軍部の力が増し、不穏な空気の拡がっていた大正末期の東京に、女相撲一座がやってくる。その中には暴力夫から逃げてきた新人の花菊(木龍麻生)や元遊女の十勝川(韓英恵)もいた。興行をみたアナキスト集団「ギロチン社」の中濱鐡(東出昌大)と古田大次郎(寛一郎)は彼女達に魅せられ、行動を共にするようになるのだが…。
監督・脚本:瀬々敬久、脚本:相澤虎之助、音楽:安川午朗、撮影:鍋島淳裕、照明:かげつよし、編集:早野亮、美術監修:磯見俊裕、馬場正男。
アナキスト集団のギロチン社と女相撲一座という題材を掛け合わせて群像劇にしてしまったアイデアとそれを具現化した熱量が凄かった。俳優陣や美術の総体として大正末期の世界とそこに息づく若者集団がリアルに立ち上がっていたし、迫力と説得力のある女相撲描写が更に作品を底上げしていた。何よりも作りたいものを作り上げる情熱と、今作るべきという切迫感が伝わってきて燃えたし、感動的だった。