若手ピアニストの登竜門として注目を集める芳ヶ江国際ピアノコンクール予選会。母の死をきっかけに表舞台から姿を消していたかつての天才少女・栄伝亜夜(松岡茉優)、楽器店で働きながら生活者の音楽でコンクールに挑戦しようとする高島明石(松坂桃李)、有名音楽院に在籍する完璧な演奏技術と人気を誇るマサル(森崎ウィン)、そして最近亡くなった世界最高峰のピアニストからの「推薦状」を持ってパリのオーディションに彗星のこどく現れた謎の少年・風間塵(鈴鹿央士)。それぞれが夢や葛藤を抱えながらもコンクールの舞台に挑む。
監督・脚本:石川慶、原作:恩田陸、撮影監督:ピオトル・ニエミイスキ、美術:我妻弘之、編集:太田義則、劇中音楽:篠田大介、音楽プロデューサー:杉田寿宏。
原作はピアノ好きの娘と読もうと思って発売時に購入していたのだが、結局手をつける前に映画化しちゃったので子供と一緒に観てきた。映画は演奏シーンでの鍵となるポイントを分かり易く伝えてくれる丁寧な演出でコンクールものとして堪能出来たし、亜夜と塵の如何にも天才な目つきも良かった。特に塵役の鈴鹿央士は他の役で見たことないぶん、より鮮烈だった。ただ主役級の人物が4人も出てくるわりにはそれぞれの掘り下げが少なくて、多分原作のダイジェスト的になってしまっているところも多いのだろうなとは感じたし、タイトルが象徴するところもイマイチ分からなかったので、そこら辺についてはちゃんと原作を読もうかな、と思った。