ネイティブアメリカン保留地、ワイオミング州の雪深い土地、ウィンド・リバーで、女性の遺体が発見された。現地に派遣されたFBIの新人捜査官ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)は地元のベテランハンター、コリー・ランバート(ジェレミー・レナー)に協力を求め、共に事件の真相を追うが、全てが雪と寒さの中に埋れていくウインド・リバーの自然のように、真相への道は深く閉ざされていた。
監督・脚本:テイラー・シェリダン、撮影:ベン・リチャードソン、プロダクションデザイン:ニール・スピサック、音楽:ニック・ケイヴ、ウォーレン・エリス。
アート映画の静謐さ、映像美、社会派風の切り口を援用しながら勧善懲悪私刑執行映画=西部劇を今の時代にやり切ろうという試みは、それはそれで結構ヤバいよなとは思ったが、アクションのカッコ良さとオルセンさんの美しさに単純に痺れた。ネイティブ・アメリカンの保留地という存在をクローズアップさせた意義と映画を暴力によって解決させてしまう雑さのバランスにモヤモヤしつつも渋味のアクション映画として面白かった。