『アベンジャーズ エンドゲーム』後の世界。スパイダーマンこと高校生のピーター・パーカー(トム・ホランド)はネッド(ジェイコブ・バタロン)やMJ(ゼンデイヤ)と学校の研修旅行でヨーロッパへ。しかしそこに謎のヒーロー、ミステリオ(ジェイク・ギレンホール)や元「S.H.I.E.L.D.」長官ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)やマリア・ヒル(コビー・スマルダーズ)も現れて…。
監督:ジョン・ワッツ、製作:ケヴィン・ファイギ、脚本:クリス・マッケナ、エリック・ソマーズ、撮影監督:マシュー・J・ロイド、プロダクション・デザイン:クロード・パレ、編集:ダン・レーベンタール、視覚効果監修:ジャネク・サーズ、衣装:アンナ・B・シェパード、音楽:マイケル・ジアッキノ。
『エンドゲーム』というデカイ話の後を受けてもちゃんと地に足の着いた物語を語るMCUの絶妙なペース配分で、ちゃんと持ち味の軽妙さを保持しつつ、多様性は大前提としてさらにフェイク/ファクトという現代的テーマのど真ん中を押さえ、しかも古き良き観光映画を復権させている傑作だった。
また、その全てを説得力のある映像でちゃんと支えていて、さらにはこれからの大きな物語のエピローグとしても機能しているという文句のつけようがないアメコミ映画になっていた。個人的にはマリア・ヒル史上最高にカッコいいシーンがたまらなかったが、実はそれが本物のマリア・ヒルじゃないという微妙なじれったさを感じる作品でもあった。