yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

殺人者はバッヂをつけていた (1954)

    銀行強盗犯ホイーラー逮捕の為に、犯人の情婦ローナ(キム・ノヴァク)のアパートを向かいのビルから監視する刑事ポール(フレッド・マクマレイ)たち。ポールは情報を得る為ローナと接触するが、ローナに惚れた彼はホイーラーを殺して金を奪い、ともに逃げることを約束してしまう。一方、ポールの同僚リック(フィリップ・キャリー)はローナの隣室に住む看護婦アン(ドロシー・マローン)に夢中になり、親しくなっていく。そんな中、張り込みを続けながら秘密の計画を進めるポールだったが、隙を見てローナの部屋に入ったところをアンに目撃されてしまう…。監督リチャード・クワイン、原作トーマス・ウォルシュ、ウィリアム・S・バリンジャー、脚色ロイ・ハギンズ、撮影レスター・H・ホワイト、音楽モリス・W・ストロフ。

 

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    裏窓的なシチュエーション(製作は同年なのでパクリという訳ではないみたい)ながら、それを使ったサスペンスは殆ど無く、まったりと進行するので緊張感はあまり感じられないが、遠く覗く相手に惹かれていく背徳的なロマンスが主人公と相棒の刑事それぞれにあって、それが後半、運命の行く末を決定付けていくというような、通常のモラルから逸脱したところで物語が形作られていくのを見るのが楽しく、犯罪映画として面白かった。

 

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    主人公の一見ハードボイルドなタフガイなのに、金にも女にも目がくらむ情け無い小悪党ぶりと冷徹になり切れない中途半端さを段々と露呈させていくのが情け無くも人間臭く、ついつい感情移入させられてサスペンスが盛り上がる。一方の正義感に溢れるハンサムな刑事と隣室の真面目な看護婦という通常であればヒーロー、ヒロインとして申し分ない資質を持っているカップルが妨害者としてキャラ立ちしていくのも一般的なモラルから離れた映画独特の価値観を堪能出来た。

 

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    何より映画のムードを引き立てていたのは、計算高い悪女のようにも、純真な女性のようにも見えるキム・ノヴァクの存在感と、フレッド・マクマレイの渋く構えてるのに鼻の下が伸びきったような顔立ちで、この2人ならこんな物語もあるかも、という説得力で良かった。

 

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