ありふれたアメリカの田舎町センターヴィル。しかしダイナーで起こった変死事件を皮切りに町は墓場から蘇ったゾンビで溢れ出した。警察署に勤務するロバートソン署長(ビル・マーレイ)とピーターソン巡査(アダム・ドライバー)、モリソン巡査(クロエ・セヴィニー)は、日本刀を片手に手慣れた様子でゾンビたちを切り捨てる葬儀屋のゼルダ(ティルダ・スウィントン)とともに事態の打開を図るのだったが…。
監督、脚本:ジム・ジャームッシュ、撮影監督:フレデリック・エルムズ、美術:アレックス・ディゲルランド、編集:アルフォンソ・ゴンサルヴェス、衣装デザイナー:キャサリン・ジョージ、音楽:スクワール。
これまでもジャンル映画的なものはやってたけど、ここまで小ネタを詰め込んで振り切った作品を(ジャームッシュ的)オールスターキャストで楽しそうに作っちゃったのは驚きで、見てるこちら側にもその楽しさが伝わってくる映画だった。『ゾンビ』のゴブリンをリスペクトしたようなシンセとティルダ・ウィンストンも最高だった。
社会批評的なメッセージが込められているのもゾンビ映画の常道で、今作には物質主義への疑義があったりするのだけど、そこに関してはジャームッシュの古き良きものへのノスタルジー的な感性、例えばきっとダウンロード音源よりアナログレコードを愛するような傾向が実は物質主義の牽引力になっちゃっているんじゃないか、という意地悪な見方も出来たりするが、そこは、まあゾンビ映画として楽しかったから別にいいか。
ジム・ジャームッシュのゾンビ映画『デッド・ドント・ダイ』予告編 - YouTube