有名レストランの料理長職をオーナーやグルメ評論家とのケンカで辞めてしまったカール(ジョン・ファブロー)は、元妻のイネス(ソフィア・ベルガラ)や元部下マーティン(ジョン・レグイザモ)の協力でフードトラックの移動販売を始める。そして各地の食材の豊かさを発見しながらのフードトラックアメリカ横断の旅で、同行する息子パーシーとも新たな関係性を見出していく。
映画全編に流れるラテン系中心の音楽と様々な地域の食材やそれを調理する映像の相乗効果が気持ち良くて、ストーリー抜きに楽しめた。それに加えてジョン・レグイザモとボビー・カナベイル(『ブルージャスミン』でも良かった)のいい顔コンビがラテンフレーバーを増長させているのも味わい深い。
ジョン・ファブローが製作・監督・脚本・主演の4役を務めているのだが、主人公の元奥さんが、別れてるのにめちゃくちゃ優しく美人で、しかも現在の恋人はスカーレット・ヨハンソンという、自分で映画を作るのにこの上ない願望の充足させぶりにも感服した。羨ましい。
そんなスカーレット・ヨハンソンの他に、ロバート・ダウニー・Jr.、ダスティン・ホフマンといったスターが友情出演的に脇役で登場してくるのだが、彼らが有名人の顔見せでなく、きちんとその存在に見合った役どころを演じているのも良かった。
それまでの流れを台無しにする最後のオチだけは残念だったが、それを差し引いても十分楽しかったので、ストーリーはどうでもよく、ムードを楽しむタイプの作品だと割り切って観れば気にならないかも知れない。
おいしいサンドイッチを売ります!映画『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』予告編 - YouTube