1953年、ソ連。独裁者スターリン(アドリアン・マクローリン)の死により、フルシチョフ(スティーヴ・ブシェミ)、ベリヤ(サイモン・ラッセル・ビール)ら側近たちが最高権力者の座を狙って熾烈にして滑稽な闘争を繰り広げる。
監督:アーマンド・イヌアッチ、脚本:デヴィッド・シュナイダー、イアン・マーチン、脚本追記:ピーター・フェローズ、製作:ヤン・ゼヌー、ローラン・ゼトゥンヌ、撮影:ザック・ニコルソン、編集:ピーター・ランバート、美術:クリスティーナ・カサリ、衣装:スージー・ハーマン、音楽:クリストファー・ウィリス。
世界の作り込み、作品として切り取った時代の選び方、滑稽な人物描写で楽しくは観たのだけど、英語圏の役者が英語で喋ってる違和感はどうしても拭えなかった。そのことを虚構なのだからということで置いておくとしても、権力者を舐めて単なる馬鹿に描く態度が、そこに含まれる恐ろしさを薄めてしまい、作り手の伝えんとする政治的警鐘から逆に遠ざけているとは思った。それでも適度なバランスを取ろうとする作り手の姿勢は強く感じられはしたが。