yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

20センチュリー・ウーマン (2016・米)

   1979年、サンタバーバラ。自由奔放で自立した55歳のシングルマザー、ドロシア(アネット・ベニング)は父親不在の15歳の息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)の教育に頭を悩ませていた。ドロシアは身近な男性である下宿人で元ヒッピーのウィリアム(ビリー・クラダップ)ではなく、同じく下宿人のアビー(グレタ・ガーウィグ)と、ジェイミーの2つ上の幼馴染ジュリー(エル・ファニング)という2人の女性に教育係を依頼する。ジェイミーは母親のお節介に反発しながらも彼女たちと接することで新しい世界を目にしていく。

監督、脚本:マイク・ミルズ、撮影監督:ショーン・ポーター、編集:レスリー・ジョーンズ美術監督:クリス・ジョーンズ、衣装デザイナー:ジェニファー・ジョンソン、音楽:ロジャー・ニール、音楽監修:ハワード・パール。 

 

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    観客はまばらで、それもほぼエル・ファニング目当てのおっさんのみ(勝手な推測、当方含む)という感じだったがエル・ファニングはちゃんと可愛かった。それで演技も凄いので最強だよ。

 

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    映画自体は監督の自伝的色彩が強い作品らしいのだが、主人公の男の子の自宅は下宿も営み、そこにカッコいいパンク姉さん(アビー)が住んでいて、さらには幼馴染が超美少女(ジュリー)で、夜な夜な添い寝しにやってくるという殆どラノベの主人公みたいな境遇になっていて、なんだそれ、とひがみも浮かんじゃうんだけど、登場人物たちそれぞれを丁寧に描いていて、凄く真摯な作りのいい作品だった。

 

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    音楽の使い方のセンスも良くて、『地方にやってきたパンクムーヴメント」を追体験しつつ時代の空気全体も感じられるような世界の作り込みも見事だった。そこで語られる物語に劇的なことは殆ど発生せず、ただその時代に生きた各世代の女性たちを活写していて、そのことで現代の受け手としては彼女たちの生き様や、やろうとしたことへの敬意も芽生えるし、今もまだ続く抑圧にも思いが向かう。全く説教臭くなくスマートにそれがやれているのはアネット・ベニングを始めとする役者陣の実在感や、少しだけ理想化されているような1979年のサンタバーバラを映し出す画面の美しさなど作品を構成する要素がトータルに結実しているからこそだと思えた。

 

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映画『20センチュリー・ウーマン』予告 - YouTube

 

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