yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

ゴジラ2000 ミレニアム (1999)

    ゴジラの痕跡を捜索していたゴジラ予知ネットワークの篠田雄二(村田雄浩)と娘のイオ(鈴木麻由)、それに同行する記者・一ノ瀬由紀(西田尚美)は根室ゴジラと遭遇する(ちなみにこの物語世界ではゴジラは時折出現する謎の天災というぐらいの扱いだ)。一方、篠田と旧知の仲である日本政府・危機管理情報局の局長片桐(阿部寛)、科学スタッフ宮坂(佐野史郎)らは宇宙から飛来して何千万年もの間海底に沈んでいた巨大な岩塊を発見、引き揚げ作業を行っていたが、根室から離れたゴジラ東海村原子力施設を目指して再び現れた時、突如東海村まで飛行してゴジラに攻撃を開始した。岩塊は太古に地球に飛来した宇宙生命体であり、地球を自らに適した環境へ改造し、またゴジラの持つ万能細胞オルガナイザーG1を取り込もうと動きだしたのだった。篠田や片桐たち人類とゴジラ、そして宇宙生命体の三つ巴の戦いが始まった…。監督大河原孝夫、脚本柏原寛司三村渉、特撮鈴木健二、音楽服部隆之

    いい評判聞いた事なかったが面白かった。当時は怪獣映画の不満点を解消して現代的に構築された平成ガメラシリーズが完結した直後で、もうゴジラはいいだろうという気分だった気がするのだが、実は今作、平成ガメラを仮想敵と見做したような打倒ガメラの意気込みに溢れた力作だった。

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    敵は最初、小島と見紛うような巨大な岩塊として登場。しかもそれが浮上して飛行をするので見かけ的にはほとんどガメラだ。更にはビルの屋上に鎮座して、平成ガメラの敵役ギャオスの巣作り行動を模倣したような描写まで見せた挙句、この岩塊型宇宙怪獣(?)はゴジラの細胞を吸い取って自らゴジラになりきろうとする。これはもう一時期怪獣映画の主役の座を奪った平成ガメラシリーズのメタファーとしか考えられない。そして当然にゴジラがそれを粉砕。見事怪獣王の座を奪還するという映画じゃないか、と妄想して観るとかなり面白かった。もっともこの2年後にゴジラシリーズは監督として平成ガメラ金子修介を迎えるんだけど…。

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    逃げ惑う群衆をちゃんと描いたり、アングルや建造物の配置で巨大感を演出したり、咆哮の凄まじさを見せてくれたり、と押さえるべき部分をきちんと押さえてくれていて、見せ方や造形はレジェンダリー版に影響与えてるんじゃないかとも思った。佐野史郎ゴジラファンならではの熱いリアクションだったり、子役が嫌な感じのしないませガキぶりで可愛らしかったりとキャストも良かった。

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    ただ、物語の世界観として、ゴジラ出てきてもそれほどパニックにならず、時々ゴジラがでてきて困るな〜、ぐらいのものらしいのがよく分からないというのはあったし、主人公篠田が東海村ゴジラ大暴れ現場へバイクで向かっている横を地元民がくつろいで歩いているという気の抜けたショットがあって、目前でゴジラ暴れてるんですけど…という緊迫感がいっきに冷めてしまう手抜かり描写が目に付いたりと不満点もそれなりにはあった。しかし平成ガメラを踏まえた見せ方でゴジラをリブートしたプラス面のほうがマイナス点を大きく上回った良作であることは間違いない、…と思う。


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