yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

魔法少女を忘れない

   主人公の男子高校生に突然義理の妹が出来る。その妹は元『魔法少女』だった。少女は魔法少女ではなくなると段々と周囲の記憶から消え、忘れ去らていくという。主人公は血が繋がっている訳でもなく、可愛いというので当然に妹に恋をして、そこに幼馴染の女子(アニメ調の喋り方の眼鏡美少女)と親友の男子が絡んだ恋愛話が進行しつつ、主人公たちは妹の存在を忘れない為に何とか奮闘していく、というストーリー、だった。 多分。

    魔法少女というのが思春期とか若さの暗喩なのか現実なのかというのは明確には語られない。やりようによっては面白くなりそうな感じだが、その不確かな魔法少女という存在と、魔法少女でなくなると段々と周囲から忘却されるという設定が、〈かつて少女は皆、魔法少女だった〉というような普遍性を持つことなく、他人事にしか感じれない。元魔法少女の妹は美少女ゆえにもてはやされているだけで、それがやがて経年劣化して輝きが失われていく様にしか見えないからで、〈かつて少女は皆、魔法少女だった、但し美少女限定〉というカッコつきのお話になってしまっている。これだと若くて美しいという価値観を礼賛しているだけで、別にそういう映画ならそれでも良いが、この作品はその『魔法少女の季節』のあとを描こうとしているように思えるからしっくりこない。

   あと主人公の周囲に妹とか幼馴染を配置することで主人公男子は特に能動的に動くことなしにハナからある程度の信頼を伴った関係性を構築出来ているという、かなり男に都合の良い設定が凄く気色悪い。ここら辺はオタクアニメやラノベの売りのひとつということで仕方ないのか。

   更に序盤で意味ありげに主人公が通りすがりの女性に挨拶するのだが、このシーンは何を表してたらいるんだろうと思っていたら、エンドロールで出資している地方テレビ局のアナウンサーの顔見せだったというのが分かって、これは1番力抜けた。

   ということで、全体的に脚本(もしくは原作)に依った部分がかなり気持ち悪いのと、そこに妙な編集、音楽がブレンドされて久々にダメな映画を観てしまった気もするが、いかにも青春なキラメキを写しだした映像と、役者が良かったから嫌いな作品ではなかった。特に妹役の谷内里早は、どっかで見ているのだが…、と思いながら悶々としてたら、娘がいつも見てる『すイエんサー』の人だったのでいっきに親近感が湧いて、更に国広富之の次女だとwikiに書いてあって、別にトミーファンでもないのに感慨深くなったりしたのだった。


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