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yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

劇場版 MOZU (2015)

    高層ビルとペナム共和国の大使館が同時に襲撃され、大使館に滞在していたペナム共和国前大統領第二夫人の子供である少女エレナ(マーシャ彩)が誘拐されようとする事件が発生、しかし誘拐は公安警察官の倉木(西島秀俊)が偶然にも阻止した。しかし犯人側は倉木の同僚明星(真木よう子)と、元刑事で倉木の盟友大杉(香川照之)の娘めぐみ(杉咲花)を誘拐、少女との人質交換を要求する。事件の背後に日本の歴史を裏から操作し続けてきたと言われ都市伝説化している「ダルマ」の存在があり、「ダルマ」が倉木の妻子の死にも関与していることを突き止めた倉木と大杉は、明星とめぐみの救出のため一路ペナム共和国へと向かうのだが…。監督羽住英一郎、脚本仁志光佑、撮影江崎朋生。

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    テレビドラマとしては破格のアクションと『北斗の拳』ばりのあと出しジャンケン気味の無茶苦茶な展開、さらにエキセントリックなキャラクターが楽しかった『MOZU』だが、映画作品になってしまったらネタとして面白がれるだけでなく真正面から楽しめるのかという不安が大きかったのだけど、結局楽しかった。

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     相変わらずストーリーは雑にすっ飛ばし気味で、陰謀論を具現化したような「ダルマ」を実在人物として登場させるというのも厨二病甚だしいが、しかしそこを(一見)ハードボイルドな世界を壊さない程度に、俳優ビートたけしの存在感を活用しつつ上手く着地させていた。日本中の人々が夢で「ダルマ」を見ているという拡げ過ぎた風呂敷はどうするのだろうと思っていたらあっさりとウヤムヤな種明かしで素通りさせていて、超科学的な謎めいた部分をバッサリと切り捨てて、映画で何をやるのかを明確に打ち出していたのも良かった。無駄に海外ロケをして派手にやるという日本映画にありがちなパターンも、今作ではカーアクションや大爆発、空撮、市街地アクションと存分に活用、スクリーンならではの醍醐味を味わせてくれた。

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     池松壮亮演じる新谷が正義の味方として応援すべき明快なキャラクターとなって悪役・権藤(松坂桃李)とタイマン勝負をするシーンは迫力があったし、その悪役の権藤というキャラクターも序盤で「ショータイム!」みたいなセリフが出た時点で普通だも見ていられないレベルたが、そんなケレン味が通用する地点までふり切っているおかげで許せてしまう。松坂桃李はこの頃日本映画見てるといつも出ている感じなんだけど、どれもそれぞれの作品世界に違和感なく入り込んでいて凄いのかも知れない。もう一人の悪役高柳(伊勢谷友介)も漫画的な酷薄さで存在感があった。

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    あとは杉咲花の出番増加が嬉しかった。マーシャ彩が演じる少女に対するぞんざいな扱いはもうちょっとどうにかならないかとは思ったが(あと大杉の元同僚の扱いも)、まあMOZUだしなあ、という免罪符のおかげでイヤな感じは残るけどそこまでは気にならない。

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    しかし何と言っても『MOZU』といえば長谷川博己演じる東というキャラクターで、誰もが固唾を飲んで見守り、どこでどういう形で出すかが勝負という中で充分期待に応えてくれる『ちゃお〜』を繰り出してくれた長谷川博己はさすがだった。もう一回やって欲しいという余韻を残しているのもちょうどいい。中神不在でエキセントリックなキャラを一身に背負った東の存在感が映画を引っ張る形になっていたが、多分作り手も東のキャラクターに力を入れすぎた挙句、事件の決着に至るまで物語の推進を全て長谷川博己一人にやらせてしまっているのは美味しいを通り越してストーリーとしてどうかというレベルなんだが、楽しいからよし!という感じか。そういう部分も含めてテレビドラマの映画化には珍しく作り手の愛情と情熱が暴走していて映画全体が楽しかった。

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