監督:キャリー・ジョージ・フクナガ。
007にさほど思い入れがないもののダニエル・クレイグ版はどれも面白かったし、特にサム・メンデスが独自の様式美を取り入れてから単体映画として荒唐無稽ながらも現代に通用するリアリティを獲得してきたのは大きかった。で、今作は終章に相応しいてんこ盛りの作品だった。なので無駄に長いし、後任007のエピソードとか丸ごと不要な気もしたが、無駄な枝葉のアナ・デ・アルマス演じる女スパイが作中一番良かったりもして、まあいいのかな、と。そもそも007が冗長なのは通常モードであるし。そして最終的にはサム・メンデスの様式美とリアリティを放棄しつつ007のキャラクターを現代風に更新して今後のシリーズへの更なる延命措置を行った、という感じか。