yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

蜜蜂と遠雷(幻冬社) / 恩田 陸

 ピアノに燃えていた娘に読ませようと思って買っていたものの(未だに燃えてる)、先に映画版を観たのもあって長らく積んでいたが、ようやく読んだ。で、やっぱり恩田陸は面白かった。ピアノコンクールを舞台にして、バトルマンガさながらに、初回より2回目、2回目より3回目と〈素晴らしい演奏〉がエスカレートしていく様を、演奏者の心理や聴き手側の感情描写を総動員して、ちゃんと音楽の凄みが上昇していく文章で表現されていたので、読んでいて音楽そのものに説得力を感じたし、何より燃えた。で、映画版で不要に感じた心理イメージのしつこいインサートや本選に登場するあくの強い指揮者(鹿賀丈史)のキャラクターも、こちらの原作小説では物語の流れを阻害しないスマートな描写になっていて、だよねー、と勝手に納得したのだった。

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