yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

ダンケルク (2017・米)

  第二次世界大戦、ドイツ軍によりフランス北部ダンケルクに追い詰められ、取り残されたボルトン海軍中佐(ケネス・ブラナー)以下40万の英仏連合軍。英国は民間船まで総動員した救出作戦を発動する。そんな中、民間船の船長ドーソン(マーク・ライランス)も息子のピーター(トム・グリン=カーニー)、その友人ジョージ(バリー・コーガン)とともに作戦に志願、航海途中で錯乱した英国兵士(キリアン・マーフィー)を救出しつつダンケルクへ向かう。一方空からは空軍パイロットのファリア(トム・ハーディー)らがスピットファイアを駆って援護へ向かっていた。そしてダンケルクでは英国の若き兵士(フィン・ホワイトヘッド)が無口な同年代の兵士(アナイリン・バーナード)やアレックス(ハリー・スタイルズ)らと必死の脱出を図っていた。

監督・脚本・製作:クリストファー・ノーラン、撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ、美術:ネイサン・クローリー、編集:リー・スミス、衣装:ジェフリー・カーランド、音楽:ハンス・ジマー

 

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    前情報としてノーCGのこだわりを知ってしまっていたからなのか、映像の贅沢さにウットリさせられた。CG使っていないというのを知らなかったら大作のわりにショボいと感じたのだろうか、とも思ったがどんな映像でも作り出せることを前提とした画面作りとは明らかに違う、カメラをどこに置いて、どのように見せるかを物理的に考えて表現された映像の凄味というのはあるのだと感じた。もちろんCGを多用した映像にはCGなりのアイデアや努力が詰まっているから、単なるノスタルジーかも知れないが、実写だからこそ響いてくる感覚はやっぱり気持ちが良かった。

 

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   観た直後は時間軸をいじっているのがサスペンスとしての盛り上げを阻害しているように感じて、単に構成にこだわってみました、みたいなノーランの要らん自己主張だと思っていたけど、戦争を描くにあたって個人の英雄譚としての盛り上げを抑制させる目的だったのかもと思うと凄く的確なスタイルだったように思い始めた。物語の進行を時間軸に沿って描いてしまえば2枚目の顔面をほとんど表に出さずにいながらもトム・ハーディ演じるパイロットがヒロイックに際立ち過ぎる結果になっていたはずで、市井の救出作戦志願者の存在も埋没していたかも知れない。

 

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    音楽はいつものハンス・ジマーの大作サントラとは全然違う作りの音になっていて、かなり耳につくし、緊張感を煽り続けるので良くも悪くも映像を支配してしまっていたけど、物理的な圧迫感が実はあまり表に出てこない今作にはこれも的確なスタイルだった気がしてきた。何だかんだでやっぱりノーランって凄いのかなと今更感じてしまった作品だった。

 

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映画『ダンケルク』予告3【HD】2017年9月9日(土)公開 - YouTube

 

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