女学生ばかりの寄宿舎でクリスマスパーティが行われていた夜、早目に部屋に切り上げたクレアは何者かに殺害され、密かに屋根裏部屋に運び込まれる。クレアの失踪に気付いた住人のジェス(
オリビア・ハッセー)、
バーブ(
マーゴット・キダー)らは以前から寄宿舎にいたずら電話がかかってきていたこともあり、警察に捜索願を出すが相手にされない。そんななか、ジェスは恋人ピーター(キア・デュリア)との子を妊娠したため中絶を決意し、中絶に反対するピーターと口論になるが、冷静さを失ったピーターの言動がいたずら電話の変質者と同様だったことで彼への疑念を抱く。そしてクレアの失踪に続いて新たな犠牲者が出る中、ついに警察も捜査に動き出すが、監視の目をかいくぐった犯人の魔の手はジェスに迫るのだった…。監督ボブ・クラーク、脚本ロイ・ムーア、撮影
レジナルド・モリス、音楽カール・ジットラー。
犯人(狂人)の主観映像に加えて呼吸音や喘息の喘ぎ、物音と劇伴の相乗効果による音像が怖すぎる。冒頭から安楽椅子で揺れ続ける美女の死体も映画全篇に不穏で不気味な空気をもたらしつつ、ローラ・パーマーばりに美しかったし、何より狂人が実はずっとすぐ側に居て物語が進行していくという状況がたまらく怖かった。
電話交換局での
逆探知場面など当時ならではのサスペンス場面も新鮮だし、姿を見せない犯人の存在を感じさせる見せ方も巧い。安易に解決を見せない語り口には上質の後味と味わいがあって、なぜか豪華な俳優陣も良かった。面白かったな〜。