yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス (2017・米)

   半分地球人でスター・ロードを自称するピーター・クイル(クリス・プラット)、悪の帝王サノスの養女で元暗殺者のガモーラ(ゾーイ・サルダナ)、研究室生まれのサイバネティク動物ロケット(声:ブラッドリー・クーパー)、比喩を理解出来ない怪力男ドラッグス(デイヴ・バウティスタ)、樹木型ヒューマノイドで今は再生中で幼児になってしまった樹木型異星人グルート(声:ヴィン・ディーゼル)。ならず者から銀河の守護者となった彼ら5人だったが、警備を引き受けた惑星から盗みを働いて逃亡するはめになるなど、相変わらずの日々を過ごしていた。そんな中、ピーターの父親を名乗る謎の男エゴ(カート・ラッセル)が現れ、一行を自らの惑星に誘う。そしてピーターの育ての親で、ならず者集団ラヴェジャーズの艦長ヨンドゥ(マイケル・ルーカー)やガモーラの義妹ネビュラ(カレン・ギラン)、惑星ソヴリンの指導者アイーシャエリザベス・デビッキ)らもピーターたちを執拗に追い、銀河系を巻き込んだガーディアンズ,オブ・ギャラクシーの冒険が再び始まる。

監督・脚本:ジェームズ・ガン、製作:ケヴィン・ファイギ、撮影:ヘンリー・ブラバム、プロダクションデザイナー:スコット・チャンブリス、編集:フレッド・ラスキン、クイレグ・ウッド、視覚効果監修:クリストファー・タウンゼント、音楽:タイラー・ベイツ

 

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    言うことない傑作(書くけど)。オープニングから宇宙で巨大生物とじゃれ合いながら戦うガーディアンズメンバーと踊るグルードという掴みバッチリの映像の中、戦い方と会話でキャラクター紹介をこなしていきつつ、戦闘シーン自体のアイデアも豊富に放り込んでくるという気合いの入れ方で素晴らしかった。その戦闘シーン、外皮の厚い巨大な敵に対して敢えて内部に入り込んでやっつけるという一寸法師の時代から続いてきたパターンをドラックスがやってみたら皮の厚さは内側も同様に硬かったというオチでルーチンを崩してみせる展開かおかしいし、宇宙で剣を振るって戦うというアホらしさをガモーラの自覚とともに見せながらも結局剣で戦わせて外連味溢れる絵面を提示してくれるサービス精神も嬉しかった。

 

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    そして金ピカの宇宙人が平気で動き回っていても、映画世界ではちゃんとリアルなキャラクターとして息づいていて、馬鹿馬鹿しくても白々しくない絶妙なバランスでスペースオペラを今の時代に提示してみせたジェームズ・ガンのセンスを改めて凄いと思った。その金ピカ宇宙人(ソヴリン星人)が無人戦闘機を操るための装置はアーケードゲームの筐体を模していて、その装置を操るパイロットの周りに群がって勝手なこと言いながら見物する金ピカ宇宙人達をゲーマーとギャラリーに見立てる場面を、色んなシチュエーションでしつこくやってたりとかバカ過ぎて面白かったし、そういう遊び心が随所にあるのも楽しかった。

 

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    家族は大事という繰り返されてきたお題目を血縁に基づいた家族の定義自体を更新しつつ今様に提示したストーリーもスマートで気持ち良かったし、ピーターの父親の謎というひょっとしたらシリーズを長々と引っ張る要素にもなり得るエピソードを一作品の中であっさりと消化しきっているのも潔かった。血統、出自の正当性、スーパーパワーの否定は『スター・ウォーズ』に対するガーディアンズからのメッセージとも取れるし、ひょっとしたら同じマーベルヒーロー達へのアンチテーゼにもなり得るかなり踏み込んだ内容だと思った。

 

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    他にもヨンドゥとロケットのコンビによる掛け合いが楽しいと同時にはぐれ者同士の共感が感動的だったり、ガモーラとネビュラの度を超えた姉妹喧嘩とか(ここで戦闘機搭載の火器を抱えてぶっ放すガモーラの姿に改めてただの常識人じゃないことを思い起こさせてくれる)、ヨンドゥの部下のクラグリン(ショーン・ガン)がいい味出してたりとか楽しいポイントは枚挙にいとまがないんだけど、クライマックスでピーターが仲間たちとの楽しかった場面を思い出すシーンでは涙ボロボロ出てきた。ロケットと青空を飛ぶ姿に仲間たちのかけがえの無さを、幼いピーターに射撃を教えるヨンドゥとの場面に真の父子の絆の深さを、という具合にほんの短いシーンから映画キャラクターの感情の中へ深く入り込んでいく感覚があって、また『スター・ウォーズ』を引き合いに出すのもなんだけど、育ての親とかはぐれ者チームを描きながら、そこへの共感を表現しきれなかった『ローグワン』と対照的だな〜と思わされた。

 

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    場面ごとにこれでもかと阿呆で素敵なアイデアを詰め込んで、音楽も相変わらず最高で、そしてやっぱり泣かせてくれて、観終わってもまだまだ足りない、ずっと観ていたいと思わせてくれた作品だった。あの人が欠けてしまったのは寂し過ぎるが、スタローンとか頑張ってくれるだろうし、これからも色んな冒険を描き続けて欲しい。ちなみに娘と4DX版も鑑賞して、娘も面白がってくれて良かったんだけど、個人的にはアトラクション的な楽しみは映画自体を堪能するのには邪魔かな、と思った。

 

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「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」本予告 - YouTube

 

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