シチュエーションを変え、殺戮方法を一層エスカレートさせてバージョンアップ、前作同様ミステリ的な仕掛けもあるのでスプラッター映画の続編にありがちなマンネリと恐怖への慣れを感じる事なく読んだ。しかし、より過剰さの増した暴力描写は当時の時代状況を考えると幅を効かせる良識へのアンチテーゼとして痛快だったとは思うのだが、逆張りや露悪的な態度を正直さと履き違えて喝采が与えられるような現在の目線から読んじゃうと、やっぱり今は無しかな、とも思えて、続編をいずれ書くと〈あとがき〉で述べているものの未だ刊行されていないのは、そういう理由もあるのかもとは思った。