それなりのボンボンだが寂しい男子マーク(イズラエル・ブルサール)は転校先の学校で出会った魅力的な女子レベッカ(ケイティ・チャン)に惹かれ、彼女の誘いのままにパリス・ヒルトンらセレブリティの豪邸で空巣窃盗を繰り返す。やがてレベッカの友人たちも加わり(この中の一人がハーマイオニー=エマ・ワトソン。中ではさすがに一番可愛い)、グループの犯行はエスカレート、そして遂に逮捕されるまでを描く(逮捕されてるのは冒頭で出てくるのでネタバレじゃない、為念)。
オープニングでSleigh Bellsの曲が鳴り響き早速テンション上がった。『マリー・アントワネット』の時のGang of Fourと同じ。で、そのミュージックビデオ的テンションのまま最後まで突っ走って終わりというところや、キラキラ眩く見えるが同時に空虚感も漂うというのも同様だった。そんなハイテンションで一本丸ごと楽しませる手腕は凄いが、それだけと言えばそれだけ。
実際の事件を題材にしているのもあって窃盗団はまるっきり無反省で、未成年だから罪も軽い。断首までを描かなかった『マリー・アントワネット』に対しても当時はそれはそれで良しと思っていたが、それだと鑑賞後は空虚感でなく、贅沢三昧で楽しそうな雰囲気だけが残ってしまう。儚い友情ものとしてもそこをちゃんと描いた方がより苦味が増して良かったし、モラル云々抜きにして断罪をちゃんと描いた方がパンチが効いたのではないだろうか、とは思った。まあ、そこは好みの問題か。