Twitterで面白そうだと思って買ってから6、7年は経過してる気がするが、やっと読んでみた。夢枕獏の九十九乱蔵みたいなお化け退治的小説かと思いきや実話(?)怪奇・怪談集の体裁で、語られる内容と語り手の立ち位置そのものに不思議な感覚があって面白かった。作品のエピソードは実話の体で語られているが、これが真実、実話だとしたら当然怖いし、虚構として語り手含めて実話的に構築しているなら見事だし、虚構であるのに作者は実話と完全に妄想しているとしたらそれはそれで怖いという虚構と現実の線引きを想像すると色々と興味深い構造になっているのが面白いし興味深くて、他作品も読んでみたくなった。