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yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

秘密 THE TOP SECRET (2016)

映画(劇場)

    死者の脳内記憶を映像化する新技術を応用して犯罪捜査を行う科学警察研究所法医第九研究室、通称「第九」警視正・薪をリーダーに試験的に活動を行っていたが、28人を殺害したサイコパス貝沼(吉川晃司)の脳内を覗いた捜査官たちが次々と精神を崩壊させ、薪の親友鈴木(松坂桃李)も自死を遂げるという悲劇に見舞われる。その後、薪は正式部署への格上げを目前に迎えた「第九」に若きエリート青木(岡田将生)を招き入れる。鈴木と性質が似ていると薪の右腕・三好(栗山千明)が不安を募らせる中、青木は最初の捜査として一家惨殺事件で死刑となった男(椎名桔平)の脳内を覗き込み、真犯人が行方不明の長女絹子(織田梨沙)であることを突き止める。しかし冤罪発覚を恐れた上層部はその公表を禁止とし、「第九」の正式発足も延期としてしまう。薪は青木に刑事課の不良刑事(大森南朋)とともに秘密裏に事件の真相を追うよう指示するが、事件の影に貝沼の存在が浮かび上がり…。監督・脚本大友啓史、脚本高橋泉、撮影石坂拓郎、音楽佐藤直紀

 

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    そもそも設定がよく分からなかった。死者の脳にプラグを繋げて脳幹に記憶された映像を見るというのは分かるんだけど、何でわざわざ捜査官の脳と繋いでいるのか。死者の脳内映像は捜査官の脳を通じてしか出力出来ないということなんだろうけど、青木や薪がプラグを繋げて捜査しているのを映像で見せている事案以外の案件では捜査官の脳を繋げて捜査しているようには描かれていないし、何体もの死者の脳内映像の時系列をあっさり組み合わせてみせたりして、かなり簡易に残留記憶を扱っているように見えるのだが…。元々突飛な設定をかましてくる清水玲子SFなので、実写でやるならそこの設定以外の部分でリアリティを持たせなければキツイのだが、警視庁に脳内捜査犯を設立します、とか言って出てくる責任者がどう見ても根回しや実績で権力を確立しているとは思えない風貌の長髪の美青年(生田斗真)では全く説得力が無かったりして、どうにも作品世界に入っていけない。

 

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    そんな感じで設定の時点で厳しいのだが、過去の事件と現在進行形の事件とを絡ませて進行していく物語も全く有機的に繋がっているとは感じられず、事件全体を仕組んでいる貝沼に至っては、そんなちっぽけなことでこんな超壮大な計画を立案して実行したのかよ、ご苦労さん!としか言いようがない残念さ。一事が万事その調子で、劇中人物たちが精神の深淵や心の秘密を見たなどとのたまっている割にこちら側には、え?そんなのが深淵なの?秘密なの?というレベルの感情しか喚起されないので、作品のシリアストーンと裏腹にシラけていく。

 

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    サイコパスの女が「第九」のメンバーに対して、脳の情報を読み取ることがおこがましいというようなことを言うのだが、実際「第九」の面々には倫理的考察などしている気配もなく、さらには脳内捜査する当事者たちは自身の個人的動機ばかり持ち込んで他人の脳を覗いている有様で、犯人の言うようにホントにおこがましいし、客観的に見てると「第九」は即刻解散した方が世のため人のためだよ、としか思えない。

 

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     ラストの、少しの希望を見せて感動させたいというようなシーンも、この作品のトーンからすると、一見善良そうに振る舞っている市井の人々の中に悪意が潜んでいるというシーンになるべきで、実際にこのシーンのあとに起こったことを考えればここは感動させるようなシーンには成り得ないと思うのだが。

 

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     あとはせっかく2時間半も使って脳内記憶というテーマを扱っていながら映画的には主観の映像と記憶の映像による入れ子構造などで夢と現の境界線を曖昧にしていくような志向が全く無いというのも物足りないことこの上ない。

 

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     しかし舞台立てのロケーションなどはけっこうムードがあったり、何故かゴア描写だけは手抜きがないなど端々に見所がない訳でも無く、脚本とキャスティングが間違ってたというだけ(?)なのかも知れない。そのキャスティングで言えば大森南朋の刑事だけは劇中で唯一リアリティが感じられて救いだった。 

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「秘密 THE TOP SECRET」予告篇 - YouTube

 

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