幽霊研究の趣味がバレて勤務先の大学を追い出された物理学者エリン(クリステン・ウィグ)は悪友のアビー(メリッサ・マッカーシー)、マッドな科学者ジリアン(ケイト・マッキノン)とともに幽霊調査と退治を行う会社を立ち上げる。幽霊事件の背後にホテル従業員ローワン(ニール・ケイシー)の怪しい影がちらつき、NY市長(アンディ・ガルシア)の横槍も入る中、鉄道職員のパティ(レスリー・ジョーンズ)やイケメンだがおバカな事務員ケビン(クリス・ヘムズワース)を加えた彼女たちは、ゴーストバスターズとしての活躍を始めるのだった…。監督、脚本ポール・フェイグ、脚本ケイティ・ディポルド、製作アイヴァン・ライトマン、製作総指揮ダン・エイクロイド、撮影ロバート・イェーマン、視覚効果ピーター・G・トラヴァース。
キャラクター同士の掛け合いも楽しく、特にケイト・マッキノンのマッドサイエンティストとしての振り切り方は最高だったし、クリス・ヘムズワースは他方でヒーローやタフガイやりながらこちらではおバカキャラを演じるという役回りが美味しく、それを見事に演じきって作品に馴染ませてしまうポテンシャルも凄かった。で、オリジナルへの配慮、目配せも抜かりなく、女性を主要キャラクターに配したことも、なかなか認められず報われないチームの物語としての必然性が感じられて良かった。
オリジナルの「ゴーストバスターズ」は、リアルタイムで映画館で観てた人は凄い映像の怪獣映画としてマシュマロマンの巨大さを喜んだりしたのかも知れないが、テレビで観た身としては巨大マシュマロが登場したところでギャグとして全く笑えないんだけど…という微妙なものだったので、今回のリブート版でのクライマックスは、平凡な盛り上げ方ではあるものの大作映画として十分な大風呂敷が拡げてあり、前述のクリス・ヘムズワースのキャラクターがギャグとして機能していたりして退屈せずに楽しめた。
とは言え、相変わらずの核の軽い扱いには辟易するし、オリジナルで個人的に楽しかったガジェットの面白味が無くなっていたのは残念で、対ゴースト用の兵器がどう考えても対人兵器として相当に有用そうなところはコメディタッチの作品としては素直に面白がれない要素だった。それとゴーストたちがCGだと、どうしても薄味というのはあった。
しかし今作はダメ人間、はみだし者の友情物語というのが本筋としてあって、そこに関してはオリジナルより断然燃えたのは間違いないし、元々オリジナルへの思い入れ無くフラットに鑑賞した身としては、映画としての目新しさや革新的な部分を感じずとも普通に楽しかった。ほとんど人死にが出ないのもいい。多分死んだのは自ら死んだ人以外ではあの人だけじゃないか…。そう考えるとせめて重体ぐらいで止めて欲しかったな…。