感動シーンは親子愛で泣かせてくるなど引率の親狙い(泣いた)、幼児以下のちびっ子でも飽きずに見させるオムニバス形式、ぬらりひょんとエンマ大王の美形コンビで腐女子にもアピールしつつ基本はいつものギャグ路線で貫き通す。一瞬水木しげる風キャラクターを登場させて妖怪好きへの目配せも忘れない。そして本編で気になった部分はエンドロールできっちり回収するなどあざといまでに全方位的に目配せ効かせた作りは妖怪ウォッチ映画としては満点の出来だった。
映画妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン! (2015)
死んで妖怪フウ2になった天野ケータ(戸松遥)と少年の交流を描いた「妖怪になったケータ」、未来にタイムスリップしたジバニャン(小桜エツコ)たちが生前の飼い主だったエミちゃん(長澤まさみ)のピンチを救う「ジバニャンの華麗なる作戦」、母から弟が生まれた報せを受けて帰郷したコマさん・コマじろう(ともに遠藤綾)の物語「コマさん 家に帰る」、サンタ当番のまわってきたUSAピョン(重本コトリ)と未空イナホ(悠木碧)がプレゼント配りに奔走する「USAピョンのメリークリスマス」、インフルエンザに罹ったエンマ大王(木村良平)に代わり妖魔界の実権を握ったぬらりひょん議長(子安武人)の出した妖怪と人間の交流禁止命令に困ったケータたちが命令の撤回をお願いする為に妖魔界へと向かう「妖怪ワールドへ行こう」の五つのエピソードで妖怪ウォッチの世界を描いた劇場版第2作。監督高橋滋春、ウシロシンジ、脚本日野晃博、加藤陽一、アニメーション制作オー・エル・エム。