作画での表情の描き方だったり、物語の原動力が互いの微妙な感情の差異からくるもどかしさだったりと伝統的な少女漫画の面白さで楽しく読めるところにタイトル通りのテーマが繊細に描かれていて、百合ジャンルならではの面白さもあった。あと主人公の友達(響ちゃん)がいい感じにスパイスになっていて、『citrus』のはるみん然り、こういう光ったサブキャラがいると物語世界により親しみが増すよね…、と思った。
チェンソーマン 11 (ジャンプコミックス) / 藤本 タツキ
終わってしまった。一応、第一部完となってるけど、もう終わりでいいんじゃないかっていうぐらいにはちゃんと終わってた。かなりお腹いっぱいなので、のんびりと再開して欲しい。
Julien Baker / Little Oblivions
より色彩豊かになったプロダクションと丁寧な歌唱で洗練度の増した充実のアルバムだった。個人的には張り詰めてエモ過ぎる前作が超好きだったので、あんまり洗練されなくても良かったんだけど、とも思ったんだけど、聴き込むほどに音の深みにハマってきて、やはり素晴らしい。
発売日 2021/2/26
収録楽曲
01. Hardline
02. Heatwave
03. Faith Healer
04. Relative Fiction
05. Crying Wolf
06. Bloodshot
07. Ringside
08. Favor
09. Song in E
10. Repeat
11. Highlight Reel
12. Ziptie
13. Guthrie *Bonus Track for Japan
weezer / OK Human
ただでさえリリースしてくれるだけで嬉しいのに『Van weezer』が発売延期になって、うーってなってたので、より嬉しい。ピアノ前面のアルバムで、ホントは次のギターメイン(多分)の作品と折衷してくれたらもっと最高なんだろうけど、それじゃピンカートンだもんな。色々追求したいリヴァースの創作意欲が全開のいいアルバムだった。
発売日 2021/1/29
収録楽曲
01. All My Favorite Songs
02. Aloo Gobi
03. Grapes Of Wrath
04. Numbers
05. Playing My Piano
06. Mirror Image
07. Screens
08. Bird With A Broken Wing
09. Dead Roses
10. Everything Happens For A Reason
11. Here Comes The Rain
12. La Brea Tar Pits
たとえとどかぬ糸だとしても(全七巻)(百合姫コミックス) / tMnR
暗くて報われない展開がゆっくり7巻分続いたんだけど、どうやっても成就しそうにない関係性をどこへ着地させるんだよっていう興味と、基本的には明るい登場人物のキャラクターのおかげで楽しく読み通せた。イチャイチャしてる作品ばかり読むのもな〜、という自分の中の謎のバランス感覚もあったし。
しかし最終巻の限定版に付いてる小冊子読むのと読まないのとで物語の印象が随分と変わってしまうのはどうなんだろ。このエピローグは本編に組み込むべきでは?とは思った。そこは意図的なのかも知れないんたけど。
新感染半島 ファイナル・ステージ (2020年・韓)
人がゾンビ化するウイルスが蔓延し、壊滅状態となった韓国からを香港へ逃げ延びていた元軍人ジョンソク(カン・ドンウォン)は現地の裏社会から大金の積み込まれたトラックの回収を依頼されて半島へと渡るが、感染者やソ大尉(ク・ギョファン)とファン軍曹(キム・ミンジェ)に率いられた凶暴な民兵集団に襲われて危機に陥いってしまう。そんなジュンソクを救ったのは、かつて彼が半島から脱出する際に見捨てていったミンジョン(イ・ジョンヒョン)とその娘ジュニ(イ・レ)、ユジン(イ・イェウォン)だった…。
監督・脚本:ヨン・サンホ、脚本:パク・ジュソク、撮影:イ・ヒョンドク、美術:イ・モグォン、編集:ヤン・ジンモ、音楽:モグ。
大概のゾンビ映画の続編と同様にゾンビ要素がほぼゼロになったアクション大作で、特撮も含めて全てが大味な亜流マッドマックスみたいな映画だった。なのでゾンビを期待するとけっこう肩透かしを食う感じではある。
ただ流石に近年の韓国映画らしくファン軍曹を始めとしてイイ顔したナイスキャラが乱立していたので、正月に子供と観るにはちょうど良かった。しかしこういうのを見ると、手作りのB級ゾンビ映画が観たくはなる。あとアクション大作としてもアクションの過剰具合で盛り上がりに欠けたのと、運転スキルがプロ級とか、メカに強すぎるとか、定番過ぎるがあり得ない子供キャラは実写だとちょっとシラけた。