犯罪王ホワイティの兄の上院議員はベネディクト・カンバーバッチが演じているのだから裏に何かあるキャラクターなんだろうと思って観ていたら実はなんにもないという肩透かしを始めとして物語的にどうにも盛り上がり切れない実話ベースならではの部分はあったものの、脇を固める役者陣にイイ顔が揃っていたり、1970年代の空気の再現率も最近のこの手のハリウッド作品同様にハイクオリティだったりで何度も繰り返して観たくなるような作品ではないけど実録犯罪モノとしては充分楽しかった。
ジョニー・デップも久々にイヤな感じが無くて良かったけど、『ラスベガスをやっつけろ』でのハゲキャラと違って今作ではハゲてもジョニー・デップが演じているという印象は強かった。演技のウマヘタでなく、一度セレブになった役者はどうやってもその人自身が透かし見えてしまうから仕方ないんだろうなとは思った。その点何やっても素のままやり切ってるトム・クルーズは凄いよな。