機龍の運用に関する描写がCGの組み合わせを含め前作から格段にパワーアップしていて楽しかった。巨大ロボ運用の為に大量の整備班が活動する雰囲気はエヴァやパトレイバーの影響が見られるが、特撮怪獣映画への憧憬からロボットアニメにそれらの要素を取り込んできた作品群から更にそのエッセンスを特撮映画へと逆輸入的に注入してやろうという目論見が前作での実験を経てより完成度を増した形で提示されていた。
キャラクターに関しては前作からの流れを一応踏んでいて、釈由美子もゲスト的な扱いながらちゃんと物語内で登場していて嬉しい。そして今作のヒロイン如月梓役の吉岡美穂はタンクトップ姿が逞しくセクシーで、棒読み気味のぶっきらぼうな台詞回しも良かった。小美人役で長澤まさみが出てくるのもお得感がある。ちなみにそのシーンでは『モスラ』でのザ・ピーナッツによる小美人のオリジナル映像がフラッシュバックで出てくるのだが、それを見たうちの娘は昔のほうが歳とってるやん、という容赦ないツッコミを入れてた…。
義人が地下鉄線路をバイクで突っ走って機龍の修理へ向かうアクションはクライマックスへ向けての素晴らしい盛り上げになっていて、そこからの一連のシークエンスを通して技術者が機械と直接向き合い、より良いものを作っていく情熱の崇高さを見せてくれた。それが機龍に使われた技術に代表される行き過ぎた科学の負の側面と合わせて人と機械の関係性、科学進化の功罪というテーマを自然に浮かび上がらせていて、義人と機龍のコミュニケーションによるフィナーレをより感動的で深みのあるものにしていた。
↑うちあげられたカメーバの場面も味わい深い。