傑作かも知れないし。

    結論から言うと、かなりのトンデモ映画だった。面白いところもあるし、何考えているんだというところもあり。あまり歴史スペクタクル物としてのバランスは考慮せず、リドリー・スコットお得意の見せたい画面を凝って作り込むことと、兄弟の物語に特化した作品だった。

   で、今回リドリー・スコットか見せたかったひとつは、神が与える十の災いの圧巻描写。赤く染まる川、大量発生する蛆虫、カエル、アブ、どれも容赦ない。もうほとんどホラーで、さすがにここは面白かった。

    それともうひとつの力点が兄弟の物語。この作品がトニー・スコットに捧げられていることから、兄ラムセスをリドリーに、弟モーゼをトニーに見立ててしまう部分がどうしてもあって、そう見ると悪役ラムセスが憎むべき男というより凄く人間的に描かれているのが微笑ましかった。

     で、肝心な主人公のモーゼだが、普通に見ていてもその行動が狂信的な過激派にしか見えないヤバさで、演じているのがクリスチャン・ベールだから更に狂気じみていた。これは現在まで連綿と続く、宗教を含んだ憎しみと暴力の連鎖をシニカルに描くために敢えてそういう設定にしたようにも見えるし、モーゼの周囲で起こる奇跡も全て自然現象として説明出来るように表現されていて、現実的な物語として現代に通用させようという意図にも思えた。
    しかし単に宗教的側面に全く無関心なだけで、モーゼの物語を素直に描いたらそう見えてしまっただけという可能性も大。というのは作品の力点が前述の2点に集約されていたからで、そもそも奴隷解放に向かうモーゼの動機が、自らの出自を知ったことと天啓を受けたことという受動的な事柄だけで、ヘブライ人の奴隷状況そのものには殆ど関心が払われていない淡白ぶりだったりするので、自分のやりたいことと物語の本筋以外にはあまり興味がないのではないかとも思われる。

    というわけで特撮の面白さや微笑ましい部分もありつつ全体としてはイビツな作りで、やっぱりいつものリドリー映画だったが、神の残酷さを見せるという意味ではかなり野心的な作品だったかも知れない、かな。


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