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yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

聲の形 (2016・日)

   高校生の石田将也(入野自由、少年時代:松岡茉優)はガキ大将だった小学生の頃、聴覚障害を持つ転校生・西宮硝子(早見沙織)へのイジメを率先して行ったことをきっかけとして周囲から孤立し、以来誰とも打ち解けられずに毎日を送っていた。そんなある日、ある決意をした将也は贖罪の意識か、自己満足の為か自分でも分からないまま5年ぶりに硝子の元を訪れる。5年の間に勉強した手話を使って意思疎通を図り、少しずつ打ち解けていく将也と硝子。そして2人の周囲の人々やかつての級友たちもそれぞれのわだかまりと向き合っていくが…。監督:山田尚子、脚本:吉田玲子、美術監督:篠原睦雄、総作画監督、キャラクターデザイン:西屋太志、音楽:牛尾憲輔、アニメーション製作:京都アニメーション

 

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   聴覚障害者を美少女にしている時点でどうなのかと斜めから見始めたら面白かった…。全方位的に目配せ気配りの行き届いた丁寧な作りで、その弊害で映画としては少し輪郭がぼやけてしまっている部分も感じたが、それでもキャラクターそれぞれを平等に描き切ることのほうがこの作品としては重要だと思えたし、観ていて気持ちのいいアニメーション自体のクオリティの高さと音の使い方で冗長に感じることも無かった。

 

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   聴覚障害者を美少女にしてあざといんじゃないかという勝手な思い込みだったが、可愛いキャラクターのアニメーションでコーティングしているおかげで過剰な陰湿さを避けた正しさを大上段に振りかざさないポップな肌触りになっていて、イジメや障害という題材を扱いつつ、啓蒙的なだけでなく恋愛映画としても、もっと大きな相互理解の物語としても成立させていた。

 

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   様々な人間がいて、それぞれが完全な相互理解をすることは不可能だとしても、隣人として共存出来る可能性を見せてくれる作りも良くて、それは例えば最後までほとんど他人を傷付けていることに自覚がないままでいながらも仲間として打ち解けていく将也と硝子の小学校時代の級友、川井さん(潘めぐみ)の存在とか、混血である将也の姪のマリアや、不登校で、ひょっとしたら性同一性障害でもある硝子の家族の結弦(悠木碧)といったキャラクターの配置にも意識的に表れているように感じた。

 

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   オープニングのThe Whoの「My Generation」から始まり牛尾憲輔の劇伴を挟んでaikoで締める音楽の使い方も良くて、特に「My Generation」は、何の考えも無しにこの名曲を使ってたら頭にきたところだが、もどかしくも何とかコミュニーケーション図ろうとする作品のテーマとシンクロしているからこその起用になっていて納得だったし、劇伴そのものもコーネリアスのアルバム「point」のように音の出所を意識させるような作りで、音そのものが重要な今作に相応しい音楽になっていて良かった。

 

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  硝子が美少女ではなく、将也が恋愛感情を全く抱かなかったとしたら物語が成立しなかったのではないか、というのは気になったけど、一見無垢な存在のように見える硝子のキャラクターは自己防衛の為に確立させていたものだということが、溜め込んだストレスが最後の突発的な行動へと向かわせる痛々しさからも伝わってきたし、そこを経て自らが他者を救う強さを獲得する姿が感動的だったりしたので、この作品はそれでいいんじゃないか、と思った。

 

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映画『聲の形』 本予告 - YouTube

 

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