2020-07-05 先をゆくもの達 / 神林 長平 書籍 舞台は神林作品のホームとも言える火星。スケールやSF的仕掛けは壮大だが、真意の不確かな会話のやり取りで物語が進行していく。なのでストーリーやガジェットの面白さよりも形而上学的考察の方に比重が置かれていて、『敵は海賊』シリーズに代表される、スペースオペラを楽しんでいたらいつの間にか哲学的思考に片足突っ込んでいた、みたいな面白さからすると少し地味にも感じたが、しかしこれもまた神林ワールドの醍醐味。いつも通り、面白い!