yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

マッドマックス 怒りのデス・ロード (2015)

    荒廃した近未来、救えなかった妻子や殺してきた男達の幻影に追われながら愛車インターセプターを駆って放浪していたマックス(トム・ハーディ)は、砂漠の支配者イモータン・ジョー(ヒュー・キース=バーン)の配下に襲われ、ジョーの軍団《ウォーボーイズ》への輸血要員として捕らえられてしまう。ジョーの妻たちを連れ出して逃走した軍団の大隊長フュリオサ(シャーリーズ・セロン)とウォーボーイズの追走劇の混乱の中、拘束から脱出したマックスは生き残る為にフュリオサと共闘してイモータン・ジョーからの逃走を図るのだった。ジョージ・ミラー監督による『マッドマックス』の4作目。

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    IMAX3D字幕版で鑑賞。これはもう感想とかそういうもの要らんやつやん…。二時間超、ひたすらアクションが繰り広げられてアドレナリン全開だ。しかもノンストップアクションを謳った映画は数あれど文字通りここまでノンストップでやり通した映画とか今迄あったのだろうか。

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     アクション自体が生身と車のぶつかり合いで、その疾走感、重量感だけで観ていて楽しいのだが、マッドマックスの醍醐味であるアバンギャルドな敵キャラの造形も相変わらず最高で、クルマにセットした棒高跳びの棒みたいなやつに捕まってビヨーンと襲ってくる、なんだかよく分からんけど面白すぎる攻撃方法や、疾走する車輌の前方にセットされたハードロッキンなギタリスト(しかも攻撃度外視でファッションとしてギターが火を噴く)などの過剰なサービスぶりで全く飽きさせない。しかもアクションの中に映画の必要要素をどんどんぶち込んでいて、主人公のマックスからして今作では喋るのもままならない、ほんとにマッドなキャラ設定だというのに、キャラクターたちの心の機微は行動と目線でちゃんと伝わってくる。顔面拘束具を金鋸で必死にシャコシャコやって取り外そうとしているマックスの描写など、アクションで突っ走りながらユーモアも忘れていない。

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    疾走しながらのドラマで言えば、最初イモータン・ジョーの手下としてくるニュークス(ニコラス・ホルト)の遍歴の物語は、自己満足の為だけの生き方から真に利他的な行動に出るまでの変化のほとんどを疾走する車の上だけで見せていき、最初から最後までハイテンションで突っ走って男泣きに至るドラマティックさで、もうアクションとドラマを切り離してチンタラ語る他の映画は「まどろっこしいわ!」と一喝したくなる見事さだったよ!

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    ところで今回マックスのインターセプターが初っ端から分捕られて全然活躍しないのが悲しいのだが、これは旧三部作及びメル・ギブソンとの切り離しの象徴に加えて、男一匹英雄気取りで活躍するような世界じゃないんだよ、というジョージ・ミラーの明確な意思表示だと思った。実際主人公はシャーリーズ・セロン扮するフュリオサだし、マックスは2作目以降受動的なキャラクターだったが今作では更に何もしない。ラストにかけての盛り上がりといい、これだけバイオレンス一色の映画でありながら女からのカウンター映画という色合いが強いのもただのマッチョ映画とは一線を画した面白味だった。

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    観終わってグッタリ疲れたが、またあの轟音と暴力の荒野に浸かりたいと思わせる映画だった。今まで劇場で観たマッドマックスがちびっ子の時に観たサンダードームだけで、何か微妙な後味だったのを30年近く経て見事に解消してくれたジョージ・ミラーに感謝。是非とも三部作でやってほしい。そしたらきっと次作はさらなる最高傑作になるはずだから。今作で既にK点越えしてるのに一体どうするのかって話だけどね。

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