ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ/金井 美恵子
ノスタルジィと夢の回廊が延々と続くような感覚が、能動的にページをめくっていく意識と絶妙のリズムを刻んで…、などと読んでる時の味わいを文章で書こうとすると自分でも何言ってるかよくわからなくなるが、とにかく読んでいて、いい塩梅で気持ち良かった。シューゲイザーみたいな感覚と言うか。具体的に言うと、大小様々な入れ子構造そのものが楽しく、読み進める為の最低限度の物語もきちんと浮かび上がってきて飽きない、装丁も美しくて好き、という感じだ。