yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

君の名は。 (2016)

    1000年ぶりの彗星来訪を1カ月後に控えた日本。岐阜の山奥にある町、糸守で暮らす女子高生の宮水三葉(上白石萌音)と東京の男子高校生・立花瀧(神木隆之介)はある朝、互いに身体が入れ替わっていることに気付く。入れ替わりは1日経てば元に戻り、その時の記憶も曖昧だったので、それぞれに奇妙な夢だと思っていたが、その現象が度々表れ、周囲の反応もおかしなことから、入れ替わりが現実であることに気づく。2人はスマホのメモ機能でそれぞれの入れ替わり中の生活を報告しながら、それなりに入れ替わりの生活を満喫し始め、互いへの親しみも深めていくが…。監督・原作・脚本・絵コンテ・新海誠、企画・プロデュース・川村元気作画監督・キャラクターデザイン・安藤雅司、キャラクターデザイン・田中将賀、音楽・RADWIMPS

 

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   冒頭から互いに畳み掛ける台詞とエモい曲で新海誠ワールド全開、実写映画でやると過剰な演出になるところだが、元々が温度の低いアニメーションだと暑苦し過ぎない昂揚感となって気持ちいい。

 

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     そして差し込む光の繊細さや開く扉の重みまで伝わってくる安藤雅司の作画が凄い。『思い出のマーニー』も素晴らしかったが、更に進化していて物語が盛り上がる前から画面を見ているだけで涙目になってしまった。作画スタッフには黄瀬和哉沖浦啓之の名前もあって、そりゃ凄くなるよな〜という感じなのだが、新海誠という人は物語のアイデアDIYスピリットの卓越した人というイメージだったので、これだけ名のある作画陣を使いこなして作品を完成させる監督としての手腕もあるというのは驚きだった。

 

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    描かれる物語も、男女の入れ替わりや、時をかけたりという大林宣彦要素に加えて電波系まで幅広く呼び寄せる輪廻転生話をぶち込んだSF話を誰もが楽しめるタイトル通りに普遍的なすれ違いの物語に昇華してオタクに限らない間口の広いエンターテイメントへ昇華していて楽しかった。後半の無茶苦茶な計画とその実行はあまりに非現実的だとも思えるが、こちら側が現実の震災の記憶と重ねて観ることが前提としてあるので、歴史の改変というシークエンスが夢物語であることを分かった上での現実への甘い復讐劇として描かれていて感動的だった。タランティーノが歴史を改変して独裁者に映画で復讐を果たしたのと同様とも言えるが、こちらは忘れないでいること、記憶を繋いでいくことの大切さが強く提示されているぶん、より前向きで真摯なメッセージとして響いた。

 

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    あとユキちゃん先生(花澤香菜)の登場にも感動。『言の葉の庭』観ていて良かった。彼女の登場でまさか糸守があんなふうにはならないだろうという若干のネタバレ感が無いわけではなかったが、やっぱり嬉しかった。

 

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「君の名は。」予告 - YouTube

 

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