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yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN (2015)

    突如現れた巨人たちによって人類は駆逐され、辛うじて生き残った人々は巨人の進入を防ぐ巨大な壁を建立してその中に僅かな生活圏を築き上げていた。その世界の中で巨人の存在すら半信半疑のまま育った青年エレン(三浦春馬)は未知の外界に憧れ、幼馴染のミカサ(水原希子)、アルミン(本郷奏多)とともに壁の向こう側へ出ようと画策していたが、その矢先に超大型巨人が壁を襲撃、それによって開いた壁穴から大量の巨人達が進入してきた。次々と喰い殺される町の人々。そしてエレンたちにも巨人が迫り…。
    監督樋口真嗣、脚本渡辺雄介町山智浩

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    原作漫画は序盤だけ読んでいて、テレビアニメは一応観ていたので、ある程度の前知識有りでの鑑賞。結論から言うと手に届かないモノに対して打ちのめされる青春映画としてのエモーションと巨人の顔面力で存分に楽しかった。

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    原作とキャラが違うとかキャラが出ないとか色々あるが、確かにキャラクターへの愛着が深い原作ファンは冒涜と感じるだろうけど、ちゃんと映画独自の面白さがあるからいいんじゃないかと思った。特に巨人殺しのカリスマ、シキシマの長谷川博己はMOZUでのエキセントリックキャラがそのまま移行してきたみたいで楽しいし、水崎綾女の色気も最高。サシャ(桜庭ななみ)の弓攻撃はホークアイより男前だった。しかしハンジの石原さとみは原作のまんまで特に違和感なく面白かったから実は無理矢理に全員原作通りにやらせてもやれないことはなかったのかも知れないと思ったりもしたが。

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    特撮に関してはイイ顔の巨人群で実写版『進撃の巨人』としての最低ラインは越えていると思ったが、せっかく軍艦島で撮影したというわりには全体的に背景がショボくて残念だった。巨大なオープンセットを組んだとのことだけど画面の色味やアングルでセットの質感にリアリティを与えて欲しかった。特に冒頭てエレン、ミカサ、アルミンが壁の前にしてウダウダやってる場面はコント番組のセット前でやってるようにしか見えなくて、かなり脳内特撮映画フィルターで背景を変換して鑑賞せざるを得なかった。

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    巨人が暴れまわる場面は流石に怪獣映画愛に溢れたスタッフの力を見せつけられたが、もう一方の売りであるはずの立体機動装置でのアクションはもう少し全体の動きをカッコよく見せて欲しかった。引きで真横から跳んでいる姿を見せるショットはびっくりするぐらいダサくて、アメコミ映画でヒーローたちがカッコよくビュンビュン飛び回ってる姿を見慣れているだけに、ちょっとガッカリだった。その分最後の巨人化エレンのウルトラファイトが際立ってはいたけど。

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    あと、一本の映画として作って欲しいというのはどうしてもあったが、今の日本映画で大作をやるなら前後篇でないとペイ出来ないとかあるだろうから仕方ないのかも知れない。しかし今作はちゃんと前篇だけで映画になるように作ってあって、そこが良かった。主人公の若者エレンは壁に囲まれた世界の中で、象徴として登場する不発弾のような状態に甘んじている。そしてより大きな世界に足を踏み出そうとすると全く手も足も出ない巨人という強大な力に打ちのめされ、更にはシキシマという、力も地位も遥かに上回る男に彼女まで奪われる。このなんとも堪らない鬱屈の蓄積がクライマックスに自ら巨人となって爆発する起爆力になっていて、謎解き物語としてのカタルシスを後篇に譲る代わりに、ちゃんと前篇独自のカタルシスとして機能していた。惨めな場所から爆発に至るまでのエレンの青春映画として原作にはない独自の面白さがあった。この独自の面白さと巨人描写で個人的に実写版は成功作と思ったが、どうなんだろう。

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    しかし最終的な評価はやはり後篇のあとかな。謎なのか伏線なのかそれとも何でもないのかよくわからない箇所もかなりあって、特に内気そうな少女だったミカサが2年で超絶技巧を身につけた戦士になるっていうのは普通じゃ考えられないので、ちゃんとロジックで説明してくれるのだろうかとかある。何にせよ楽しみだよ。


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