登場人物たちの行く末も提示した上で綺麗に大団円を迎えていた『仮面ライダードライブ』だったので、今回のあらかじめ予定されていたであろう最後の映画版を一体どうするのかという心配を抱きつつ観に行ったが、結果としてはいつものタイムリープ物でお茶を濁すというものだった。チェイス(上遠野太洸)やハート(蕨野友也)といった壮絶な死に様を経たキャラクターや感動的に別れたベルトさん(クリス・ペプラー)にアッサリ再登場されると何だかな〜となるし、『ドライブ』の三条陸、長谷川圭一といった脚本家チームが参加していればもう少し愛のある描き方が出来たのでは、という気分にもなったが、『仮面ライダードライブ』ファンへのサービスと『仮面ライダーゴースト』への引き継ぎという命題を負った映画の構造上、メインキャラクターの全員集合をやりながら個別キャラを丁寧に描いていられないのは理解出来るし、キャストたちのインタビューを見たりするとその点に関して、作品やキャラクターへの愛情からそれぞれ複雑な思いを抱えて今作に挑んでいることも見てとれて、その中でも一応ほとんど全員を再登場させてくれたことはイベント映画としてのジレンマを抱えながらもよくやってくれた、ということかも知れない。
特に『ドライブ』と『ゴースト』のエピソードを分けずに全編を一つの物語として作ったことでシリーズのブリッジとしてはかなり上手くいっていて、ちょっと『ゴースト』に親しみが湧いたのは良かった。『ゴースト』のヒロインアカリ(大沢ひかる)とギャグ担当の御成(柳喬之)も面白くてテレビシリーズが楽しくなっていきそうな予感。あと実際の爆発の中でほぼ全キャストがアクションをこなすラストバトルは盛り上がった。
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