yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

ブルージャスミン

    ニューヨークの資産家ハル(アレック・ボールドウィン)と結婚し、上流階級のセレブとして裕福な生活を送っていたジャスミン(ケイト・ブランシェット)はハルの詐欺容疑での逮捕により資産没収、転落人生を送ることに。セレブ的な振る舞いが抜けず現実との折り合いのつかない不安定な精神状態の彼女は、サンフランシスコで庶民的な生活を送る妹ジンジャー(サリー・ホーキンス)のもとに身を寄せ、新しい生活を始めるが…。

    富裕層の権威の空虚さのみならず、庶民の厭らしさや粘着質をも描写する皮肉と嫌味の多重構造ながら、同時にそれぞれの逞しさやおかしみも魅力的に描いてコメディに仕上げたウッディ・アレンの演出力が冴えていた。イーストウッドといい、最近の老人監督のフレッシュさは凄い。

    それぞれのキャラクターの役割を役者陣が見事に体現していたのも映画の魅力になっていたが、中でもやはりケイト・ブランシェットの情けなさ演技が突出していて、ガラドリエル様にここまでさせるか、というドキドキ感があった。大女優というラベルのもとで間違いなくセレブであるケイト・ブランシェットが、もしもそのラベルを剥いでしまったら、美人ではあるけれどもただの中年になり得てしまうという事実を提示しているようにも見ることが出来て、それがけっこう恐ろしくもあった。


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