家族を不幸な形で失い、自身も精神疾患に苦しむ大学生ダニー(フローレンス・ピュー)は、大学で民俗学を研究する恋人や友人たち5人でスウェーデンの奥地で開催される夏至祭に参加する。太陽が沈まぬその村で行われる「90年に一度の祝祭」に村は幸福な空気に包まれていたが、その祭は残酷な儀式に彩られた奇祭であった…。
監督・脚本:アリ・アスター、撮影監督:パヴェウ・ポゴジェルスキ、プロダクションデザイン:ヘンリック・スヴェンソン、編集:ルシアン・ジョンストン、衣装デザイン:アンドレア・フレッシュ、音楽:ボビー・クルリック。
『ヘレディタリー』で諸星大二郎を感じたのは間違いなかった。今作でも奇祭という舞台はもちろん、世界が反転して異界へ入っていく様などは諸星ワールド的で、この監督、諸星漫画読んでるんじゃないかと思った。もしくは感性が近いか。
で、この映画、奇祭系ホラーとして突出した出来とは思わなかったけど、幕切れの高揚感が『ヘレディタリー』以上に感覚がズレていて、つまり、通常のハッピーエンドの感覚ではない部分で主人公が充足していくところに物語の到達点が設定されていて、この監督ちょっとヤバいんじゃないかという、そこが一番ホラーだった。
『ミッドサマー』本国ティザー予告(日本語字幕付き)|2020年2月公開 - YouTube