ムーミン谷から南のリゾート地リビエラにやってきたムーミン一家は、ホテルと知らずにスイートルームに宿泊してバカンスを満喫していた。しかしムーミン(高山みなみ)は、ガールフレンドのフローレン(かないみか)がすっかり都会の暮らしに染まり、地元のプレイボーイと仲良くし始めたのを見て気が気じゃない。ムーミンパパ(大塚明夫)も貴族と友達になり、優雅な生活に浸ってムーミンのことを見てあげなくなってしまう。そんなリゾート生活に嫌気がさしたムーミンとムーミンママ(谷育子)は、ホテルを出て浜辺で寝泊まりするようになる。仲良しだったムーミン一家はこのままバラバラになってしまうのか…。原作トーべ・ヤンソン、監督グサヴィエ・ピカルド、ハンナ・ヘミラ、脚本レスリー・スチュワート他、音楽パヌ・アールティオ。
吹替え版を子供と鑑賞。ムーミンたちがムーミン谷からリゾート地へ出掛け、まったりして帰ってくるという話で、特に事件も起こらない抑揚の無い作り。しかし母国のフィンランド製作としては初の全編手描きだというアニメーションのタッチが物語同様に淡い色彩で統一されていて、居心地の良い独特の世界が構築されていた。世界観に相応しい劇伴も効果的で、ストーリーでなくムードによって「ムーミン」を映画にした作りに子供たちも引き込まれていた。ある程度の毒気とギリギリ教訓話にならない寓話的展開などバランスもちょうど良かった。
映画『劇場版 ムーミン 南の海で楽しいバカンス』60秒予告 - YouTube