yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

お嬢さん (2016・韓国)

     1930年代、日本統治下の韓国。富豪上月(チョ・ジヌン)の財産を狙う詐欺師(ハ・ジョンウ)は令嬢・秀子(キム・ミニ)を誘惑する計画を立て、スムーズに計画を進行させる橋渡し役として少女スッキ(キム・テリ)をメイドとして先乗りさせる。上月邸でメイド・珠子として働き始めたスッキは騙す対象である秀子の美しさと純真に魅了されていき、秀子もまた献身的な珠子に心惹かれていく。しかし詐欺師は日本の貴族藤原伯爵を名乗り上月邸を訪問し、計画の実行を始めるのだった。
監督、脚本:パク・チャヌク、脚本:チョン・ソギョン、原案:サラ・ウォーターズ、撮影:チョン・ジョンフン、美術:リュ・ソンヒ、音楽:チョ・ヨンウク。

 

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    もっと耽美で暗黒ムードだと思ってたらネアカで痛快な犯罪物の趣きで楽しかった。冗長な表現削ってコンパクトに仕上げてくれたらもっと良かったのに、というのは韓国映画あるあるだし、そのしつこさが味だったりもするから別にいいのか。

 

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    日本映画で日本人俳優が演じていたら決して出てこない台詞が微妙なイントネーションで繰り出されるのもちょっと得難い体験だったし、エロオヤジたちの秘密の会合描写など真面目なんだかふざけているのか不明で不思議な居心地を味わえるのも楽しかった。

 

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    そんな秘密の会合の主催者である『お嬢さん」の叔父は、救いようの無い変態の悪人ではあるが、だからと言って彼のコレクションである春画その他のエロ本を全部廃棄して爽快だぜ、みたいな流れは主人公達自身がそもそもは肉欲によって結託しているんだから都合良くないか、と思わないでもなかった。それってスケベ=悪、女性同士なら綺麗みたいな単純な見立てに思えてイヤな感じだったのだが、そこはエロ映画作る言い訳として仕方ないか。それにそこから性別国籍全てを乗り越え、ぶち壊していく終幕での疾走感はエンターテイメントとして確実に燃える展開になっていたので、やっぱり必要な場面か。

 

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    それにしても役者陣や美術、舞台立て全てが高水準だし、その作り込みへの熱量も感じられて、その上でエキセントリックでトリッキー、更にはバディ物の爽快感すらあるストーリーを疾走させるという好き放題をやり放題な作品をヒット映画として成立させてしまうパク・チャヌク韓国映画界、凄まじいと思った。

 

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