yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

パディントン2 (2017年・英、仏)

    ペルーのジャングルからロンドンへやって来た熊のパディントン(声:ベン・ウィショー)はブラウンさん(ヒュー・ボネヴィル)、ブラウン夫人(サリー・ホーキンス)、長女のジュディ(マデリン・ハリス)、長男のジョナサン(サミュエル・ジョスリン)、親戚のバードさん(ジュリー・ウォルターズ)のブラウン一家の一員となって幸せに暮らしていた。そんなある日、骨董品屋で見つけた素敵な飛び出す絵本を大好きなルーシーおばさんの100歳の誕生日プレゼントにしようと決めたパディントンだったが、その絵本にはある秘密が隠されていた。その秘密を狙う落ち目の俳優フェニックス・ブキャナン(ヒュー・グラント)も密かに絵本を狙っていて…。

監督・脚本:ポール・キング、共同脚本:サイモン・ファーナビー、原作:マイケル・ボンド、製作:デヴィッド・ハイマン、撮影:エリック・ウィルソン、美術:ゲイリー・ウィリアムソン、衣装:リンディ・ヘミング、編集:マーク・エヴァーソン、ジョナサン・エイモス、音楽:ダリオ・マリアネッリ

 

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    パディントンが近隣の住民たちと挨拶を交わしながらロンドンの街並みを自転車で走る光景、飛び出す絵本から文字通り飛び出して展開されるロンドンの風景描写、冒頭から描かれる寛容と慈愛に溢れた人々が住まう理想世界の姿は、喋る熊よりも更にあり得ないファンタジーで、その時点ですでに涙が止まらなかった。一緒に観に行った娘から、「パパはなんでそこで泣いたん?」と訊かれたので、「難民や移民のメタファーでもあるパディントンやその友達が、現実のイギリスや日本と真逆に優しく受け容れられる世界を見てるだけで泣けるやん」と応えたら「考えて見過ぎだし、すぐ泣くのは年齢のせい」と言われてしまった(確かにその前に一緒に観に行った『KUBO』でも一人泣いていたが…)。

 

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    そんな映画全体を包む優しさの解釈は置いておくとして、前作からの橋渡しも兼ねて挿入されたブラウン一家の簡単な紹介エピソードが後半の活劇に見事に活かされていくなど細かな伏線を教科書通りに回収していく脚本は投げっぱなしの雑な脚本の多い近ごろでは特に気持ち良く感じた。

 

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    キャラクターの描き方も、可愛いさだけでなく、ケモノの汚さがきちんと織り込まれた主人公のパディントンを筆頭に、彼が刑務所で出会うナックルズ(ブレンダン・グリーソン)たち囚人を、家族映画だからと言って見た目は怖いが中身は善人にするなどと単純化しない姿勢が前作同様に素晴らしかった。ヒュー・グラント演じるブキャナンを愛嬌と人間味を持たせながら悪役として成立させていたのも巧かった。終盤での疾走する汽車を舞台としたアクションもかなり良くて、エンターテイメント作品として申し分のない楽しさだった。

 

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映画『パディントン2』予告篇 - YouTube

 

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